CASBEEすまい戸建<暫定版>によせて(その2)(2007/9/16)

承前

2 地域の山林から産出される木材資源の活用

建築物の環境負荷をわかりやすく表示することを目的として建築環境省エネルギー機構が開発している建築物総合環境性能評価システムCASBEEが戸建て住宅版を作成中で7月19日暫定版の中の木材に関係ある事項を前回から検討しています。今回は、そのうち「地域の山林から産出される木材資源の活用」の項目はについてとりあげます。

前回示したように、CASBEEでは、6の環境因子を分子側Q(建築物の環境品質・性能)と分母側L(建築物の外部環境負荷)に分類し、ΣQ/ΣLを住まいの環境性能効率とするという提示をしていますが、今回の暫定版では、「持続可能な森林から産出された木材」が分母となる「建築物の外部環境負荷」のカテゴリーで評価されることになっているのに対して、「地域の山林から産出される木材資源の活用」は分子となる「建築物の環境品質・性能」のカテゴリーの中の「Q3 まちなみ・生態系を豊かにする」「4地域の資源の活用と住文化の継承」という項目に位置づけられています。

これは、米国のLEEDが輸送中の環境負荷などに着目して「地域資源の利用」をどちらかというと外部環境負荷のカテゴリーで取り扱っている(小サイト内関連ページ)と違ったユニークな点でです。前年に公開された試行版では外部環境負荷の項目に位置づけられていたのを変更していることもあり、わかりづらい点でもあります。

さて、「4地域の資源の活用と住文化の継承」という評価項目には、地域で産出される木材資源の活用について、@「住宅の構造躯体に、地域の山林から産出される木材資材を積極的に活用している」、A「住宅の内外装材・外構資材に、積極的に地域の山林から産出される木材資材を積極的に活用している」の2つの推奨項目がありがあり、どれかに取り組んでいればレベル4、2つとも取り組んでいればレベル5の評価になるという取扱になっています。

そして、地域で産出される木材資源の定義について、解説には以下の記述があります48ページ

我が国の住宅建設においては、古代より山林の目次をなじみのある親しみやすい生物材料として利用してきた。しかし、今日では山林から産出される木材資源が十分に活用されたことなどから更新が進まず、また十分な管理がされたいため、山林環境が悪化している状況にある。

そこで、特に地域の山林から産出される木材資源を積極的に住宅建設に活用することにより、地域の山林環境の再生に資することを目的とした取組みを評価する。

地域で産出される木材資源とは計画地が含まれる都道府県と、それに接する都道府県を範囲とする。ただし、各自治体などで地場産材の利用促進に対する取組を行っている場合には、その定義に従うものとする。

CASBEEが今回の戸建て住宅版以前に大規模建築物の新築を評価するために作った最初のバージョンの中で地場産材という概念を取り入れていますが、そのころから地場産材の定義に四苦八苦していました。当初の版では「どこまでを地場の範囲に含めるかは判断が難しところである。各自治体などで地場産の利用促進に対する取組を行っている場合はその定義に従うこととする」(2003年7月CASBEEマニュアル1 P89)としていました。「都道府県とそれに接する都道府県を範囲とする」という記述はウッドマイルズ研究会の意見の一部を採用したものです。

同研究会のサイトの以下のページを参照下さい
ウッドマイルズ研究会研究ノート「地場産材の定義を考える」滝口泰弘 06年11月30日
CASBEEすまい(戸建)<暫定版>評価マニュアルの修正意見について」07年8月2日

そのうち、地場産材の定義については以下の通りです

ウッドマイルズ研究会の意見2007年8月2日
<地場産材の定義>
※ 「地場産材」の地場、「地域で産出される木質資源」の地域とは、産地から最終消費
地までの輸送距離が、およそ300km 以内の範囲の木材、または、計画地が含まれる
都道府県と、それに接する都道府県の範囲とする。
(ただし、輸送過程における二酸化炭素排出量の観点から、木材の輸送過程における
二酸化炭素排出量が、自動車輸送300 qと同等の場合、上記にかかわらず地場産材と
して評価して良い。)

今後とも議論を発展すべき部分です。