大手メーカーの違法伐採関係の調達方針(2006/6/11)

違法伐採問題に対処するため、グリーン購入法によって政府が合法性の証明された木材を優先購入する方針を明らかにしていますが、グリーン購入のもう一つの担い手が大企業の調達方針であることが指摘されています。

企業規模と環境意識の関係については、日本能率協会 「『製造業の未来戦略商品革新』に関する経営者アンケート」結果の発表
環境省 「地球環境問題をめぐる消費者の意識と行動が企業戦略に及ぼす影響(企業編)」調査概要について

合法木材の供給体制の動きをにらみながら、「企業の調達方針」の中にも違法伐採問題が少しずつ登場し始めています。

積水ハウス
http://www.sekisuihouse.co.jp/eco/eco2006/pdata/environment/resource/index.html

木材のグリーン調達に向けた取り組みを開始


 海外での違法伐採などが問題となり、森林利用への関心が高まっています。年間約40万m3の木質系材料を使用する当社でも、木材調達は重要なテーマです。当社では、1975年からコンクリートを打設するための型枠を鋼鉄製に変更して熱帯木材の利用をなくすなどの取り組みを進めてきました。ただ、従来当社が使用する木材は大部分が輸入材で、国産材の使用率は0.1%以下でした。しかし、2005年度に合板の芯材部分を国産材へと変更し、国産材の使用は年間約1.8万m3、4.4%と大幅に向上しました。再生可能資源としての木質系材料の重要性に鑑み、次の方向を基本に2007年2月に向けて木材に関する、より具体的な調達指針の策定を開始し、環境NGO等との意見交換も進めています。

●木材の調達に際しては、合法性、持続可能性が証明された木材の積極的な利用を推進する。 
●国産材のさらなる活用可能性を検討する。

王子製紙
http://www.ojipaper.co.jp/envi/tyoutatsu.html

木材原料の調達方針


調達理念
紙の原料となる木材は、再生産が可能な優れた資源である。
木材原料の調達にあたって、持続可能な森林経営により育成される資源をソースとするグリーン調達を推進する。

調達指針
(4)原料のトレーサビリティの確保
木材原料の出所を遡り、原料が適正に管理された森林より生産されたものである事を確認する。
特に違法伐採による木材は購入しない。
このために、当社が調達する木材原料のサプライヤーを対象に原料の産地、森林の管理方法などを継続的に調査し、原料のトレーサビリティを確保する。この精度を上げるべくサプライヤーに、原料の出所情報を常時把握するよう指導を行う。トレースの結果については監査を行う。

日本製紙グループ
http://www.np-g.com/csr/ideology/materials.html

原料調達に関する基本理念と基本方針


基本理念
『私たちは、環境と社会に配慮したグローバル・サプライチェーン・マネジメントを通じ、信頼される原材料調達体制の構築を目指します。』

基本方針
1 環境に配慮した原料調達
(1)木質資源は、持続可能な森林経営※が行われている森林から調達します
(2)違法伐採材は使用・取引しないとともに、違法伐採の撲滅を支援します。

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