ニュースレター No.2262018年6月24日発行 (発行部数:1390部) | ||||||||
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このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。 情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信してます。御意見をいただければ幸いです。一般社団法人 持続可能森林なフォーラム 藤原 |
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フロントページ:森林経営管理法成立ー国会審議過程で議論されたチャンスとリスク(20186/24)
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5月25日参議院において、森林管理経営法が可決し(共産党と、維新の会が反対)、法案が成立しました。 法案概要については、紹介しました。 新たな森林経営管理に関する法案ー森林環境税の目指すもの(2018/3/25) 森林管理法全文(衆議院のサイト) 森林林業行政の根幹に関わる政策が,森林環境譲与税という財源をバックにしてデザインされているので、国会の審議過程やマスコミなどでの批判的意見なども踏まえて、森林経営管理法(以下法といいます)の内容をおさらいをしておきます。 目次 1 政策の意図ー課題と対応方向 参考にしたのは上記の他に以下の情報です
1 政策の意図ー課題と対応方向 マスコミ論調は、「新制度の方向性は理解できる。問題は、想定していることが実際に進むかである」信濃毎日新聞。信濃毎日新聞6月16日森林バンク法 実効性が見えてこないとして、基本的な方向性に同調しています。 次にしめす、森林所有者の経営意欲の消失が生み出している課題と、受け皿をさがして解決を図る方向性については、共通の合意ができているとといえるでしょう。 この部分が、国会資料がデータ捏造とされたポイントです 国会に提出された文章のそのものは、ネット上に公表されていないようですが、概要の2ページに右の図が載っています。 又説明に文言が訂正されたようです。 (原文) だだし、森林所有者が森林経営の意欲を失っているという現状認識に大きな問題はないでしょう。 (3)林業経営体を素材生産事業者等と規定し受け皿として期待すること もう一つの前提条件が、受け皿となる林業経済事業体(素材生産業者等)の規模拡大意欲です。 概要の2ページに素材生産事業者へのアンケート結果(H27年)として、左の図が掲載されています。 国民森林会議の提言書では、林野庁が林業経営主体を規定してきた歴史的経緯に照らして、データ不足、議論不足としています。(4「林業経営者について問題点1 林業経営者を素材生産業者等と規定して良いのか?).。 また、素材生産事業者に15年にわたる事業地の保育を義務づけるリスクについても論じています。 受け皿となる事業体がどの程度いるのか、今後の運営上の課題だといえるでしょう。 概要の5ページが法案の概要を示す以下のポンチ絵です。 法第3条では「森林所有者は、その権原に属する森林について、適時に伐採、造林及び保育を実施することにより、経営管理を行わなければならない」とされ、この責務を担保するシステムとして、市町村による経営経営管理権の設定、経営管理実施権の設定などのシステム構築がされてます。 この規定に対する批判が、国民森林会議の提言の重要な部分となっています。 先行法で所有者の責務を規定している、森林・林業基本法第9条「・・「森林所有者等」は、基本理念にのっとり、森林の有する多面的機能が確保されることを旨として、その森林の整備及び保全が図られるように努めなければならない。」、森林法、第8条「地域森林計画に従って森林の施業及び保護を実施し、又は森林の土地の使用若しくは収益をすることを旨としなければならない」など、他の法令は努力義務規定であるのに対して、経営管理法では伐採等の実施義務規程となっていることを、指摘し、財産権を規定する、公共の福祉の存在証明ができるのかどうか、という議論です。 法案作成過程で、憲法が規定する所有権との関係については、法制局もはいって十分に検討がされていることは間違えないでしょうが、市町村が経営管理権設定手続きをしようとした場合、森林所有者から所有権を巡る紛争が予見されるとすると、市町村長の行動を縛ることになるでしょう。 関連して、森林所有者との間での経営管理権の設定、経営管理実施権配分計画に基づく意欲と能力があり林業経営者への経営管理実施権の設定、事前条件に照らして林業経営に適さない森林への森林経営管理事業の実施と、ポンチ絵の重要な部分を、すべて、市町村が実施するとされています。 この市町村の実施体制がマスコミ論調の各社が懸念する事項です。 参考人の高知県知事の配付資料にも、左の図のように、県内の半分以上の市町村で林業専門の職員がいないと指摘しています。 そして、知事は「政令・省令で定める市町村の業務については、効率的・効果的に実施できる仕組みの検討を。(例えば、他の市町村に住所がある所有者の照会事務など市町村相互の情報共有を可能とすること等)」。など具体的な提言をされました。(強力なスマート林業をすすめる高知県においておや) この、市町村における執行体制の問題が大きな問題点で、、森林環境譲与税や、都道府県の代替執行制度などがが機能してうまく機能するのかが、今後の執行上の一番の問題となるでしょう。 3 おわりに 今回の法令改正で、森林法の要間伐森林制度による使用権の設定契約制度が、災害等防止措置命令の制度に取って代わり、森林法から削除されますが、要間伐森林制度自体が一度も使われなかったそうです。 森林経営管理法は成立しましたが、大きなハードルが二つばかりあるようです。森林環境譲与税のサポートをうけて、経営管理実施権の制定が行われなかったな、ということがないように望みます。 kokunai14-2(kanrihouan2) ■いいねボタン
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森林のルネサンス(先駆者から未来への発信)林業経済研究所70周年記念本(2018/6/24) 私が関係している林業経済研究所の70周年を記念する本が、少し遅れましたが、日本林業調査会から発売されました。 森林のルネサンス 先駆者から未来への発信一般財団法人林業経済研究所 編 アマゾンのサイトでは5つ星のカスタマーレビューが着いています。 ーーーーーーーー「この本には、全国の森林・山村・木材関係の現場で頑張っておられる方々のいきいきとした声が詰まっています。ぜひそれを読んで元気になっていただきたい」(序文、p.4)という本書の狙いは、「最初のシンポジウムからは本書の発行の時点で6年半の時間が経って」いるにもかかわらず、全く色あせていない。 すこしほめすぎ?
junkan4-6<MORIRUNE> ■いいねボタン
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新たな森林経営管理法の審議過程などー勉強部屋ニュース226編集話(2018/6/24)
混乱する国会の中で、新経営管理法が成立しました。 所有者の森林離れ無関心という状況の中で、林業の動かす仕組みがつくれるのか?議論の出だしから細部をフォローをすることはできないので、国会審議の場は重要な情報収集の場でした。 今回、衆議院の参考人で呼ばれた方々に、資料を頂こうとコンタクトをしてみました。高知県知事、愛媛大学泉名誉教授から資料をいただきました。 泉教授が委員長をしている国民森林会議に提言書がネット上に公開されたので、あわせて紹介しました。40ページにわたる大作で、法案自体に否定的な主張なので、私自身の考え方とは違うのですが、ネット上の収集された情報と違って、過去の森林林業基本法の成立過程の議論などと比較した、経営体の分析の推移など、興味深い論考です。 担当者が次々変わる行政の中軸のスタッフが議論を進めるときに、学会関係者との連携がすすんでいく、必要性を感じました。 次号以降の予告、持続可能性のグローバル基準SBPのリスク評価の方法とその結果、森林環境譲与税の施策事例集、東京オリパラ調達方針の検討進む 、森林環境税の海外発信、文京区議会における木材利用・間伐材利用の議論 konosaito<hensyukouki> ■いいねボタン
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