循環社会: 一枚のグラフの説得力 (2002/10/11)

北海道大学で開催された環境経済政策学会のシンポジウムで基調報告にたった北海道大学小野有五教授は、冒頭一枚のグラフを示しました。南極のヴォストーク基地でボーリングした氷柱に封入された二酸化炭素濃度の分析結果を、他の観測結果とあわせてまとめたグラフでです。

昨年の7月アムステルダムで開催されたシンポジウムでBerrien Moore教授が公表した、オリジナルな図を掲載します。

出典 Berrien Moore III(2001) ↑図をクリックすると拡大図やオリジナルの所在が出ます。

過去40万年間、大気中の二酸化炭素の濃度は周期的な増減を繰り返し(それが気温の変動と同調している)、その変動幅は180ppmv(百万分の体積比率)から280ppmvの間に収まっています。そして20世紀になってから、大気中の二酸化炭素濃度は過去40万年間で初めて変動幅を離脱すると同時に、増加の一途をたどっているというものです。

化石資源にどっぷりと浸かった20世紀の後半の生産消費パターンによって、地球に存在していたある種の制御システムが崩壊の危機に立っていることを示しています。

様々な圧力を排除しながら気象変動枠組み条約が力を得たのは、このような地道な蓄積に支えられてのことだと思います。科学的な知見が世界の政治を動かす可能性があるということを示すグラフです。

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