新たな森林経営管理に関する法案ー森林環境税の目指すもの(2018/3/25)

3月9日「森林経営管理法案」が閣議決定されました。

森林経営法案を閣議決定=市町村や業者が管理(時事ドットコム)

森林環境税が31年度からとなった理由に、「次期通常国会における森林関連法令の見直しを踏まえ」と言う一文があることは指摘しました(新なた森林管理のシステムが、この法案が森林環境税の前提となる法案です。

法案の全文は衆議院の議案一覧ページに掲載されています森林経営管理法案

内容を林野庁が掲載している森林経営管理法案の概要 法案の概要趣旨を見てみましょう

(趣旨)

@森林所有者に適切な経営管理を促すため、経営管理の責務を明確化する(第3条)
A森林所有者自らが経営管理を実行できない場合に、市町村が経営管理の委託を受け意欲と能力のある林業経営者に再委託する。
B再委託できない森林及び再委託に至るまでの間の森林においては、市町村が経営管理を行う(第33条市町村森林経営管理事業)。

いくつかのキーワードがあります

経営管理権:森林所有者の委託をうけて伐採等を行うために市町村に設定される権利
経営管理権集積計画:市町村が、その区域内に存する森林の全部又は一部について、当該森林の経営管理権を当該市町村に集積することが必要かつ適当であると認める場合作成する計画
経営管理実施権:市町村の委託をうけて、伐採等を実施するために民間事業者に設定される経営管理権に基づく権利

林業経済学会が実施した研究ボックス(「新たなたな森林管理システム」と「森林環境税」を考える )に出席して、話を聞きました。

研究者の間から大筋で別の対案がでてくるわけではありませんが、多くの参加者が、「市町村にこれだけの事業を実施すマンパワーががあるのか?」「市町村が経営管理の委託を受け意欲と能力のある再委託先を見つけられるのか?」と心配をしていました。

森林環境税という新たな枠組みをつかった、大きな転換が必要だということでしょう。

また、「今まで林野庁の補助金は多くて550程度の市町村に配分されていましたが、今回の森林環境譲与税は配布先が1700になる」ということだそうで、いままで森林行政に全く関係のなかった都市の自治体が、森林行政に関心をもつ、大切なきっかけだということも再認識しました。

年度末にかけて使い方の事例集のようなものを作成する準備をしているようです。来月号には紹介したいですね。

kokunai14-1<kanrihouan>

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