ニュースレター No.2272018年7月16日発行 (発行部数:1390部) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。 情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信してます。御意見をいただければ幸いです。一般社団法人 持続可能森林なフォーラム 藤原 ウッドマイルズフォーラム2018が7月26日に開催されます(文京シビックセンター)。クリーンウッド法の最前線紹介します。 |
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フロントページ:東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の環境問題(2018/16)
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第5回東アジア地域包括的経済連携(RCEP)中間閣僚会合が7月上旬に東京で開催されました。 東アジア地域包括的経済連携、年内妥結を目指す 事務レベル会合、交渉加速へ ASEAN10か国+6か国(日本,中国, 韓国,オーストラリア,ニュージーランド,インド)の16カ国の交渉が難航していましたが、米国が強硬な通商政策を進める中で、各国で交渉加速化の機運が高まってきたのだそうです。 日本は米国抜きの環太平洋連携協定(TPP)、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)に続いて自由貿易の枠組みを広げ、米国への「包囲網」を築く戦略だといわれています。 (地域経済連携協定の社会的ガバナンス) 市場の金とモノとサービスの流れを円滑にしビジネスの活性化をはかる、という経済のグローバル化を支えつつ、そこから生じる環境悪化(違法伐採問題による森林の崩壊など)、貧困、児童労働、労働災害など社会的なネガティブな面の波及(の可能性)をどのように制御するかが、地域連携の重要なコンセプトです。 欧州地域がEUという形で強固な連携が進んでいるのは少しおいておくとして、国境を接する国々の連携は、大気汚染、違法伐採など国境をこえる悪影響を押さえる意味でも重要な要素です。 そこで、日本とって東アジアという地域の連携に重要性があると思うのですが・・・ TPPは環境について第20章という一章をもうけて、違法伐採問題に関連した規定をおいています。米国がこの辺はリードしたものです。 TPPの環境協定と違法取引・違法伐採問題(USTRの提案)(2012/1/29) TPPの条約とRCEPの交渉対象の比較をしてみました。
TPPの項目は章立てをそのまま、RCEPの交渉分野は外務省の解説によっています。 8番目までがモノの貿易、その後にサービスや投資などの貿易が入ってきて、18までが貿易の国境措置の引き下げが並んでいます。その後段の部分が貿易競争のために環境社会の規制緩和をしてはいけない、など、という社会的ガバナンス問題が少し入ってきているという構成でしょうか。 TPPにあってRCEPにない項目に色を塗ってみました。 大国中国が入っていることによる問題、途上国の開発政策などに関する問題などが濃い緑の部分です。たま、途上国のガバナンスの弱点によって生じる問題をカバーする分野がうすい緑の部分です。(私の勝手な分類ですが) (PCEPの社会的ガバナンス部分の欠落) RCEPの社会的ガバナンス問題が抜けている構図がわかります。 世界資源研究所WRIによるこの点についてのRCEP批判論文がウェブ上に掲載されています。 途上国と先進国が同じテーブルにのった場合、この部分は、途上国が議論しにくいという共通のものですが、TPPの場合は米国が積極的にリードした経緯があります(トランプ政権だったらどうなのかわかりませんが)。 米国にかわって中国が主役の一人。経済のグローバル化の負の側面である環境問題なかんずく違法伐採問題など、世界中の木材貿易の中心にいる中国のガバナンスの役割はきわめて大切なのだと思います。 RCEPは今年中に終結ということなのでそのままのスタイルなのだと思いますが、これを契機に東アジアの連携のステップアップが続いていくことになるのだ思います。 当該地域の森林の保全と違法伐採への対処、業界団体認定のネットワーク、クリーンウッド法など、日本の経験が生かされた経済社会連携が進んでいくように期待します。 boueki1-13(rcep1) |
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森林経営管理における市町村の役割、新・豊田市100 年の森づくり構想(2018/7/16) 先進的な森林行政に関する取組んでいる愛知県豊田市から、新しい森林行政の指針である新・豊田市100 年の森づくり構想を送付していただきました。 時あたかも、森林経営管理法が成立し、来年度からの森林環境譲与税が全国の市町村に配布されるシナリオが書かれている中で、新たな主役としての市町村の役割の大切になっています。 今回の構想は2007年に制定した豊田市森づくり条例にもとづいて、10年前に作成された森づくり構想の予定通り?の改訂版という性格を持ったモノで(と書いて担当者とご相談したら経緯について意見をいただきました→3年前から取り組んだ新構想の経緯)、税制や法律の内容を前提としたものではありませんが、先進市町村の森林政策が、どんな方向にあるのか、森林管理法の施行とどんな関係がありそうか、という視点で、検討をしてみました。、 以下は新・豊田市100年の森づくり構想の概要の概要です
10年間の総括を踏まえて、伐採コストの低下が思うように達成できていない、森林保全のための皆伐対策が提示できていない、など問題意識を共有して、今後20年間の方向性が提示されています。市町村森林行政に関心のある方は、是非ご覧下さい。 (森林経営管理法との関係) 送って頂いた時期が森林経営管理法が議論されている最中だったので、この関係を聞いてみました。 構想をみても、その前提に所有者の「経営意欲の減衰→森づくりの放棄」という現状認識がが記載され(1ページ)、森林経営管理法と同じ問題意識に立っています。 管理法が所有者の経営管理権の一部を市町村が取得し、「意欲と能力のある林業事業体」に実施権を設定してい事業参画してもらうのが、一つのコンセプトになっていますが、担当者は、①市町村が難しい現場の課題を拾い上げるシステムになるのか、②森林組合以外にそのような新たな事業体がいないのでないか、と言われていました。 (地域森づくり会議) 所有者の経営意欲問題に関して、構想が提示しているのは、「第7章 森づくりのための推進体制等」です。 「新・森づくり構想を実現するために、市・森林所有者(地域森づくり会議)・市民・豊田森林組合などの関係者が連携し、森づくりを進めます。また、矢作川流域を単位とした取組や、市町村間のネットワーク強化にも取り組みます。」 森林所有者を、地域ごとに形成された地域森づくり会議に組織し、,所有者への告知、連携、集約化などが提起されています。 この部分が今までの10年間の成果です。98地域で会議が設立!!森づくり会議・森づくり団地 所有者の経営意欲がなくならないように、周到な手はずを整えるという手立てが用意されています。 市町村がそんな仕組みをもっていれば、所有者の中で経営意欲をなくした人の、経営管理権の設定だとか、経営管理実施権の設定など、経営管理法が提示しているハードな仕組みが、円滑に回っていく、ということでもあると思います。 是非、この、新構想が経営管理法の円滑な実施をリードするような展開となることを期待をします。 kokunai14-3<c_toyota>■いいねボタン
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クリーンウッドナビ英文情報公開(2018/7/16)
クリーンウッド法が施行されてから1年以上たち、海外の関係者も関心が高まっています。 A comparison of the Japanese Clean Wood Act and the EU Timber Regulation (EUFLEGT)10/13/2017クリーンウッド法の内容が英文で紹介されるページができでないものか思っていましたが、この度、公開されました About the Clean Wood Act法律の本文や関連法令の英訳、以下の情報が掲載されています このサイトの英語版の記事でも紹介しました The Cleen Wood Act starated in Japan and The Cleen Wood Navi Opened in English (July 10, 2018)new bouek4-71i(CWnavi) ■いいねボタン
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日本における水その他の生態系サービスへの支払い(国際学会報告に参画)(2018/7/16) 7月2日から5日までノルウェイで開催された、 Payments for Ecosystem Services (Forests for Water)生態系サービスへの支払い(水のための森林)と題するワークショップ(COST Europian Cooperation of Science and Technology主催)で、滋賀県立大学高橋教授が、Woodlinds for Water and other PES schemes in Japan(日本における水その他の生態系サービスへの支払い)と題する報告をしました。 私も声をかけていだき、報告の(ほんの)一部を手伝いました。 報告の全体はこちらに掲載します→Water and other PES schemes in Japan(英文です)
このうち、藤原が担当したのは「民有林管理のための公共投資」です。まとめの部分を訳しておきます
junnkan1-16<PESwater> ■いいねボタン
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経営管理法とクリーンウッド法ー勉強部屋ニュース227編集話(2018/6/24)
なかなか現場に出る機会がなくなっていますが、今話題の市町村の森林政策の現場の第一線の方らから気持ちのこもったレターを頂くと、勉強部屋をやってて良かったという気になります。あまり最先端のトライアル?なので、だれでも役立つ情報ではないかもしれせんが、森林管理法の動向とかさなって、面白い結果が出てくるのでないかと期待しています。 最近クリーンウッド付けになっています。林野庁の委託事業で家具事業者の登録促進のための海外調査のサポートをする仕事で、ドイツ人と中国人にクリーンウッド法の意義を分かり易く説明するパンフレットづくり。EUTRとクリーンウッド法の関係など、頭整理はできているつもりなのですが、先方の土俵で説明することができるかどうか、しんどいけど面白い作業です。おいおい、勉強部屋でも紹介します。 国際学会での報告。今回も勉強部屋の英語のページをごらんになっての、お誘いでした。Takashi Fujiwaraという名前が、学会報告の報告者のなかに記載されるのはひさしぶり。 次号以降の予告、ウッドマイルズフォーラム2018開催記録、森林環境譲与税の施策事例集、東京オリパラ調達方針の検討進む 、「国民と森林」への寄稿、文京区議会における木材利用・間伐材利用の議論、クリーンウッドナビPRサイト konosaito<hensyukouki> ■いいねボタン
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