貿易環境の議論

ウルグアイラウンドの末期に環境サイドからガット批判が噴出しました。そのため、ウルグアイラウンド交渉の結果1995年設立したWTOは、発足と同時に「貿易と環境委員会(CTE)」を設置し、ウルグアイラウンド後の新課題の中で「環境と貿易」が最初に本格的に取り組まれることになりました。

ガットにおける貿易と環境問題の議論の契機は、メキシコ産マグロ輸入禁止事件の紛争処理パネルでの議論です。

この事案は、

@地球サミットの開催など地球環境問題の高まりの中で環境目的で貿易を制限することに限定的な解釈を加えたガット紛争処理委委員会の判断が国際世論の矢面にたったこと、

A超大国米国の国内法がガットルールに反しているという判断となったこと、から、ウルグアイラウンドに引き続く
WTOの議論の中心に座ることとなりました。

CTEの議論は、

@貿易を規制する国際環境協定(ワシントン条約など)とWTO条約の整合性をはかるためWTO条約の改定をはかること(ECが主唱)、

A任意のエコラベルをWTOの条約(貿易の技術的紹介に関する協定)の透明性の対象とすること(カナダが主唱)

の二つを論点として進められましたが、環境問題を突破口として労働基準に基づく貿易制限などへ行き着くことを警戒する途上国などの反対などから、具体的な提言には至りませんでした。

また、OECDでも議論が進められました。

99年新たな貿易交渉開始を議題としたWTOシアトル閣僚会合において、新たな貿易自由化が環境問題に悪影響を及ぼすとの環境NGOの反発が、同交渉開始の妨げとなった経緯もあり、「環境と貿易」に関する議論のさらなる深まりがWTOの今後の交渉の展開にとっても不可欠となっています。