昨年、会員制寄稿誌「日本の林業を考える」第九号に「地域材認証ラベリング制度」を提案しました(本サイト内掲載pdfファイル)。
その後反響があり愛知県東三河地域でこの提案に関して話をする機会がありました。
その準備の過程での議論を踏まえ、また、最近の日本独自の森林認証制度の動きや県産材認証などの地方行政の動きを踏まえて、表記小論を同誌五月号(五月号目次)に寄稿しました。
編集部の許しを得て、全文を掲載します(→こちらからpdfファイル)。
要旨は次の通りです。
@ 我が国で認証制度を設計する場合、我が国の森林計画制度を基本にしながら少なくともFSCが課しているハードルは越えるというグローバルスタンダードの視点を持つべきであり、それは、十分可能である。
A FSCは世界市場を念頭に置いて設計されているということに起因する制約があり、日本市場を念頭に置く独自の制度がFSCと共存する可能性がある。
B 最近数県で始まった県産材認証制度の動きは最終需要者に山側がアプローチする手法として積極的な面を持っているが、環境的側面を加えないと発展性を持った制度として成立するのは難しい。
C これらの動きにグローバルスタンダードの視点を注入し、新たな制度を作ってゆくことができれば、FSCの動きとも連携した新たな展開が可能になる。
D そうなったとき、世界中の木材を輸入している輸入大国日本から世界に対して、地球の温暖化対策の柱として、違法伐採された木材等を拒否し、持続可能な森林経営を呼びかける、強力なメッセージが発信されることになるだろう。
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