FSC認証国内基準作成検討会合 (2002/1/11) |
11日東京でFSCの日本基準を作成すべく表記の会合が開催されました。 日本基準の必要性については小サイトの中でも専用のサイトを設け、昨年3月に第一次草案が提案されてからそれを紹介したりこちらの意見を発表したりして関わってきて関心もあったし、事務局の森林認証制度研究会から案内があったので参加しました。 日本林業技術協会の喜多理事の開会挨拶、wwfの前沢さんの司会、富村環境研究所富村さんの技術的解説、最後の締めは東大の白石先生(森林認証制度研究会)という配役で、全国から林業関係者、行政関係者、環境団体、労働組合など50人以上の方々が集まり4時間以上にわたって議論をしました。 小生にとっては今までメールでしか知り合えなかった何人もの方々にお会いできたという余録の大きい会合でした。 FSCの認証もまた新たなステップに踏み出すことになったようです。詳しくは議事録が「森林認証制度研究会」のウェブサイトに公開されています。全体概要についてはそちらを見て頂くとして、関係情報や意見など気のついた点を書いておきます。
そのため日本の第一号の速水林業の場合は、認証の過程でわざわざ仮の日本に適用される基準を策定してから、認証作業にはいるという手間をかけています。 また、本格的に作業に入る前に、認証をされそうなものか海外の認証機関の人にきてもらって予備的に見て貰うという回り道もしています。そのことが、認証コストをはじめさまざまな障害の原因になっています。 日本の実情にあった基準ができれば文書を見ただけで誰でもどの程度のハードルをクリアすれば認証できるかの目途が立ち、少なくとも予備審査という過程は省略が可能になると思いますし、また、日本の認証機関も参画しやすくなるので、大幅なコスト削減ができると思います。 またなによりも、日本の計画制度などとの関係も分かりやすくなるのではないかと思います。
(配布されたテキストpdfファイル wordファイル) 第一次案に比べて大幅に分かりやすく改善されています。 富村さんも言っていましたが「認証が4件積み重なってきた過程で日本の実情に照らして何がポイントかと言うことが見えてきた」と言うことだと思います。 是非ご関心のある方はご一読のうえコメントを寄せられたらどうでしょう。(コメント先は富村環境事務所)
特にお願いしたいのは、森林施業計画制度(制度の解説は岩手県林政課のサイト分かりやすいです)との関係です。 速水さんも言われていましたが、認証機関側から要求された文書による「基本計画の提出」は、基本的に現行で認定されている森林施業計画書そのもので対応されたそうです。 基準の中には現在の施業計画認定基準で簡単にクリアできる部分も結構あるので、そう言う部分(例えば5.6の「林産物の収穫はそれが持続できなくなるレベルを超えてはならないこと」の三つの項目など)は「施業計画基準を満たしていること」とひと言ですませることができます。
日本でも県毎の地域基準を策定する動きが進んでいますし、また日本基準を策定しようと言う動きも別にあります。 事務局の方からは近々国際的な動きを分析した結果を紹介するという話がありました。 FSCの基準と別の基準が勢力争いをして混乱が始まるのではないか・・・と心配もありますが、小生としても二つの系統の会合に出てみましたが、結論は「あまり心配することはない」と楽観的に考えています。 欧州での二つの潮流の分かれ目は、FSCでは「ハードルが高すぎる」という中小所有者の声をうまくFSCがハンドリングできなかったということに起因していると思います(勿論いろんな反対勢力の策謀という見方もあるのでしょうが、あまりそれを行っても始まらない)。 入り口のところで神学論争をせずに、いろんな人が基準を作りながら、その途中でなぜその指標が必要なのか、あるいは必要ないのかをひとつひとつ具体的に議論してゆけば、なにか新たな希望のもてる日本基準ができるのではないかと期待しています。 前沢さんが「FSCはフレキシブルだしどんどん日本から提案してゆけばよいのだ」と発言されていましたが、大変心強く思いました。
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