グローバリゼーションの受容による地域林業再生(2009/1/17)

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの季刊「政策・経営研究」の昨年7月号2008vol.3の特集はグローバリゼーションn3.0ですが、そのなかに標記論題の論文が掲載されています。筆者は同社研究員の相川高信さん。

日本とヨーロッパ主要国との森林/林業概要の比較
日本 フィンランド スウェーデン ドイツ オーストリア
森林面積(万ha) 2512 2000 2753 1057 336
蓄積量(億m3) 40 21.8 31.8 33.9 10.9
年間成長量(万m3/年) n.a. 9700 12967 14587 3135
年間伐採量(万m3/年) 1600 5800 9870 6229 1914
Ha当たり 蓄積量(m3) 159 109 115 317 324
年間成長量(m3/年) n.a. 4.9 4.7 13.8 9.3
年間伐採量(m3/年) 0.6 2.9 3.6 5.9 5.7
相川132頁同上から作成

上記の表は、論文の冒頭に掲げられて表から作成したものですが、単位面積当たりの伐採量の比較に現れる、日本と欧州の林業の活性度の違い。この違いの由来は、この30年間のグローバル化の動きに必至で対応してきた欧州と、それができなかった日本の違いだ、というのが趣旨です。

生産性の問題のみならず、ガバナンスの強化のための法制度とそれを担う主体の問題、など幅広い問題提起となっています。

全文はこちらからpdfファイルグローバリゼーションの受容による地域林業再生The Acceptance of Globalization and Regeneration of Japanese Forestry
  1. 論文の背景と目的
  2. 論文のフレームワーク
    1. 比較軸
    2. 時間軸
  3. 本論
    1. 1980年代〜:労働生産性向上の時代
      1. 下降する木材価格、上昇する労働費用
      2. 農家林家の減少、経営サポートの必要
    2. 1990年代〜:環境対応の時代
      1. 「持続可能な森林経営」概念の登場
      2. ウッドショックの発生
      3. ヨーロッパにおける環境対応
    3. 2000年代〜:地政学的変動の時代
      1. バーゲニングパワーの交代、資源ナショナリズムの勃興
      2. さらなる資源利用率の高度化、付加価値向上の挑戦
    4. 日本林業の対応への遅れと、再生への枠組みの提案
      1. 日本のリアリティーのなさ、対応の遅れ
      2. 解決の方向性
      3. 提言:グローバルな共通の枠組みの導入
    5. まとめ:見えてくる未来
      1. 持続可能な中山間地域
      2. 世界レベルでの「持続可能な森林経営」への貢献

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