ニュースレター No.276 2022年8月15日発行 (発行部数:1560部) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。 情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。一般社団法人 持続可能森林なフォーラム 藤原敬 |
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フロントページ:Jクレジット制度森林分野の大幅改定ー普及が進むか?(2022/8/15)
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木質バイオマスの問題の所在ー勉強部屋Zoomセミナー22年度第1回報告(2022/8/15) 7月30日勉強部屋Zoomセミナー第1回を、ゲストに、元林野庁長官、(一社)日本木質バイオマスエネルギー協会JWBA顧問加藤鐵夫氏をむかえて開催。「木質バイオマスのカーボンニュートラルに関する問題」につい意見交換をしました。 (開催のいきさつ) 再生可能エネルギーを原料にした電力の拡大を図るため、再生可能電力を消費者に高く買ってもらうという固定価格買取制度FITシステム。 その中に木質バイオマス原料を組み込んだのはよいんですが、海外からの輸入原料に頼る発電所がたくさん認定され、バイオマス燃料を燃焼させた場合に発生する二酸化炭素の評価方法など、議論が錯綜し、石炭より悪い輸入木質バイオマス?? 加藤さんは、議論の整理が必要だ!としてバイオマスエネルギー協会のサイトに「木質バイオマスエネルギー利用に関する懐疑論について」といった論説を公表してきました。 今回は、その内容を説明いただいて、議論をしたいとう趣旨でゲスト出演をお願いし、実現しました。 加藤さんから、「欧州のある報告書に記載している数字(24種類の木質バイオマス供給例のうちうまくいっているのは5種類)が一人歩きしているがその内容がどんなものなのか紹介してほしい」、というリクエストがあり、すこし勉強してプレゼンしました。 ということで、今回のセミナーでは、加藤さんの「木質バイオマスの懐疑論について」、藤原の「EUにおける木質バイオマスを利用したエネルギー生産(Joint Research Center (JRC)、EU共同研究センターの報告)について」という二つのプレゼンがあったのですが、後者は別途説明する(「懐疑論の元になった報告書?EUにおけるエネルギ―生産のための木質バイオマス利用」)として、ゲストのプレゼンとそれに関する議論を中心に、ご紹介します。 (木質バイオマス懐疑論について) 加藤さんのプレゼンデータはこちらにおいておきますが、藤原の責任でつまみ食いします。
(議論をするときの分かりやすい注意点) 基本論議と実体論は分けて議論をしましょうね! 何億年かけて堆積してきた化石資源を取り出して排出するCO2の話と、今後吸収される木質バイオマス燃焼ののCO2が、2050年カーボンニュートラルという短期決戦・非常事態認識で、混乱が生じているので、時間軸をしっかりして議論しましょうね。 分かりやすい話でした。 が、気になる点も。時間軸に対して、面的な広がりの話は、少しわかりにくかったです。 「面的に捉えられる成長量の範囲内で伐採されるとすれば、面的な範囲にある他の森林により吸収されている」ので、吸収に大きな時間的なずれはない? どこまでの広さの面的な吸収を考えるのが合理的なのか?森林計画の策定区域、流域、国、地球? 加藤さんからは、「森林管理をどの範囲で考えるかは森林計画学の需要なテーマ。我が国では流域がベースとなっている。それぞれの国や地域で(森林関係者が)考えていること」と説明がありました。 加藤さんのような森林関係者の思いと、地球上の危機管理をどうしていったら、という、その他の多くの人たちの思いが、すれちがっている、面があるかもしれませんね。(回収期間のはなしは、先ほどふれた欧州の報告書に関係するので、別途報告→「懐疑論の元になった報告書?EUにおけるエネルギ―生産のための木質バイオマス利用」) いずれにしても、加藤さんが言われるように、基本論議と実体論議を二つにわけて、しっかり議論していきたいと思います (原料供給過程のGHGと輸入バイオマス) トークディスカッションタイムで、加藤さんのプレゼンの最後の方にある、二つの大切なテーマについて聞きました。 一つはLCAにおけるGHGの排出量問題。バイオマス燃料の供給過程でGHGがでるのは特に輸入バイオマスの問題点で、ウッドマイルズフォーラムなどをベースで活動してきた私にとって、近くのバイオマスは大切な分野で、いままでの追いかけてきました。「バイオマス・バイオ燃料の持続可能性」(2008/2/10) いよいよ日本のFIT制度も、「それぞれの行為でGHGの発生がどのようになっているのかを 明らかにし、それらによるGHG発生を規制していくこと」になってきましたという説明。大切な取組なんで頑張ってください! この話は輸入バイオマス問題の重要な視点で、輸入だから駄目だとは言えない(本質論)、輸入問題にどんな問題があるという議論(実体論)をしていかなければならない、という説明が。 関連して、JWBAが昨年発表した、大切な報告書「木質バイオマス燃料利用環境評価・効率化調査報告書 2021年度」紹介がありました。 (熱利用の方向は)
それから、最後のスライドの、熱利用の方向性について、ご質問すると・・・ 近日中に公開されるんだそうです。お楽しみに。 そこで、これもふくめてJWBAでは熱に関する議論するプラットフォームなど、を作っていくんだそうです。 二つとも、JWBAの活動の紹介になりました。 (会場からの質問) 皆さんの質問に答えて、①小型バイオマスは燃料の質の問題がクリアしなければ、②国産材バイオマス燃料の供給能力の見通し、をどう公表していくのか、③林業のGHG排出の把握など、全部加藤さんに答えていただきました。 いただいた、質問リストは「勉強部屋22年度Zoomセミナー第1回Q&A」に掲載しました (森未来と連携) 今回から素晴らしい内容を多くの方の共有できるように、持続可能な森づくり向けたビジネスネットワーク構築を進めている株式会社森未来さんと、共催企画としました。 zoomの設定とか、皆さんへの案内、アンケートの回収など、大変お世話になりました。
持続可能な森林づくりをメインのコンセプトにした、ビジネルの可能性はどんな方向?興味深いですね。 今後ともよろしくお願いします (関連ページご案内) 質疑によせられた項目を掲載します。「勉強部屋22年度Zoomセミナー第1回Q&A」 konosaito3-1<zoommt22-1strepo> ■いいねボタン |
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懐疑論の元になった報告書?EUにおけるエネルギ―生産のための木質バイオマス利用(2022/8/15) 7月30日勉強部屋Zoomセミナー第1回を、ゲストに、元林野庁長官、(一社)日本木質バイオマスエネルギー協会JWBA顧問加藤鐡夫氏をむかえて開催。「木質バイオマスのカーボンニュートラルに関する問題」につい意見交換をしました。 その過程で私の方でも、欧州の報告書の内容を紹介してほしい、というリクエストがあり、すこし勉強してプレゼンしました。 タイトルは「EUにおける木質バイオマスを利用したエネルギー生産(Joint Research Center (JRC)、EU共同研究センターの報告)について」 バイオマスエネルギー問題は「やっかいな問題」と言われていますが、この言葉を初めて使った文献。 ご紹介しますね
(参考情報源) 元の文献は、ネット上のこちらにありますJRC Science for Policy Report- The use of woody biomass for energy production in the EU 相川 高信 自然エネルギー財団 上級研究員 「やっかいな問題」として森林バイオエネルギー問題を捉える-JRCレポートを読み解く konosaito3-9<zoommt22-1stEU> ■いいねボタン |
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「持続可能な森林経営のための勉強部屋22年度Zoomセミナー第2回御案内(2022/6/15)
持続可能な森林フォーラムでは、皆さんとのコミュニケーションを双方向で深めていくため、ゲストをむかえて、Zoomセミナーを開催しています。 9月3日に開催の、今年度第2回目は、ゲストに、(NPO法人)バイオマス産業社会ネットワーク泊みゆき理事長をむかえ、前回にひきつづき、「木質バイオマスの利用に関する意見交換をさせていただくことになりました!! バイオマス産業ネットワークBINは、1999年に、「間伐材や農業廃棄物などのバイオマス資源の社会的・生態的に適切な利用を促進することで、循環型社会の実現に資すること」を目的に設立された団体で、泊さんは設立発起人のひとりでリーダー。 輸入木質バイオマスなどに関する問題提起をされていて、私もウッドマイルズフォーラムなどの活動を通じて、かかわってきました。「バイオマス・バイオ燃料の持続可能性」(2008/2/10)、木質バイオマス燃料の輸送距離の環境負荷の推定(バイオマス白書2008) 丁度木質バイオマス利用の懐疑論などが活発化している時点で、何のための木質バイオマス利用?という視点で、第一回に引き続き、議論を深めて行きたいです。 どうぞ皆さん、ご参加下さい。 参加はこちらからどうぞ→参加ご希望の方はこちらから御連絡ください 素晴らしい内容を多くの方の共有できるように、持続可能な森づくり向けたビジネスネットワーク構築を進めている株式会社森未来さんと、共催企画としています。
konosaito3-7<zoommt22-2st> いいねボタン |
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「地球は訴える」(ある外務官僚OBの回想録ーの中のITTO本部誘致過程など(2022/8/15)
日本の森林政策を森林外交史といった視点で検討する機会があり、いままでご報告をしてきました。 日本の「森林外交」と国際ガバナンスーガバナンスのグローバル化の次の展開の中での森林の役割(2018/2/18)_日本の森林外交史ーアジアのSDGsの発展のためになるか(2018/12/22 最近そのプロジェクトの中で、赤尾信敏氏(1993)「地球を訴える」体験的環境外交論という本を読む機会がありました。
ご本人は、地球サミットン準備過程で外務省の地球環境担当大使として首席代表などをつとめた方です。 右が目次ですが、第6章は森林の話、地球サミット準備の先進国と途上国の対立構造のなかで、森林条約でなく原則声明にした過程での日本のイニシアティブでどのように橋渡しをしたかなど、具体的な話がとても面白いです。 とりわけ、ITTOの本部誘致の過程で、アムステルダムと横浜が最後まで対立しアムステルダムに決まりそうになったのに逆転の決定。そこには、ある重要な国への根回し・・・ ご本人の了解をえて、一部のコピーをダウンロードできるようにしています→。 関連して丁度、林野庁の担当部局で作成中だった「ITTO コンセプト発足の経緯について」という作成作業に丁度ぴったりの話題だったようです。 ITTOという途上国と先進国の調整、地球環境問題課題という重要な使命を帯びた国際機関の最近の動向はどうなっているか、フォローしていきます boueki1-18<akaobon> いいねボタン |
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Jクレジット制度における木材利用の二酸化炭素クレジット化についてー意見提出しました(2022/8/15)
温室効果ガスの排出削減量や吸収量をクレジットとして国が認定する、Jクレジット制度について、森林分野のクレジットが伸び悩み、その拡大をはかるため、政府内部でJ-クレジット森林小委員会が設置され、検討が進められてきました。 その中で、ずーと気になっていた木材利用の二酸化炭素クレジット化についての、意見募集があったので(7月19日締切)(そのページに行きつかないので(8月9日現在)募集の呼びかけ文書を置いておきます)、そく、意見提出をしました。 対象となる文書「Jークレジット制度における木材利用の炭素固定量のクレジット化」、藤原敬提出意見220717
概要を説明します
kokunai4-61<Jcremokuzai>
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今月もカーボンニュートラル・・・ー勉強部屋ニュース276編集ばなし(2022/8/15)
フロントページは、Jクレジットの制度改訂。どの程度の創出拡大へのインパクトがある改訂なのか分かりませんが、委員会で議論された中身が詳しく掲載された情報がネット上に掲載され、これが財産ですね。 Jクレジットというマーケットを循環社会形成に引き込む重要なツールが、木材社会の形成に役立つように、駆動力となるユーザーにどの程度アピールできるのか、今後の課題がたくさん詰まっていると思います。 7月30日の今年度第一回ZOOMセミナー、50名ほどの参加者で無事?終了。 テーマは、FITという市民負担により地球環境問題にチャレンジしているシステム の中での「木質バイオマスエネルギーの利用発電」の課題でした。 「おじいさんは山に柴刈りに」というエネルギーの主体を木質バイオマスに依存した長く続いたカーボンニュートラルCNな循環社会が、化石資源エネルギーに依存する便利だけど大昔に固定されたCO2が大量に大気中に発散する非循環社会になったので・・・ 再びCNな木材が主流となるCNな社会にならないか?という長期的な視点に立った素朴なビジョンが、2050年までという短期的な目標が設定されて混乱しています。 「長期的な視点をわすれずに、冷静に」というJWBA加藤さんのメッセージをうけて、9月3日第2回ももう一度バイオマスエネルギーをテーマにゲストに、バイオマス産業ネットワーク泊理事長をお招きしてやりますので、よろしく。 次号以降の予告、岸田政権の新資本主義と森林のガバナンス、木質バイオマス発電ーローカルな林業の可能性、、欧州の炭素国境調整措置の内容、2020年日本の森林吸収量について、土地は誰のもの・森林は誰のもの?ー所有権の相対化議論の行く末と森林 konosaito<hensyukouki> いいねボタン |
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