国産材にとっての合法性証明の意味(2012/9/29)

 

(木材製品の合法性証明問題)

国際的な違法伐採問題に対応すべく平成18年2月に林野庁が作成した木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドラインに基づいて、木材業界関係者は合法性証明をした木材製品を消費者に供給する体制を構築し、現時点で全国に8600社の供給事業者が認定され、全国どこでもグリーン購入法に基づく要請に対応できる体制が整ってきました。

小生が発足時から仕事の上で関わっていることもあり、小HPでも発足当初からズーとフォローしてきたところです

国産材でも輸入材でも、伐採地点で施行されている森林関係法令に従って伐採されたことを出発点として、一定のルールに基づいて認定された木材・木製品の製造流通に携わる事業者のビジネスチェーンを通して証明書の連鎖をつなぎ、政府から建築発注を受けた建築施工事業者の木材調達部門に対して、購入された商品に証明書を提示しようというものです。(もちろん政府が建築する工事に対応するだけでなく、民間住宅の建築事業者の自主的調達方針にも対応しています。例えば住友林業木材調達方針など)(システムの全体像については合法木材ナビ参照

海外でもGohowoodの取組として、紹介されています。
Gohowood in Japan Green Blog, national Wood Flooring Assocaiton, US

(業界団体の取組に関する問題点の指摘)

業界団体の認定という、第三者の認定とは違う林野庁ガイドラインに関しては、その信頼性に関して批判もあります(田中淳夫森林ジャーナリストの思いつきブログ:書評日本の林業を立て直す(速水亨)など)。ニッチなものは別にして、木材の加工流通動向全体を第三者がチェックするシステムを作るのは無理だと思いますが、 この点については筆者もかかわる事業なので、別途論じます。

そのほかに、小生が気になるのは、本当に発行された証明書の根拠となる、原料購入の際の証明書が保管されているか?と問われると、「原料は国産材なのだから違法伐採があるはずはない、そんなにまじめに考えることはない」という返事が返ってくることが、(結構)あることです。

「そもそも違法伐採問題は熱帯林を含む海外の問題に対処するためであり、国産材に合法性証明を求める必要はない。」こういったロジックは業界関係者のみならず、環境NGOの関係者からも普通に聞こえる議論です。

合法性証明が何を求めて出発し、どんな役割を果たしていくべきなのか?その中で、国産材に位置づけを検討してみます。

(ガイドラインでいう合法性とはなにか)

林野庁ガイドラインでいう合法性の証明の合法性は、「違法伐採」の語感から、所有者に無断で伐採して売り払う日本の森林法でいうと197条の森林窃盗を念頭に置きやすいけれども、林野庁ガイドラインでは合法性は 「伐採に当たって原木の生産される国又は地域における森林に関する法令に照らし手続が適切になされたものであること」と定義しており、森林法が要求する、@保安林では都道府県知事の伐採許可(第34条第1項)、Aその他の民有林では、市町村長へ伐採造林届け(第10条の8第1項)などを主として念頭においていることがわかります。

(日本の森林法の施行状況と国際的課題)

日本の森林法が完璧にまもられているか、だれもが群盲象をなでるとうことになってしまい、うちの山は大丈夫だという山林所有者や、、うちの県は大丈夫と胸をはれる知事はいるとしても、国産材は大丈夫だといえるのは、日本には只一人、林野庁長官しかいません。林野庁は日本の森林法の施行状況に関するデータは公表されていまいませんが、平成23年4月に成立した森林法の改正の内容が、無届け伐採をした場合の罰金を強化したこと(第207条)、無届伐採が行われた場合の行政命令の新設(第10条の9第4項)となっていることから分かるように、市町村に対する届出を求める部分の施行状況に問題があるということは、行政当局も強く認識していることは間違えありません。(23年4月衆議院農林水産委員会議事録第177回平成23年3月30日(水曜日など)

このような中で、森林法の履行の確保のために法令の強化と共に、川下からの合法性のチェックを期待するのは当然の流れです。

森林法の現場での施行を確保するという課題は、首都から離れた森林現場に人とカネを貼り付ける各国にとっても難題、大問題です。このような各国が抱える重要な課題である違法伐採問題の取組は、、行政とともに業界関係者の協力も得て解決しようという文脈のものと理解をすべきだと思います。

欧州やFAOのこの問題への課題のタイトルがFLEGTForest Low Enforcement and Governance and Trede)とされているのも、このような背景でしょう。

Forest Low Enforcemntは、日本にとっても重要な課題で、合法性証明を国産材に求めることは、このような国際課題に応えることになるものだと思います。

boueki4-47<Gohokokusani>