ニュースレター No.267 2021年11月15発行 (発行部数:1540部)

このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。

情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。 

                      一般社団法人 持続可能森林なフォーラム 藤原敬

目次
1. フロントページ:ウッド・チェンジ~木づかいが森をよくする暮らしを変える~脱炭素社会の実現に資する木の時代はくるかー第1回木材利用促進月間から(2021/11/15)
2.  森林認証のプロモーションー勉強部屋が朝日新聞朝刊に登場(2021/10/19)
3. 全国木材産業振興大会札幌大会に出席-どんな形でSDGs?(2021/10/25)
4. 気候変動枠組み条約COP26と森林(1)ー森林共同宣言(2021/11/5)
5.  違法伐採対策の今後ークリーンウッド法の関する検討会など(2021/11/10)
6. 建築家の住まい・まちづくり体験と森林への想いー第2回勉強部屋Zoomセミナー(2021/11/14)
7.  「森林林業基本計画の検討」二つの論文ー計画ができるまでの40年間の歴史など(2021/11/15)
8. ポストコロナの木材の月間などー勉強部屋ニュース267編集ばなし(2021/11/15)

フロントページ:ウッド・チェンジ~木づかいが森をよくする暮らしを変える~脱炭素社会の実現に資する木の時代はくるかー第1回木材利用促進月間から(2021/11/15)

新しい木材利用促進法(脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律)で10月が木材利用促進月間となりました。

各省庁のHPにそのことが告示されています。
10月は「木材利用促進月間」ですウッド・チェンジ ~木づかいが森をよくする暮らしを変える~国交省環境省経産省林野庁

ウッドマイルズなど、木材の環境的側面に着目して普及を追いかけてきた、勉強部屋にとっても、大切なイベント月間かも・・・

(木材利用促進本部)

これらをアレンジしているのが、農林水産大臣/総務大臣/文部科学大臣/経済産業大臣/国土交通大臣/環境大臣からなる、木材利用促進本部なんですね。

「基本方針の策定等の木材の利用促進に関する重要事項の審議、また、毎年一回、基本方針に基づく措置の実施の状況を公表」するんだそうです

各省庁の連携、全国で実施される関係省関連(関係団体を含む)、地方公共団体関連のイベントは、木材利用促進本部サイト内の「関連イベント情報」で紹介されています(本部ページの下の方)

(建築物における木材の利用の促進に関する基本方針)

第一回の本部会議が10月1日に開催され、建築物における木材の利用の促進に関する基本方針が作成公表されています。
14ページにわたる基本方針概要が以下の通りです。

〇国産材の利用拡大 は、 林業・木材産業の持続性を高め 、 森林の適正な整備 等に寄与
〇木材は「カーボンニュートラル」 で あり、調湿性等に優れるほか、 心理面・身体面・学習面等での効果も期待される 資材
〇非住宅建築物や中高層建築物の木造化等 を促進することにより脱炭素社会の実現 、都市等における 快適な生活空間の形成 、地域経済の活性化 等に貢献

といった、木材利用促進の意義が各省庁で共有されたといいうことが重要ですね。

(新たなツールは)

建築物木材利用促進協定制度の活用といった今回法律で新たに設定されたツールの使い方、情報公開のしかたなど、興味深いですが・・・

まだ動き出してないみたいです。(実績の公表なし(11月15日現在)

(環境に優しい木材)

違法伐採に対するクリーンウッドや森林認証など木材利用と森林のガバナンスに関連するツールに関する記述はどうなっているかな?
ちょっと気になりました

第1の2建築物における木材の利用の促進の基本的方向
〇木材の供給及び利用と森林の適正な整備の両立の中に、「適切な伐採・再造林等」森林法に基づく森林計画等に従った伐採及び伐採後の再造林等の適切な森林施業の確保並びにクリーンウッド法規定する合法伐採木材等の円滑な供給の確保を図るものとする。
また、建築物を整備する者は、その整備する建築物において木材を利用するに当たっては、クリーンウッド法の趣旨を踏まえるとともに、「グリーン購入法」規定する環境物品等に該当するものを選択するよう努めるものとする。

とありました!

総論部分では記述があるけど、具体的な中身の記述がほとんどなし、ではありますが

今後に期待しましょう

(記念シンポジウム)

各省庁が皆で訴求した10月8日が木の日に開かれた、「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」施行記念講演会・シンポジウムというのに、行ってきました。

別途報告しておきましたが、各省庁連携で、どうなっていくのか・・・木材とまったく違った世界の企業関係者、建築関係者が「木の時代がやってきた!」

プログラムといただいた資料にそって、内容をご紹介しておきます。

(1)記念講演
講師:隈研吾氏(建築家)
演題: 木が開く日本の未来  隈研吾氏が、木造建築に深くかかわるようになったのは、バブルがはじけた90年代ごろから。日本の農村部にいって、集落(街並み)が里山の近くに形成さていている理由が、里山が生活エネルギー(マキ)、建築材料(建築材料)、農業資材等を供給する基になっているんだということで・・
イントロは栃木県那珂川町馬頭広重美術館。そしてミラノ2007のCidori(飛騨高山の玩具発)。そして高知県梼原町の建築群・・・(ごめんなさいこの講演は資料をいただけず(当然ですか)、世界中の作品の紹介が1時間にわたってあったのですが、印象にのこった日本の森林と住民の関係がつくる街並みが隈氏の木造の原典という話だけ紹介しました。
 パネリスト①隅修三氏
(東京海上日動火災保険株式会社 相談役)
   火災保険の会社の幹部でウッドチェンジネットワーク会長!
プレゼンタイトルは“需要サイドからの”林業改革~ 日本の中高層ビルを木造建築に! ~
「防火基準、世界各国は、1時間・2時間等の十分な退避時間を確保できれば、その後は朽ちてもよいという考え方(準耐火構造)を採用しており、日本の基準が最も厳しい。」のだそうです。
左の資料をどうぞ+事例集
(当日の資料でありませんが、いただいた名刺をたよりに連絡させていただき、関連資料をいただきました(ネット開催も便利ですがリアルだと名刺交換ができる!!)ありがとうございました。
 パネリスト②伊藤明子氏(消費者庁長官)  元国交省の住宅局長。消費者行政は大きな転換期(消費者行政は騙されない消費から(次世代の社会を牽引する)自分で考えるエシカル消費へ。)
今だけ考えていたのが→皆で未来を考える
ここだけ考えていたのが→自分の周りの地域や世界を考える
自分だけ考えてたのが→皆に優しい社会を考える
そんな中で、木材利用の展望が開かれる。
川下の消費者も頑張っているので、川上の皆さんも頑張ってくださいね!
左の資料をどうぞ
 パネリスト③平田美紗子氏(林業漫画家)  「北海道生まれの北海道育ち。林野庁北海道森林管理局の職員として··たくさんの人、特に子供たちに、日本の森林や林業のことを知ってもらうべく、様々なイラストで清報を発信しています。」
林業漫画「お山ん画」りん子の絵日記人to木(人と木をつなぐ仕事)
すばらしいです!!左の資料をどうぞ
次の週に札幌でお会いしました。
 コーディネータ天羽隆氏(林野庁長官)    ウッドチェンジで森林資源の循環利用!
木材利用の3つの意義
► 2050年カーボンニュートラルヘの森林・木材の貢献
・木造建築物は一定期間炭素を固定(第2の森林)・・・
► 社会的課題解決に向けた効果
• SDG sにおける目標の達成に貢献・・・
► ビジネス面における効果
・構法等の工夫による低コスト・短工期・・・左の資料をどうぞ

junkan3-34(kinogeekkan)

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 森林認証のプロモーションー勉強部屋が朝日新聞朝刊に登場(2021/10/19)

10月19日朝日新聞朝刊にこのサイトを運営している「持続可能な森林フォーラム」が(ちょっと)登場しました。

朝刊20ページ第2東京版(東京では)

「列島をあるく」という連載?の一環で、タイトルは、「森林に国際認証取得急増」

イントロから始まる主たる情報源は、NHK朝ドラ「おかえりモネ」の帰り先、登米町(とよままち)森林組合です。

市長の提案で登米市有林がFSC認証されたのに始まり、昨年までに市内の森林の半分がFSC認証されたようですが、そのプロジェクトをリードした森林組合の事業が紹介されています(参事はモネの林業考証役)。森林認証が広がる過程で、市内の木材のサプライチェーンを束ねて新たな開拓をした素晴らしい話が紹介されています。

後ろの方で、勉強部屋の消費者と森林ガバナンスを結ぶ森林認証システムー日本における現状と課題(2021/6/15)」の記事の内容が紹介され、最後に代表者のコメント「同フォーラムの藤原敬代表は認証林をさらに増やし、自然環境と称業を両立させる仕組みを整える必要があるとし、「社会に制度が浸透するためには、認証材しか認めない、扱わないといった国や自治体、企業の本気度が試される」が紹介されています。

こちらに記事を置いておきます→朝日新聞1019森林の国際認証取得急増

これから、朝日新聞にシリーズで、時々、列島をあるいて、森林をいろんな角度から取材した結果が掲載されるようです。楽しみに。

sinrin1-21<ninsyo_asahi>

全国木材産業振興大会札幌大会に出席-どんな形でSDGs?(2021/10/25)

10月14日に札幌市で開催された、第55回全国木材産業振興大会に出席しました。

毎年全国で順番に開催される木材業界の大会。(こちらに資料の一部を

昨年はコロナで中止で、東京から地方に行くと嫌われるコロナ渦がすこち落ち着いたので、一年ぶりに東京を離れて地方の大イベントにウェブでなくリアルに出席!!

タイトルは「つくる責任」・「つかう責任」ー木材利用からアプローチするSDGs

このような大会に参加しようかなと思うのは「久しぶりにあの人にあることができるー」、というのが半分なのですが、なにせ、「木材利用からアプロ―チするSDGs」!!なので、真面目に内容をご紹介します。

もちろんビジネスの関係者の集まりですから、私もあなたも儲かってが前提ですが、「世間もよし」の三方よしがSDGsなんではないか?

どんなメッセージなのかな?

<脱炭素社会の実現に資する木材利用の促進!!>

出席者の皆さんへの主催者のメッセージ、全木連鈴木会長のあいさつ(こちらに置いておきます

エッセンスを取り出します。

「私ども全木連では、平成26 年に行った全国森林組合連合会との「‘ウッドファースト社会の実現に向けた共同宣言」以来、「伐って、使って、植えて、育てる」をスローガンに掲げ、森林・林業・木材産業関係団体と力を合わせて、日本の森林を守るための活動に取り組んでまいりました。そうした中、活動の一環として新たな木材需要の拡大に向けて公共建築物等木材利用促進法を改正し、その対象を民間にも広げるなど、国を挙げた木材利用拡大へと展開するための取組を精力的に行ってまいりました。
今般、こうした我々の要望を受け止めていただき「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」(通称:都市(まち)の木造化推進法)が制定され、去る10 月1日に施行されました。
この法律は、森林の適正な整備及び木材の自給率の向上に寄与するとともに、脱炭素社会の実現に資することを目的としており、木材の利用促進を図ることによって地球温暖化防止に貢献するとともに、我が国の国家的課題となっている国土強靭化、地方創生の問題解決にも大きな役割を果たすことが期待されています。」・・・

頑張ってください!!

<山元に利益を還元>

そして、国民の皆さんへのメッセージが「大会宣言決議」。左に掲載しました。

木材業界のために頑張ろうというメッセージがたくさんあるのですが・・・

SDGsのポイントは「山元の利益還元!」でしょうか?

素晴らしいですね

「我々木材産業界としては、木材利用の促進により山元に利益を還元するための仕組み作りに率先して取り組むとともに、消費者・ユーザーの協力を得つつ、木材利用を国民運動として展開を図っていくことが重要」

決議2.森林資源の循環利用を実現するため、森林珊境譲与税等も活用し、山元に利益を還元できる体制の構築に森林・林業、建設業界と一体となって取り組む。

結構大変な取り組みだと思います。どんな木材が山元に利益還元するのか、その場限りの伐りっぱなしの木材ではないのか?

山元へのトレーサビリティについて、決議5に「合法伐採木材」という言葉はありますが、しっかり第三者が管理した森林認証からの木材供給など、頑張ってほしいと思います。

<ウッドショックは>

大会が14日にあるので、札幌には13日に入り、何人かの方にアポを取り「ご無沙汰してました」!!。その中の一人に札幌で公共建築物の設計施工管理などをされている建築関係の方も(この大会があるので出たいと思って主催者に聞いてみたけど、会員だけしか入れない仕組みで参加できなかったんだそう)。

「ウッドショックが大変なんだ。」北海道の木で建築を計画しているんだけど、建築会社はその木が手に入らず、やっと集成材でなんとかなった。

北海道の木はカラマツや広葉樹、エゾマツトトマツなどですが、建築材に利用されるのが少なく、製紙原料や梱包材にたくさん利用されてきました。それが建築材に利用されるようになってきたところに、いろんなハードルがあるようです。そこにウッドショック。

値段を見ると、西日本の方が値上がりしていてウッドショックは西の方が問題、と思っていたのですが、値段が高い西の方に北海道から木材が流れて、値上がりしないのに、既存のサプライチェーンが混乱。需要者にとってはウッドショックなんですね。

次の日の大会で、木材業界が果たすべき供給責任が果たされていないというウッドショックがどのように、取り扱われているんだろうか、というのが問題意識になりました。

決議文のや会長あいさつにはないんで、どうなっているのかな、と思っていたら、北海道木連松原会長の歓迎のあいさつの中に!

「木材産業を取り巻く全国的な情勢を概観すると、昨年初頭よりのコロナ禍こおける厳しい経営状況を何とか乗り越えつつありますが、本年年初から顕著になったいわゆるウッドショックによって、さらに大きく揺れ動いている状況下にあることは皆様ご承知のところです」

関係者に聞いてみると、ウッドショックは北海道では大きな話。「北海道の木材を建築材とし安定的に供給できるように、乾燥システムなどを体系的に導入しようとしている。が、本当に安定した需要がどの程度あるのか、結構厳しい見通し。需要者と連携してそのような投資をしていくといった取り組みも重要なんだけど・・・」

ビジネスの話なんでいろいろ難しいことはあるのでしょうが、木材業者以外の方との連携が必要のようなので、関係者誰でも傍聴できるような仕組みが必要ですよね。

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<記念講演 旭山動物園坂東園長>

恒例の記念講演は旭川市立旭山動物園坂東元園長。演題は「伝えるのは命つなぐのは命ー今は未来のために」でした。

1時間半にわたる講演の内容を皆さんにお伝えすることはできませんが(主催者がネット上に紹介するといったことがあればフォローします)・・・上野動物園の次ぐ来場者の動物園がなぜ、旭川にあるの?

動物の姿を見せる形態展示から動物の生活や行動を見せる行動展示、死んだところは見せないから死を大切にする、といった組織のコンセプトをしっかり提示して(そこに至るまでには大変だったんでしょうが)組織作りをするお話がありました。

そして最後の方には、熱帯林をオラウータンから恩返しプロジェクト。パームオイル畑にして、消費者は環境に優しいかもしれないけれど、生産国の動物は大迷惑。「エコの名のもとに」いろんなことが・・・。遠い外国で生産された生物資源でビジネスをする木材事業者への気を付けてくださいねメッセージだったんでしょうね。

たぶんこの内容をネット上で伝えることにはならないようなので、ネット上を探してみました
いのちをつなぐ 未来のために ~ 伝えるのは いのちの輝き ~ 旭川市 旭山動物園 園長 坂 東  元

あまりうまくうまくまとまりませんでしたが、全国大会久しぶりに良い旅だったです

junkan3-33<mokuzen_sapporo>

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気候変動枠組み条約COP26と森林(1)ー森林共同宣言(2021/11/5)

グラスゴーで開催されている気候変動枠組み条約締約国会合COP26の前半11月2日で、GLASGOW LEADERS’ DECLARATION ON FORESTS AND LAND USE、森林共同宣言森林と土地に関するグラスゴー首脳宣言が採択されました

COP26 “100か国以上 森林破壊食い止め協力” 共同宣言を発表NHK
【COP26】 森林破壊を2030年までに終わらせると100カ国超が署名BBC
「2030年までに森林破壊なくす」COP26共同声明、課題はナショナルジオグラフィック
COP26の森林破壊停止宣言はゲームチェンジャーになるかサステナブルブランド

上記のようにネット上の日本語情報もありますが、あまり、報道されてかったので森林のガバナンスに関心のある方もでも、この重要な情報を知らない方も

森林に関する共同宣言はニューヨーク宣言以来です。熱帯林の減少がなかなか、止まらない!NY宣言では署名していなかったブラジルやロシアもふくめって100か国以上が参加。

GLASGOW LEADERS’ DECLARATION ON FORESTS AND LAND USE  グラスゴーの森林と土地利用に関する首脳宣言 
 We, the leaders of the countries identified below:   我々以下に記述する参加国の首脳は:
 Emphasise the critical and interdependent roles of forests of all types, biodiversity and sustainable land use in enabling the world to meet its sustainable development goals; to help achieve a balance between anthropogenic greenhouse gas emissions and removal by sinks; to adapt to climate change; and to maintain other ecosystem services.    世界が持続可能な開発目標を達成し、人為的な温室効果ガスの排出とシンクによる除去のバランスを達成するのを助け、気候変動に適応し、他の生態系サービスを維持するために、あらゆる種類の森林、生物多様性、持続可能な土地利用の重要かつ相互依存的な役割を強調する。
 Reaffirm our respective commitments, collective and individual, to the UN Framework Convention on Climate Change and the Paris Agreement, the Convention on Biological  Diversity, the UN Convention to Combat Desertification, the Sustainable Development Goals; and other relevant initiatives.    気候変動に関する国連枠組条約とパリ協定、生物多様性条約、国連砂漠化対策条約、持続可能な開発目標、その他の関連する取り組みに関する、集団的および個人的なコミットメントを再確認する。
 Reaffirm our respective commitments to sustainable land use, and to the conservation, protection, sustainable management and restoration of forests, and other terrestrial  ecosystems.   持続可能な土地利用及び、森林その他の地上生態系の保全、保護、持続可能な管理と回復に対するそれぞれのコミットメントを再確認する。
 Recognise that to meet our land use, climate, biodiversity and sustainable development goals, both globally and nationally, will require transformative further action in the  interconnected areas of sustainable production and consumption; infrastructure development; trade; finance and investment; and support for smallholders, Indigenous Peoples, and local communities, who depend on forests for their livelihoods and have a key role in their stewardship.   世界と国の両方で、土地利用、気候、生物多様性、持続可能な開発目標を達成するためには、持続可能な生産と消費の相互接続、インフラ開発貿易、財務と投資、生活のために森林に依存し、スチュワードシップにおいて重要な役割を果たす小規模農家、先住民、地域社会への支援に関する分野における変革的なさらなる行動が必要であることを認識する。
 Highlight the areas of strong progress in recent years and the opportunities before us to accelerate action.   近年の力強い前進の分野と、行動を加速させる機会を強調する。
 We therefore commit to working collectively to halt and reverse forest loss and land degradation by 2030 while delivering sustainable development and promoting an inclusive rural transformation.    したがって、我々は、持続可能な開発を提供し、包括的な農村変革を促進しながら、2030年までに森林減少と土地劣化を止め、逆転させるために共同して取り組む。
 We will strengthen our shared efforts to:   私たちは、次の活動に対する共通の取り組みを強化する。
 1. Conserve forests and other terrestrial ecosystems and accelerate their restoration;   1. 森林やその他の陸上生態系を保全し、その回復を加速する。
 2. Facilitate trade and development policies, internationally and domestically, that promote sustainable development, and sustainable commodity production and consumption, that work to countries’ mutual benefit, and that do not drive deforestation and land degradation;  2. 持続可能な開発と持続可能な商品生産と消費を促進し、各国の相互利益に働き、森林破壊や土地の劣化を促進しないように、国際的および国内的に貿易開発政策を促進する。
 3. Reduce vulnerability, build resilience and enhance rural livelihoods, including through empowering communities, the development of profitable, sustainable agriculture, and recognition of the multiple values of forests, while recognising the rights of Indigenous Peoples, as well as local communities, in accordance with relevant national legislation and international instruments, as appropriate;  3. 必要に応じて、関連する国内法国際約束に従い、先住民や地域社会の権利を認識しながら、地域の強化、収益性の高い持続可能な農業の開発、森林の複数の価値の認識を含む、脆弱性を軽減し、レジリエンスを構築し、農村生活を強化する。
 4. Implement and, if necessary, redesign agricultural policies and programmes to incentivise sustainable agriculture, promote food security, and benefit the environment;   4. 持続可能な農業を奨励し、食料安全保障を促進し、環境に利益をもたらす農業政策とプログラムを実施し、必要に応じて再設計する。
 5. Reaffirm international financial commitments and significantly increase finance and investment from a wide variety of public and private sources, while also improving its effectiveness and accessibility, to enable sustainable agriculture, sustainable forest management, forest conservation and restoration, and support for Indigenous Peoples and local communities;   5. 持続可能な農業、持続可能な森林管理、森林保全と回復、先住民や地域社会への支援を可能にするために、国際的な財政的コミットメントを再確認し、幅広い公的および民間の情報源からの金融と投資を大幅に増やす一方で、その有効性とアクセシビリティを向上させる。
 6. Facilitate the alignment of financial flows with international goals to reverse forest loss and degradation, while ensuring robust policies and systems are in place to accelerate the transition to an economy that is resilient and advances forest, sustainable land use, biodiversity and climate goals.   6. 森林の損失と劣化を逆転させる国際的な目標との金融フローの調整を促進させ、一方で、森林、持続可能な土地利用、生物多様性、気候目標を前進させる経済への移行を加速するための強固な政策とシステムを確保する。
 We urge all leaders to join forces in a sustainable land use transition. This is essential to meeting the Paris Agreement goals, including reducing vulnerability to the impacts of  climate change and holding the increase in the global average temperature to well below 2°C and pursuing efforts to limit it to 1.5°C, noting that the science shows further  acceleration of efforts is needed if we are to collectively keep 1.5°C within reach. Together we can succeed in fighting climate change, delivering resilient and inclusive growth, and  halting and reversing forest loss and land degradation.  我々は,すべての指導者に対し,持続可能な土地利用移行に力を合わせることを強く求める。このことは、気候変動の影響に対する脆弱性を減らし、世界の平均気温の上昇を2°C以下に抑え、1.5°Cに制限する取り組みを追求するなど、パリ協定の目標を達成するために不可欠である。私たちは共に気候変動と闘い、回復力のある包括的な成長を提供し、森林の減少と土地の劣化を止め、逆転させることに成功することができる。
   

途上国をふくめた森林のガバナンスがやっと進むことになるのか?が一番大切なポイントですが、このような森林管理のグローバルな宣言、日本の森林管理にどのように影響されるでしょうか?

kokusai 2-82<UNFCCC_COP26fore>



kokusai2-81<ondankakei-iken>

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 違法伐採対策の今後ークリーンウッド法の関する検討会など(2021/11/10)

11月2日、久しぶりで都内の会議室で開催されたリアルな会議「2021年度第一回合法伐採木材利用促進全国協議会」に出席してきました。

違法伐採問題に対処するため、伐採時点の合法性が証明されてた木材の供給システムがができ(2006年木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン)、その後、クリーンウッド法ができて(2017年)体制が少し強化されてきましたが、それらを支える業界団体の人たちの会合でした。私はウッドマイルズフォーラムの代表で出席

私自身も供給システムができた当時から業界団体にいて、そのシステム作りに関与していたもので、勉強会でもセッション「4.違法伐採問題と貿易問題」を立ち上げてフォローしてきました。

(消費者向けのPRツールができた)

会議に出席して、消費者向けのパンフレットとかPRビデオなどができて、いろいろ進んでいることがわかりました。

ーーーー

〇「その木材 合法性を確認していますか。」 (主に木材を取り扱う事業者向け) その木材 合法性を確認していますか? - YouTube

〇「合法伐採木材をご存じですか。」 (主に木材を使用する消費者向け) 合法伐採木材をご存知ですか? - YouTube

ーーー面白いです

(次のクリーンウッド法の検討作業)

でも会議でインパクトがあったのは、合法伐採木材等の流通及び利用に係る検討会の話でした

9月に29日に第一回が開催され10月までに第三回、来年の1月まで7回開催される予定。

クリーンウッド法のその後を念頭において、ヒアリングして課題の整理をするとして、丁寧なネット上の関連ページがあり、過去の会議の審議結果や、以下のような提出資料が掲載されています

第1回9月29日配布資料
   【資料1】林野庁木材利用課発表資料 (PDF : 1,385KB)   【資料2】立花委員発表資料(PDF : 276KB)   【資料3】久保山委員発表資料2(PDF : 927KB)   【資料4】塚本委員発表資料(PDF : 407KB)   【資料5】日本木材輸入協会発表資料(PDF : 531KB)

第2回10月〇日配布資料
  【資料1】全国森林組合連合会発表資料(PDF : 574KB)  【資料2】全国木材組合連合会発表資料(PDF : 727KB)  【資料3】住宅生産団体連合会発表資料(PDF : 332KB)  【資料4】日本建材・住宅設備産業協会発表資料(PDF : 1,985KB)

第3回10月〇日配布資料
  【資料1】国際環境NGO FoE Japan発表資料(PDF : 2,713KB)  【資料2】(公財)世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)発表資料(PDF : 3,317KB)  【資料3】(公財)地球環境戦略研究機関 (IGES)発表資料(PDF : 1,178KB)  【資料4】林野庁発表資料(CW法登録実施機関の取組状況等)(PDF : 552KB)

全般をみてみました。

前々からの私の関心は

(CW法の登録と、ガイドラインによる合法木材供給との関係)

上の図は、提出資料にあった2つの図。左は林野庁木材利用課発表資料 にあったCW法による登録木材関連事業者の登録件数の推移、右は全国木材組合連合会発表資料にあったガイドラインいよる認定団体数と認定事業者数の推移です。ガイドラインで合法性証明を発出できるとした事業者は12000社になるのに、登録事業者は500なんですね。

2つのシステムの認定と登録は要件や手続きがいろいろ違うんですが、すくなくとも自社で合法性が証明さえた木材を供給するといったビジネスをしている人の、5%しか「合法伐採木材等の利用を確保するための措置を適切かつ確実も講ずる事業者」として登録をしていないんですね。

CW法の目玉である登録制度がうまく運用されていない、という大きな問題解決にはにはいろんな側面があるかと思いますが

登録制度を実施する6つの登録機関で、1万ものビジネス関係者をカバーすることはできないでしょうね。そういう意味で、是非登録手続き、管理手続きの過程で業界団体の関与を認める、何からの工夫が必要なんではないかと思います。

製紙業界のクリーンウッド法事業者登録ー初めての一括申請の結果(2018/3/25)

参考になるといいですね。

(マーケットからの要請がない)

CW法の登録事業者の広がりがない問題点に、「だれからも要請されない」という問題があります。

例えば全国森林組合連合会発表資料では

CW法の普及を目指すことは必要だが、.....系統の登録は伸びていない.....
•CW制定当初からの議論「費用に対してメリットがない・見えない」
•川下から合法伐採木材のリクエストが少ない(合法木材も同様)ため、合法木材(業界団体自主認定)で十分とする考えも。

ーーーー

また、日本建材・住宅設備産業協会発表資料では

登録木材関連事業者のメリットと市場の関心の薄さ
• クリーンウッド法や合法性に関する顧客からの問合せがなく、建材メーカーが特に問題がないと認識しているのは、市場の関心の薄さの反映とも言える。
• 登録木材関連事業者になっても登録料・更新料・手間に対してメリットが感じられない。
登録を推進するなら、消費者の認知アップと併せて明確なインセンティブがある仕組みも必要ではないか。

ーーーー

このような話があたので、私は例の左の図の話をしてみました。

林野庁の委託事業で林業経済研究所が建築物に木材を利用したら、二酸化炭素がどの程度固定しているか?ということが簡単にわかるプログラムをつくって、ダウンロードできるようにしています。

5年前から設定しているんですけど、そのダウンロード数が最近急に増えています。

ゼネコンの関係者など。

木材利用を地球環境の観点から訴求するなら、購入先がCW法の登録事業者であることは当然です!と訴求できるんでないですか?

さてどうなるでしょう。

boueki 4-77 <Cwsuisinkyo>

建築家の住まい・まちづくり体験と森林への想いー第2回勉強部屋Zoomセミナー(2021/11/14)

 11月6日第2回持続可能な森林経営のための勉強部屋Zoomセミナーを日本建築士連合会名誉会長、ウッドマイルズフォーラム会長藤本昌也さんをゲストに迎えて、開催しました。

演題は、「建築家の住まい・まちづくり体験と森林への想い」

開かれたローカリズム。住まい・まちづくりにたずさわってこらられて、どんなコンセプトで次の社会のまちをつくっていくのか?考え抜いてこられた藤本さんから森への問題提起。

藤本さんの、スライドを見ながら、ご紹介します。

よかったら、是非、プレゼン資料のフルデータ参考資料の雑誌記事「ー序ー民家型工法の家づくりに向けての戦術と成果」おいておきますので、ご覧くださいね。

((藤本さんの記念講演))

藤原の責任でつまみ食いしています。

イントロ
 80年代に「森林フォーラムの実行委員会」に入り、リーダーの内山節さんの影響で、森への思いができた。
大学を卒業して最初にはいった建築設計事務所で、「住まい・まちづくりは人間を幸せするためにある、まちの中に住まいがあるのを忘れないように」。それで左の図の右側にあるように、住まい・まちづくりは生活空間を作り出す作業だが、「もの」「まち」「くらし」の三つの視点から住まい・まちづくりの課題を探り、それらを総合的、空間的に解決することが大切だと知った
 72年に自立して「現代計画研究所」設立
そうしたら、オイルショックなどでビジネスがみえない
何か今までと別のことをしなければ、と考えているところに、建設省の若手の技官などといっしょになって、「日本土人会」を立ち上げた。
(西欧近代主義を問い直し、日本独自の思想を再構築する)
丁度その時、国土庁が近畿圏の歴史的環境の基礎調査をすることになった
 奈良県稗田村、中世の環濠集落で変化にとんだ路地空間が魅力

それと対比して戦後にできた、「味もそっけもない」新興住宅街。(左の図の上に見える)
 前述 稗田村の雰囲気
70年代の時代の雰囲気は、「戦後は終わった」
住宅白書(1973年)ができて、「”量”から”質”」の時代になった、チャンス

その時代の流れをうけて、茨城県で新しい公共住宅団地開発プロジェクトが始まった。
全く新しい低層集合住宅団地デザインを提案、実現する。

日本建築学会賞受賞
 茨城県では70年代以降、このデザイン手法による団地開発を継続することになる。

いろいろやったが

80年代には、この手法を戸建て住宅にも適用させようと考えた。
 たまたま、81年徳島県から戸建て住宅地における"まちなみづくり"のコーディネータ役を頼まれた。
できあがって、木材供給元の、木頭スギ林業家から、まちびらきのイベントで、コメントあり
木材を供給したが、「自分たちの供給した80年かかって育林した木が見えない住宅ばかりだった。残念」
この林業家の思いを解決すべく木組みの家を検討したいと考え茨城県の課長に相談すると、大工田中文男さんを紹介される。
「建築家は森や木のことを勉強しろ」と説教される。
 田中さんの指導を受けながらやった初めての仕事が「石神井の家」
「つまようじ」のような細い柱でなく、骨太な4寸、4.5寸角の柱
木の顔が見える、真壁づくり
民家型構法というコンセプトが固まってきた
 同上
 前の家をこわしたら
やせ細った柱、腐食した土台
大壁の中で腐っている
金物も傷んでいる
 ということで、今回の経験、田中さんの話などをまとめたメモ
右側
川上の問題点、上述の通り
そして、田中さんは「建築者は森林を見ろ」
だけど、川上の問題点も意識し始めた
左側
葉枯らし材ない
量と価格の不安定
たくさん発注すると高くなる?これなに?
 そこで、民家型構法の考えがまとまってきた
 丁度そのころ、タイミングよく
林野庁から「国産材ハウス」のモデル設計と建設の依頼を私と田中さんが受けることになる。
グッドリビングショウのコンペで大賞
晴海の家、民家型構法の提案
コンクールで
林野庁潮見旧貯木場でモデルハウス展示
  民家型構法の工夫1
 
継ぎ手を整理し
工場でパネル化して現場に持ち込むなど合理化の工夫も
   民家型構法の工夫2
土台材を基礎から15mm浮かせ、腐食を防ぐ。
 
   民家型構法の工夫3
持送り梁を採用、梁のスパンを短くする。
   民家型構法
丁度アトピーだとか、シックハウスだとか話題になり
自然素材(しっくい、木材、和紙etc)を主体とする民家型構法がインパクト
 建設省の方でも工務店の近代化にむけたプロポーザル(家づくり85)
ベスト5に選ばれた
確信をもってきたところで、公団から紹介された足助町にから、モデル団地の設計依頼を受け
まちなみ住宅生産供給をシステム化を検討・提案
 向3軒両隣
愛知県の林務部の方が町に出向されて、一本の木からどれだけ製材品がとれるか(製材率向上)など森と建築づくりをつなぐ様々な工夫をされた。

木材組合が間に入り、第三セクター”ほるくす”が設立され、新しい木造住宅供給体制ができた。
実証実験的成果が得られた。
 兵庫県梶原知事が田園都市構想
住宅金融公庫が認定した高規格住宅への利子補給をする制度によって県住宅供給公社が10棟のモデル分譲住宅を建設・販売した。
 間取りもいろんなバラエティーが選択可能
大阪営林局山崎営林署も入って、産直型の木材供給体制が実現した。
 
 地方自治体諫早市がはいって、丸太を購入
 同上
 岩手県遠野市が国交省のHOPE計画を立案し、その一環として木工団地を、林野庁の8割補助制度を最大限に活用して整備した。
 木工団地は製材・乾燥・プレカット等のたくさんの組合の連携によって成立・運営されている。
市営の低層集合住宅(平屋、2階建て)によって囲まれた人々の触れ合う絆の中庭づくり
 石原都知事がテレビ番組で「ハウスメーカーが建てる東京の家は高すぎる」

「地域の木材で地域の工務店で建設・販売すればもっと安く供給できるはずだ」と発言
 東京都による100戸の実証実験的家づくりのコンペに、地域工務店と遠野のグループと連携供給体制で参加、トップ当選

100戸の住宅は、一般の販売住宅よりお客がついた。競争率3倍
 大きな建築物への取組み
学校建築
 林野庁の木材を公団が随契することになっていたが、公団が不祥事で、買えなくなったので
有利随契で、6千本の丸太を、田中文男さんと藤本さんが銀行融資を受けて調達した。
 左の大きな梁は、外材の集成材を導入
地域材とのハイブリッド
 2階の床はRCで安心と安全のハイブリッド
広島市内の建築家の若手が地域材を活かした家づくりを実現すべくグループを結成、市民へのセミナーを実施し、共感した市民の方々の家づくりに取り組んでいる。
(広島市生協やJAがセミナーの後援を引き受けている)
 業界と一緒になって、消費者と木の勉強
家づくりのサプライチェーンの現状を見てみると

製材などの川中は大きくなって近代化してきた部分があるが、
川下の建築関係者(設計事務所、工務店)の連携、システムができていない
川上も成長産業だというが、育林に80年かかる業務を簡単に成長産業といえるのか?公益団体的道を歩むんのでは?

ポストコロナの新しい社会をどう作るか、川下の建築関係者もがばんっているので、川上側も頑張ってください

以上、「住まい」という私有財産だけど、一度できると、地域に根ざしてどこにもいかない「まち」という社会資本の一部になる建築の仕事を未来に向けて考えづくけてこられた藤本さんの50年間の足跡。そして、地域に根差した自然資本を提供する森林への思い。

一時間の記念講演を、1時間の藤原の責任で振り返りました。

((質疑のなかから))

プレゼン終了後30分ばかり質疑の時間んがありました。その時のやり取りを紹介します

(木の見える民家型が見通しは)

(ローカルな木の見える民家型住宅のすばらしさについて、木の家も実際に行政やマーケットは集成材、CLTなど別の方向に向かっているんではんでないでしょうか?という質問が複数ありました。)

特に大規模建築物では、部材の構造の安定性でCLTの普及が推進されています。木の新しい製品の可能性を求めてチャレンジしている方もいますが、補助金がおわったらどうなのか?とネガティブに考えている人もいます。

集成材は上記の学校づくりのなかで取り組んできましたが、どちらか一方だけというのでなく、ハイブリッドで取り組む必要があるのではないでしょうか?

(都市の再開発など)

人口減少で、家が建たなくなってくるのは間違えないでしょう。まちが、シャッター通りになったり、建築過剰、もうマンションはいらないとなっていますね。

そこで、古いマンションは建て替えて、といった方向に国交省もなっています。けれど、壊して建て替えるのか、リフォームするのかという重要なSDGs的論点があります。

マーケットの側では「建て替えて仕事を」となりますが、先と同様、大切な資源をどう使うSGDsといった観点では、経済成長より省資源という大切な観点がより必要ですね。

省エネより省資源!リフォームをどうしていくのか、という議論が大切です。

(郊外の人がいなくなってどうなるー参加型のまちづくり)

また、関連して郊外の家並みが人が少なくなってどうしよう、という議論があります。すくなくなって水道も維持できない?欧州ではこうなったら水道もストップして移住の強制もあり、そういう中で、持続可能な郊外のコミュニティ再生に取り組んでいこうという人たちがいます。

空き地を再編成して、5-6件のユニットを創って子供たちの遊べる空き地もつくって、向こう3軒両隣。参加型の家づくりに若い人が取り組んでいる事例もでてきています

戦後国が立ち上げた、公社・公団という公共的な供給する機関がまだ残っています。これからの時代にふさわしい、新しい公共としてのまちづくり機関づくりの可能性もありますね。

新しい公共としての森づくりも議論してくださいね。

(ひらかれた地域主義でいろいろ考えてみると)

右の図は、このイベント準備過程で藤原が作成した一枚の図面です。

時間がなくて、ご紹介することできませんでしたが、藤本さんの問題提起をうけて、頑張りましょうという、一枚です。

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 「森林林業基本計画の検討」二つの論文ー計画ができるまでの40年間の歴史など(2021/11/15)

森林林業政策に関する提言をされている国民森林会議の提言委員長から二つの提言がでたので、と言って紹介を受けました。

「林業の成長産業化」から「グリーン成長」への転換は本当か
-2021年「森林・林業基本計画」の検討(1)-

2つの「基本法」に基づく「森づくり」政策とは何だったのか
-2021年「森林・林業基本計画」の検討(2)-

それぞれ30ページほどある大論文ですが、タイトルもタイトルだし、お世話になっている方でもあり、読んでみました。

二つの目次を掲載します

 「林業の成長産業化」から「グリーン成長」への転換は本当か
-2021年「森林・林業基本計画」の検討(1)-
 2つの「基本法」に基づく「森づくり」政策とは何だったのか
-2021年「森林・林業基本計画」の検討(2)-
はじめに
第1章施業上の「不都合な真実」は是正されるのか
第1節2016年「計画」における「林業の成長産業化」について
第2節「適切な森林施業の確保」について
1) 「適正な伐採と更新の確保」について
2) 「森林計画制度の下での適切な施業の推進」について
第3節小括
第2章2021年「計画」における「グリーン成長」について
第1節森林・林業・木材産業における「グリーン成長」とは
第2節「新しい林業」について
1) 「新しい林業」とは何か
2) 「新しい林業」の発想はどこからきたのか
3) 「新しい林業」をどう評価するか(1)ーエリートツリーについて一
4) 「新しい林業」をどう評価するか( 2)-「自動化機械の導入」一
5) 「新しい林業」をどう評価するのか(3)一林業経営モデル試算一
6) 「新しい林業」をどう評価するのか(4)-「森づくり」論として一
第3節「森林の有する多面的機能の発揮に関する目標」について
第4節「カーボンニュートラル実現への貢献」について
第5節小括
第3章「望ましい林業構造」について
第1節「望ましい林業構造」の変遷について
1) 2001年、2006年「計画」について
2) 2011年「計画」、2016年「計画」について
第2節2021年「計画」について
1) 今回の「計画」の内容
2) 具体的にだれが森林管理(経営)を担うのか一「近い将来」の場合一
3) 日本の森林管理(経営)主体の面積カバー割合の試算
第3節小括
おわりに
はじめに

第1章「森林資源基本計画」の変遷と「用語法」の変化
第1節1966年「森林資源基本計画」
第2節1973年「森林資源基本計画」
第3節1980年「森林資源基本計画」
第4節1987年「森林資源基本計画」
第5節1996年「森林資源基本計画」
第6節森林機能の3区分論について

第2章2001年以降の「森林・林業基本計画」の検討
第1節「林業基本法」改正を巡る動き
第2節「森林の現況」と「指向する森林の状態」の数値の推移
第3節2001年「森林・林業基本計画」
第4節2006年「森林・林業基本計画」
第5節2011年「森林・林業基本計画」
第6節2016年「森林・林業基本計画」
第7節2021年「森林・林業基本計画」

第3章「育成単層林」「育成複層林」「天然生林」の用語法に関する検討
第1節用語の成立過程
第2節「育成」とはほぼ「人工」と同義である
第3節「単層林」と「複層林」について
第4節林野庁の「天然生林」は実質的に「天然林」である
第5節今後の用語のあり方について
第6節「森林の有する多面的機能の発揮に関する目標」の組み立て方
第7節ではどうあるべきか

おわりに 

目次をご覧になってわかるように、過去の計画をずーとフォローして、今回の計画の評価がされています。(すごいです)

96年の基本計画になるまでは、もっぱら木材生産を主題に林業政策が形成され、将来の人工林がどんどん拡大しているこになっていたんですね

勉強になりました

論文の主張は、全体が産業論に支配されているのでだめ、森林法と基本法の抜本的改革の議論を始めましょう、ということです

行政がもっと強力になってマーケットを規制していなければ・・・

気になったのは、成長産業だとかいっているので、ガバナンスをどうしていくのか見えにくくなっていますが、川下側からの(消費者と産業の連携?)強い圧力(マーケット経由)が森林ガバナンスのカギの一つを握っているんだともいます。そんなところが見えにくかったです

国民の議論にするためにも、是非、計画が策定されてからでなく、作成過程でのパブコメで、分かりやすい議論をしていただけるとよいな、と思いました。

関心のある方はどうぞこちらから。ネット上に本文だけでなく要旨も掲載されています。

「林業の成長産業化」から「グリーン成長」への転換は本当か
-2021年「森林・林業基本計画」の検討(1)-
   要旨

2つの「基本法」に基づく「森づくり」政策とは何だったのか
-2021年「森林・林業基本計画」の検討(2)-
  要旨


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ポストコロナの木材の月間などー勉強部屋ニュース267編集ばなし(2021/11/15)

今月のフロントページは:ウッド・チェンジ~木づかいが森をよくする暮らしを変える~脱炭素社会の実現に資する木の時代はくるかー第1回木材利用促進月間から

新しい法律で、木づかい月間が木材利用促進月間となった初年度、各省庁が木の時代だ!と宣言する木材利用促進本部の会合が行われ、その中で、久しぶりで有楽町でリアルな木の日のイベントに出席しました。

どちも木材業界とは全然違う市民・企業・行政のかたがたが、木材という自然資源にあたたかなメッセージを寄せていただく良い経験でした。

市民と木材を結ぶ糸口は木材を使うことの「環境的な貢献」なんで、クリーンウッド法だとか森林認証だとかと森林の現場と利用者を結ぶツールがますます大切になってきます。

そのほかに、久しぶりは、木づかい月間で、一年ぶりに東京をはなれて、札幌で開催された全国木材産業振興大会に出席。

家にいてネット経由で情報収集の生活をすこし離れる経験ができました。
勉強部屋の記事にも少し反映させていきますね。

(グラスゴー)

気候変動枠組み所受薬COP26で一日遅れて14日、グラスゴー合意文書ができたみたいです。今回は間に合わなかったので、前段の森林共同宣言だけ、フォローしてしておきます。追って全体は別途まとめて、発信の予定

次号以降の予告、林業経済学会報告森林・林業基本計画の形成にかかる関係者の参画過程の動向―過去の基本計画策定過程における意見募集結果のテキスト分析から―、地域の未来自伐型林業で定住化、地球温暖化対策の推進に関する法律改正は?森林所有者は幸せか?森林に関する主観的幸福度論文が公開、御殿場の木質バイオマス発電ーローカルな林業の可能性、欧州の炭素国境調整措置の内容

konosaito<hensyukouki>

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最後までお読みいただきありがとうございました。

藤原敬 fujiwara.takashi1@gmail.com