オフセット・クレジット(J-VER)制度における森林管理プロジェクトによる森林吸収クレジットの認証基準(2009/3/22)

「市民、企業、NPO/NGO、自治体などが、自らの温室効果ガスの排出量の、削減が困難な部分の排出量について、他の場所で実現した温室効果ガスの排出削減・吸収量等(以下「クレジット」という)を購入すること又は他の場所で排出削減・吸収を実現するプロジェクトや活動を実施すること等により、その排出量の全部又は一部を埋め合わせること」と定義される(我が国におけるカーボンオフセットのあり方について)カーボンオフセットには信頼出来るクレジットの集積が必要です。

そのガイドラインとなるのがプロジェクトのひな形ポジティブリストですが、今回新たに以下の3件の森林関係のプロジェクトがそのリストに加わりました。(林野庁プレスリリース「オフセット・クレジット(J-VER)制度における森林管理プロジェクトによる森林吸収クレジットの認証基準の公表について」

概要は以下の通りです

(1)対象となるプロジェクト
@ 森林経営プロジェクト
・森林法第5条又は第7条の2の対象森林。
・森林施業計画の認定又は森林認証(FSC、SGEC)等により持続的な森林管理を確保。
@)間伐促進型プロジェクト
・2007年度以降に間伐を実施した面積に応じてクレジット発行。対象地で行われる施業は森林計画に適合している必要がある。
・対象地で主伐・土地転用を行うとクレジットは発行されない。
A)持続可能な森林経営促進型プロジェクト
・1990年度以降に間伐・主伐・植栽を実施した面積に応じてクレジット発行。対象地で行われる施業は森林計画に適合している必要がある。
・対象林分で行った主伐については伐採量に応じて排出とみなす。
・対象地で土地転用を行うとクレジットは発行されない。
A 植林プロジェクト
・2008年4月1日時点で森林法第5条・第7条の2の対象森林でなく、かつ森林の定義を満たさないこと。
・森林法第5条・第7条の2の対象森林に編入されるための措置を講じていること。
・2008年度以降に植林された面積に応じてクレジット発行。

(2)永続性の確保のための措置
・発行されるクレジットの3%をバッファーとして制度管理者側で管理し、当該クレジットのうちの一定量を事務局が毎年無効化することにより、自然撹乱及び土地転用等に伴うCO2吸収効果消失分を補填する。
・土地転用や不適切な主伐により吸収量が失われた場合は、別途定める約款に基づき措置を講じる。
・永続性の確保のための措置については、本制度の事務局を務める気候変動対策認証センターがクレジット発行対象期間終了後10年間継続して行うものとする。

(3)吸収量の算定方式
・京都議定書との整合性の確保のため、グロス−ネット計上方式(※)を採用。
※プロジェクトが実施されなかった場合の吸収量との差分をCO2年間吸収量とするベースライン&クレジット方式とは異なり、施業を行った対象地でのCO2吸収量を計上する方式。

ボイラー転換と並んで4つのプロジェクトのうちの3つが森林関係となっています。
オフセット・クレジット(J-VER)制度におけるポジティブリスト 平成21年3月10日改訂より

No.  区分 プロジェクト
0001  エネルギー分野 化石燃料から未利用林地残材へのボイラー燃料代替
0002-1  吸収源  森林経営活動によるCO2吸収量の増大(間伐促進型プロジェクト)
0002-2  吸収源   同上(持続可能な森林経営促進型プロジェクト)
0003   吸収源  植林活動によるCO2吸収量の増大

森林の管理を森林関係者外部の人と議論するのは、木材の販売、水源や国土の保全、野生生物の保全など、いろんなケースがいままでもありますが、今回は今までとちがって「二酸化炭素排出型の企業関係者」と新たな対価を求める形で議論がすすむことになり、一挙に対象者の枠がひろがるとことなります。

持続可能性の検証など議論の水準がステップアップするきっかけになることを期待します。

kokunai4-16(JVERforest)