第2段階となる違法伐採問題の取組ー違法伐採総合対策推進協議会の提言書の内容と背景(2009/7/13)

日本林業経営者協会(会長速水亨 速水林業社長)の機関誌 杣径(そまみち)の編集部からの依頼で、標記の論考を投稿しました。編集部の了解を得て掲載します。全文pdfファイル

以下要旨

第二段階となる違法伐採問題の取組み
違法伐採総合対策推進協議会の提言書の内容と背景
林経協季報「杣径」2009年6月13号掲載

社団法人全国木材組合連合会藤原敬

1 はじめに

国際的な違法伐採問題に対処するため、2006(平成18)年度から日本政府はグリーン購入法により「合法性、持続可能性の証明された木材」(以下合法木材という)を優先的に購入することとなり、木材業界は合法木材の供給体制を整備するため林野庁の補助事業である違法伐採総合対策事業に取組んできた。所定の3年間が経過し同事業が終了するにあたり、同事業の管理のために設立された違法伐採総合対策推進協議会(大熊幹章東京大学名誉教授座長)は「木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明方法に関する提言」(以下提言書という)を作成し公表した。筆者は同事業の実施主体である社団法人全国木材組合連合会(以下全木連という)において、その実施と提言書の作成に関わってきたが、提言書が示唆する同事業の将来は、今後の日本の林業の将来にとっても重要な内容を含んでいると考えている。本稿では提言書の内容を紹介するとともに、今後の事業の展開について私見(あくまで私見であり組織の見解でない)を述べ、ご理解をえたい。

2 合法木材の供給体制と提言書の骨子

グリーン購入法のために林野庁が作成した「木材・木材製品の合法性・持続可能性の証明のためのガイドライン」(以下ガイドラインという)は、90年代以降FSC・PEFCなどの森林認証システムが開発してきた信頼性の連鎖(Chain of Custody, CoC)のシステムを踏襲しており、合法性、持続可能性が証明した材あるいはそれを原料とした製品を、業界団体が合法木材供給事業者として認定した事業体が発行する証明書の連鎖により引きついて行こうというものである。2009年3月現在、136の団体が7500社近い企業を合法木材供給事業者として認定している。
この間の検討経緯は「合法木材ナビ」上に公開されている が、2008年6月から本格的な検討を行うための小委員会が設置され、@合法性、持続可能性の証明方法について、A需要者側への、証明制度と証明された木材・木材製品の利用推進方策について、B供給者側への、証明制度の定着と証明された木材・木材製品の安定供給方策について、の3点にわたって検討された。

3 合法性等の証明方法


4.提言書のその他の論点


5.終わりに
  
以上が提言書の全体像である。認定された事業体は7千5百社とっても木材の加工流通をになう3−4分の1程度であり、証明された材と言っても全体の数パーセントにしか過ぎない。認定システムの力量が市場や消費者から本格的に評価されるのは今後のことであると理解をしている。
今後、地球環境問題がますます社会的な重要性を増し、木材についても、温暖化ガスの吸収源、化石資源を代替する再生可能な資源といった側面がますます注目されることになるだろう。その時に、合法性のみならず、生産過程の森林における環境特性を消費者に伝達する機能が極めて重要になる。また、このことを徹底的に無用な負担を排除して効率的に実施するということが緊要である。このようなことを考えたとき、業界団体の社会的機能を利用した業界団体認定というガイドラインの規定は重要な問題提起であり、そのことは「Gohowoodの取組」として、国際的な広がりを持つ可能性を秘めているものである。
また、違法伐採問題は、世界の森林の管理の質を、合法性証明品という形で消費者が具体的に問題にし始めたということであり、その意味では、よその国のことではなく、伐採造林届けの受理過程、森林施業計画の認定基準や認定過程など、日本の森林管理の質にも関係する課題である(参照日本の林業にとっての違法伐採問題ー消費者とともに森林のことを考える機会に_)。
森林、林業、木材産業に携わる多くの方が、合法性持続可能性の情報を伝達する過程を自らの課題と考え、このシステムのステップアップのための作業に参画されるように期待したい。

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