公表された木材・木材製品のカーボンフットプリント算定基準(PCR)(2011/5/30)

 

3月下旬に公表された木材・木材製品のカーボンフットプリント算定基準(PCR)の解説をしています。

(カーボンフットプリントの最初の段階は原料調達段階)

PCR本文の7原材料調達段階の「7-1データ収集範囲に含まれるプロセス」には以下の記載があります。

原材料調達段階で対象とするプロセスは次の通り。なお、次のプロセスはこのPCR で対象とする製品の原材料調達段階を網羅したものであるので、当該製品のカーボンフットプリント算定にあたっては、次のプロセスから実際に利用しているプロセスを選択し、それに沿ってデータ収集を行うこと。
@「丸太」の生産および輸送に係るプロセス
A「ラミナ」、「単板」、「チップ」の生産および輸送に係るプロセス
B「未利用間伐材等」、「残廃材」、「廃木材」の調達および輸送に係るプロセス
C「接着剤原料」か「接着剤」の製造および輸送に係るプロセス
D「保存処理薬剤原料」の製造および輸送に係るプロセ
E「その他の原材料・資材」の製造および輸送に係るプロセスス

付属書Aライフサイクルフロー図のA1製材によると、原材料は丸太とその他の資材原料と記載されていますので上記のうち製材の場合は@とEが対象となります。製材生産工程で丸太以外の原材料といえば製品に印字する場合のインクなどでしょうか。あらゆる可能性を排除しないで記載しておくという姿勢が表れているといっていいでしょう。説明省略します。基本的には@を考えていけがよいはずです。
次に、本文「7-2データの収集範囲」には以下の記載があります

次の項目のうちから、前項で選択されたプロセスに係るデータ収集を行うこと。
@「丸太」の生産および輸送に係るプロセス
・「丸太」の生産および輸送に係るGHG 排出量
E「その他の原材料・資材」の製造および輸送に係るプロセス
・「その他の原材料・資材」の製造および輸送に係るGHG 排出量

丸太の生産と輸送について、上記A1製材のライフサイクルフロー図の原材料調達過程では丸太という製品になる前のプロセスすなわち「丸太の生産」では「林地での路網整備、間伐、主伐、集材」と記載されています。
原料となる丸太が生産される過程のGHG(温室効果ガス)の排出量のデータ収集を行うことが指示されます。
さらに、本文「7-3一次データ収集項目」には以下の記載があります。

このPCRの原材料調達段階において、次のプロセスについては一次データを収集すること。
@「丸太」の生産および輸送に係るプロセス
・「丸太」の輸送に係るGHG 排出量

生産と輸送の二つのうち、輸送については「算定する事業者が自らの責任で収集する」一次データだとされており、逆に丸太の生産過程で発生するGHG「自ら収集することが困難で共通データや文献データ、LCAの実施例から引用するデータのみによって収集される」(二次データ)でもでよいことが示唆されています。

この丸太の製造過程の二次データはCFP施行事業事務局のHPに共通原単位データベースというページがあり、そのに掲載されている「カーボンフットプリント制度試行事業CO2換算量原単位データベース(暫定版)ver. 3」(同エクセル版)に以下のデータが掲載されています。

公開用
整理番号
種類 分類 名称 単位 GHG排出量
[kg-CO2e/単位]
原単位の範囲
302001 製品 林業 丸太(原木) m3 9.75 (種)〜育成〜伐採〜輸送
302002 製品 林業 すぎ m3 11.6 (種)〜育成〜伐採〜輸送
302003 製品 林業 ひのき m3 12.6 (種)〜育成〜伐採〜輸送
302004 製品 林業 あかまつ・くろまつ m3 3.19 (種)〜育成〜伐採〜輸送
302005 製品 林業 からまつ m3 3.37 (種)〜育成〜伐採〜輸送
http://www.cfp-japan.jp/calculate/verify/pdf/kokai-co2kasanryou-db20110331.pdf

この数字の根拠は以下の通りとされています。
"農林水産省,“平成12年度林業経営統計”,(2002)
総務省,“平成12年(2000年)産業連関表”, (2004)
農薬工業会,“平成12農薬年度出荷実績表”,入手先<http://www.jcpa.or.jp/data/index.html>,(2000)
温室効果ガスインベントリオフィス:“日本国温室効果ガスインベントリ報告書”(2009)(2010)
農林水産省,“平成12年農業物価統計”,(2002)
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部:“産業廃棄物排出・処理状況調査報告書/平成12年度実績”,(2003)

上記の情報源は、山の作業内容についての排出量を測定したデータではなさそうなので、産業連関表にもとづいたおおざっぱな計算がされているのだと思います。(つづく)

kokunai4-29<PCRmokuzai2>