東京スカイツリーは公共建築物?公共建築物等の木材利用促進法施行(2010/10/10)

公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律が10月1日から施行されました。施行された3つの文書が公開されています(林野庁HP)。

公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律施行令本文 同概要 (10月1日)
公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律施行規則本文  同概要 (10月1日)
公共建築物における木材の利用の促進に関する基本方針(本文) (10月4日)

施行令第1条は「国又は地方公共団体以外の者が整備する公共建築物」という条項で以下のような規定となっています

国又は地方公共団体以外の者が整備する公共建築物として、以下の建築物を定める。
@ 学校
A 老人ホーム、保育所、福祉ホームその他これらに類する社会福祉施設
B 病院又は診療所
C 体育館、水泳場その他これらに類する運動施設
D 図書館、青年の家その他これらに類する社会教育施設
E 車両の停車場又は船舶若しくは航空機の発着場を構成する建築物で旅客の乗降又は待合いの用に供するもの
F 高速道路の通行者又は利用者の利便に供するための休憩所

(東京スカイツリーは公共建築物か)

私が出席したある会合で、今話題の東京スカイツリーはここでいう公共建築物かということが議論になりました。

これを議論するときにはい、上記の施行令の条文と、以下の法律本文の第二条公共建築物の定義についての規定がたよりとなります。

第二条 この法律において「公共建築物」とは、次に掲げる建築物(建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物をいう。以下同じ。)をいう。
1 国又は地方公共団体が整備する公共の用又は公用に供する建築物
2 国又は地方公共団体以外の者が整備する学校、老人ホームその他の前号に掲げる建築物に準ずる建築物として政令で定めるもの

東京スカイツリーのような株式会社が建築している対象が、ここでいう公共建築物かどうかの判断はについて、次の3つのステップで考える必要があります。

まず、建築基準法で定義された建築物かどうか。これは同法第二条第1号において「土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するもの、・・・」というのですからは東京スカイツリーは大丈夫でしょう。(白)

次に、国や自治体などが建築した不特定多数が利用する(公共の用に供する)建物に「準じたもの」かどうか、です。電波塔が不特定多数が利用するきわめて公共性の高い、「公共の用に供するもの」であることは間違えないでしょう。(白)。「学校、老人ホームその他の」という限定気味になっている部分が気になるところですが(灰色)

最後に「政令で定めるもの」、という施行令第一条のリストに行き着くわけですが、@からFまでに電波塔が含まれる規定がありません。(黒)

つまり、今回施行された法令に従うと、法律上は灰色ですが、政令で「木材利用促進法上の公共建築物ではない」ことになります。

逆に言えば法律を改定しなくても政令を改定すれば、東京スカイツリーの内装を木質化するようにつとめなければならない、ということになるようです。

もっとも法律を根拠にしなくても、「スカイツリー(空の樹木)を名乗るなら、空の木材空間を提供してほしいと」要請しても悪くはないでしょう。

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