マレーシア森林認証制度がPEFCの相互認証
PEFC評議会は、5月5日付でマレーシアの森林認証制度MTCSがPEFCの承認を受けたことを発表しました。(プレスリリースはこちら)
これはアジアでは最初のケース、また、熱帯林の認証制度の相互承認としては先日のガボンに次いで2番目となりました。
評価報告書本文
Conformity Assessment of Malaysian Timber Certification Scheme to PEFC Requirements
概要部分を訳してみました。PEFCがどんな点をチェックしているか参考になります。
EFCの評価レポートの概要
Conformity Assessment of Malaysian Timber Certification Scheme to PEFC Requirements
1 基準の作成過程の独立性に関するPEFC要件
2002年の基準MC&I (2002) は独立した関係者のグループにより作成され、認証され評価される対象者の影響を受けるものではなかった。
2 参加手続きに関するPEFC要件の適合
参加プロセスは透明で組織され、文書化されている。国レベル地方レベルの広い関係者を対象としており、PEFCの要件に適合するよう、文書による合意の証拠が示されており、社会的、環境的利害関係が、政府機関の政策にそって、バランスのとれた調整がなされているか。MC&I (2002)が作成されたときはPEFCの要件が文書化されていなかったので、このルールは今後の改定過程にのみ適用される。
3 実施レベルのPEFC要件の適合
森林認証基準は個人、グループ、地域のレベルで適応出来るように記載されていても、実施のレベルが個々の森林管理の認証を規定することになる。CoC認証に関しては、いくつかの地域で事業を行っているひとつの事業者に対して、複数箇所認証が適用することができる。
4 実施上の要件がITTOガイドライン及びPEOLGsへの適合
2002年基準の91のITTO/PEOLGガイドラインのうち81については完全に適合し、6のガイドラインが適合せず、4つが部分的な適合をしている。主たる問題点はいくつかの要件が「すべきである」と記載されているにも関わらず、「原則として」(normative)という取扱になっている点である。実施基準が指標の形で記載されているが、評価者はFSC原則のように厳密な要求をしない。
この状況ような状況は、基準作成に参画した関係者によって認識されており、プロセスの結果に反映されている。評価者は地域における統一性を求めており、それが実施水準を規定している。
5 PEFCの規則は法律に従うことを要求している
マレーシアの基準は国と地方の法律を基礎とし、規範的なルールに従っている。マレーシアは全ての国際環境条約を批准しているが、ILO条約の一部を批准していない。そして、マレーシアの基準は失われた因子に関連している。法令は労働組合を設立する権利を保障し、それらの組合員とその他の職員の差別を禁止している。
森林分野の労働者が十分に保証され、同国の他の分野の労働者の同様の恩恵をうけるように、マレーシア政府はILOの作業工程表に従う。
労働組合からの聞き取りでは、労働者の権利を推進する法制のギャップはあるが、労働者の利益をさらに発展させる手続きが存在する。この報告書の5.2は、ILO条約の非批准要請事項と法令の取り扱いについて詳細に説明している。
6 COCの承認過程はPEFCの規則に沿ったものである
MTCCはCOCの基準としてPEFCTD付属書4を採用している。認証された原料の出所はMTCS文書に記載されているが、これはPEFC TD Annex 4, Appendix 1に適合している。
7 認証、認定の過程におけるPEFC要件への適合
認証、認定の過程は2009年1月にMTCCの再編が行われた段階でPEFCの要件に適合することとなった。他方でその前のPEFCに認められない認証も効力を持っている。
8 認証機関のPEFCへの通知がPEFC要件では必要
MTCCの通知手続きがPEFCの要件に適合している。
9 紛争処理手続きはPEFC要件に適合
紛争解決の手続きは基準に策定及び制度の運営をカバーしており、認証機関の認定及び認定機関の認定に対応するプロセスにおいて適合しているとされた。紛争処理手続きはMTCCが関与する場合とそうでない場合に公平な苦情処理システムを提供している。
http://www.pefc.org/internet/resources/5_1185_2023_file.2365.pdf |
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