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ニュースレター No.154 2012年6月30日発行 (発行部数:1224部) |
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このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。
情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。
藤原
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フロントページ:リオ+20 我々の望む未来と森林(2012/6/23)
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日本政府代表団評価
NGOの評価
社説
日経、環境の危機を主要国は改めて直視せよ(6/24)
朝日、「グリーン経済」の理念、宣言に リオ+20が閉幕(6/24)解説記事
読売、リオ+20 環境を守る責任は新興国にも (6/24)
毎日、リオプラス20 緑の経済へとつなげよう (6/24)
東京、リオ環境宣言 フクシマが教えている(6/24)
産経 「リオ+20」 地球救う責任は新興国に(6/25)
((合意された成果文書と森林))
(成果文書の概要)
The Future We Want「我々の望む未来」と題する、283のパラグラフからなる成果文書文は、①我々のビジョン、②政治的誓約の確認、③グリーン経済、④制度的な枠組み、⑤行動と点検の枠組(A個々の分野の記述、B持続可能な開発目標)、⑥実施手段という柱立てとなっています。(成果文書の概要:外務省)
(グリーンエコノミー)
6つの柱の一つを割り当てられたグリーンエコノミーについては今回の会合全体を象徴するキーワードでしたが、「重要ツールの一つであると認識する」(パラ56)とされたものの、優良事例を共有するなど以上の具体策は示されませんでした。
グリーンエコノミーは「環境への否定的な影響を軽減し、資源効率を上げることにより、自然資源の持続可能な管理の能力を高め」「持続可能な生物多様性と生態系の持続可能な利用、自然資源の再生につながる」パラ60,61とされるように、森林の持続可能な管理の今後の議論の重要なテーマであることは間違いありません。
森林の環境サービスの計量評価などの努力を主流の政策課題の中に載せる重要なツールであり、森林関係のサイドイベントでも森林関係者の出番だという盛り上がりのきっかけとなるキーワードとなっていました。今後の展開を期待したいところです。
(持続可能な開発目標)
今回の会議は「成果に乏しく」採択された宣言文The Future We Want「我々の望む未来」も「具体性を欠く」(日経社説)と厳しい評価が多い中で注目されるのは、2015年までに「持続可能な開発目標SDGsを作成する」(パラ245-241)というものです。
2000年にミレニアム開発目標MDGsができて、それが途上国の開発目標として一定の成果を上げてきたので、さらに枠組みを持続可能な目標に広げて2015年を出発点とした目標を掲げようというものです。
どんな枠組みにするか生物多様性、エネルギー、水など宣言文の交渉過程の案の中に例示されていた項目が、最終的なテキストでははずされ、一から出直しということのようです。
今後国際政治の主流となりそうなこの開発目標の中に、森林の目標を具体的に設定できるのか、持続可能な森林の面積など定義が不明確なままに森林分野の目標に掲げられている事項が、この枠組みの中で記載できるのか、今後の国際政治の中で森林の管理が優先順位を上げていく上で重要な課題と思います。
(成果文書の中の森林に関する記述)
森林に関しては283のパラグラフのうち4つが割り当てられて以下のような内容になっています。
(和訳は当サイトの仮訳、確定訳ができれば差し替えます、注やリンクは当サイト)
193. We highlight the social, economic and environmental benefits of forests to people and the contributions of sustainable forest management to the themes and objective of the Conference. We support cross-sectoral and cross-institutional policies promoting sustainable forest management. We reaffirm that the wide range of products and services that forests provide creates opportunities to address many of the most pressing sustainable development challenges. We call for enhanced efforts to achieve the sustainable management of forests, reforestation, restoration and afforestation, and we support all efforts that effectively slow, halt and reverse deforestation and forest degradation, including, inter alia, promoting trade in legally harvested forest products. We note the importance of such ongoing initiatives as reducing emissions from deforestation and forest degradation in developing countries, and the role of conservation, sustainable management of forests and enhancement of forest carbon stocks in developing countries. We call for increased efforts to strengthen forest governance frameworks and means of implementation, in accordance with the non-legally binding instrument on all types of forests, in order to achieve sustainable forest management.
To this end, we commit to improving the livelihoods of people and communities
by creating the conditions needed for them to sustainably manage forests,
including through strengthening cooperation arrangements in the areas of
finance, trade, transfer of environmentally sound technologies, capacity-building
and governance, as well as by promoting secure land tenure, particularly
decision-making and benefit-sharing, in accordance with national legislation
and priorities..
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193. 我々は、市民に対する森林の社会的・経済的・環境的便益および、森林の持続可能な管理が、この会合の目的と主題に対して貢献することに注目する。我々は多面的な制度、分野における、森林の持続可能な管理を促進する政策を支持する。我々は、森林が生み出す広い範囲の生産物やサービスが、持続可能な開発に関する緊急かつ多くの課題を解決するための手だてを提供することを再確認する。我々は、持続可能な森林管理を達成し造林・保全・再造林を進める努力が拡大することを求め、また、合法的に生産された森林生産物の貿易の拡大を含め、森林の減少と劣化を低下させ、阻止し、回復させる効果的なあらゆる努力を支持する。我々は現在進行中の森林減少劣化による排出の削減のような事業の途上国における実施、保全と持続可能な森林管理および森林の炭素固定の途上国における増進の重要性を認める。我々は持続可能な森林管理のために、全てのタイプの森林に関する法的拘束力を伴わない文書にもとづき、森林の管理の枠組み強化と実施手段についての努力が加速することを求める。この目的のために、我々は、財政、貿易、環境に優しい技術の移転、人材の育成および政策を実行するとともに、法律と政策の優先度に従い、特に意志決定と便益の共有のための土地所有権明確化などを通じて、持続可能な森林管理のための必要な条件を形成し、住民の福祉を改善することを約束する。
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194. We call for urgent implementation of the non-legally binding instrument
on all types of forests and the Ministerial Declaration of the high-level
segment of the ninth session of the United Nations Forum on Forests on
the occasion of the launch of the International Year of Forests.]
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194. 我々は全てのタイプの森林に関する法的拘束力を伴わない文書と「国際森林年の開始に際する、UNFF第九回会合の高級会合における閣僚宣言」の緊急な実施を求める。
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195. We recognize that the United Nations Forum
on Forests, with its universal membership and comprehensive mandate, plays
a vital role in addressing forestrelated issues in a holistic and integrated
manner, and promoting international policy coordination and cooperation
to achieve sustainable forest management. We invite the Collaborative Partnership
on Forests to continue its support to the Forum and encourage stakeholders
to remain actively engaged in the work of the Forum.
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195. 我々は国連森林フォーラムがその広範な参加者、包括的役割から、森林に関する課題を全般的で総合的な形で取り扱い、持続可能な森林管理を実現するための政策の調整と協力を実施する重要な役割を持つことを認識する。我々は「森林に関する協調パートナーシップ」に対して、フォーラムを支援し、フォーラムの活動に積極的に関係者が参画することを支援することを要請する。
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196. We stress the importance of integrating sustainable
forest management objectives and practices into the mainstream of economic
policy and decisionmaking, and to that end we commit to working through
the governing bodies of member organizations of the Collaborative Partnership
on Forests to integrate, as appropriate, the sustainable management of
all types of forests into their strategies and programmes.]
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196. 我々は、持続可能な森林管理の目的と政策が、主たる経済政策と政策決定に統合されることの重要性を強調し、その目的のために、我々は、「森林に関する協調パートナーシップ」のメンバー機関の意志決定組織を通じて、必要な場合、その機関の戦略と計画の中に「すべての森林の持続可能な森林管理」が位置づけられるよう働きかけるよう約束する。
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注)森林に関する協調パートナーシップ(CPF:Collaborative Partnership on Forests) UNFF活動を支援しIPF/IFF行動提案を実施するための森林に関する国際機関のパートナーシップ。世銀、FAO、ITTO、UNEP、UNDP、CBD等14の国際機関・条約事務局等からなる。 |
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森林に関する今までの合意を確認するという物足りない内容ですが、今までのコミットメントをしっかり実践することも、結構なハードルが高いといえます。
パラ156に言及されている「全てのタイプの森林に関する法的拘束力を伴わない文書(NLBI)」(2007年UNFF7、2007年12月国連決議)では、「2015 年までに、①持続可能な森林経営を通じた森林の減少傾向の反転、②森林由来の経済的・社会的・環境的便益の強化、③保護された森林及び持続可能な森林経営がなされた森林面積の大幅な増加と同森林からの生産物の増加、④持続可能な森林経営を実施するための財政措置の増加と ODA の減少傾向の反転」といった期限を切った国際目標が合意されています。
これが首脳レベルの約束として位置づけられたのが今回の宣言文ですが、これが達成され、次のステップとして「大幅な増加」などといった、あいまいな表現でない目標を今後設定できるのか。
これからのこの目標に向けて成果が上がり、2015年の持続可能な開発目標の中で生かされていくことが重要だと思います。
((森林に関するサイドイベント会合))
今後のリオ+40ぐらいまでをにらんで、「地球環境の視点から、日本の森林と木材を考える、産官学民の情報交流の広場をめざす」としているこのサイトをベースとした、日本発の森林と地球環境に関する情報発信の質と量の飛躍的向上を目指して、一人でも多くの人とのネットワークを作りをしてこよう、という目的で、私も13日から現地入りし、森林に関するサイドイベントを中心に情報収集、情報発信をしてきました。
出席した(しようとした)関連する会合
私が、出席したのは上記会合です。(当方の出番があったものや規模の大きなものに集中したので、結果的にどちらかというと政府系、業界系になっています)
全体としてバイオマス系の資源を扱っている業界関係者は自分たちの時代がくると意気込みが感じられ、技術開発や資源への投資に意欲的です。また、バイオマス資源を持続可能な形で確保するには、森林の地元の住民との関係を良好に構築する必要があるということが、どのサイドイベントでも強調されることです。また、持続可能な資源に対する消費者からの信頼も強調されています。
個々のイベントで重要な(と思った)ものは、別途ページを掲載していますのでご覧ください。
リオ+20インターネットによる政策提案
ジリオ+20森林はグリーンエコノミーの心臓部分FAO,ICFPAのサイドイベントから
森林問題をグローバルな課題に統合:国際林業研究センターCIFORのイベントから(作成中)
グリーンエコノミーの中の中国森林:リオ+20への中国林業局の情報発信(作成中)
グリーンエコノミーに対応する欧州の森林政策のアクションプラン
これらの方向にむかって、生産者、消費者、生産地の地元住民そして、行政組織のとの連携が構築・改善し、さらに、持続可能な開発目標、さらには、法的な拘束力のある持続可能な森林条約などの枠組みに発展することを期待します。
kokusai0-8<rio+20portal>
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持続可能で回復力のある社会の建設:国内準備委員会セミナーから(2012/6/30)
6月14日リオ+20の国内準備委員会が現地で主催するセミナーが日本パビリオンの会場で開催されました。
リオ+20に向けて、ステークホルダー(産官学民の利害関係のある関係者)間の対話を進めるため、リオ+20に関心を有するステークホルダーが自発的に集まり、「リオ+20国内準備委員会(共同議長:小宮山宏(三菱総合研究所 理事長)、崎田裕子(NPO法人持続可能な社会をつくる元気ネット理事長))(名簿)が設置され、ステークホルダー間の情報共有や意見交換、意見・提言を取りまとめ、リオ+20事務局に提出する(日本語訳:持続可能な開発の推進に向けた日本のステークホルダーからの提案---世界最大規模の震災の経験を踏まえた持続可能な21世紀国際社会の構築へ向けた提案---)などの活動をしてきました。
セミナーのタイトルは「大震災と津波からの経験:持続可能で回復力のある(resilliant)社会の建設」。若者・子供/労働者・労働組合/科学技術コミュニティ/女性/地方自治体/労働者・労働組合/NGO/企業・産業/農林漁業生産者/教育といった関係者がそれぞれの立場から持続可能で回復力のあるな社会をるくつ、という提言を中心に進められるのですが、そのFarmer(農林水産業の生産者)という立場で、藤原が参加することになりました。
ファシリテーター |
崎田 裕子 |
(NPO法人)持続可能な社会をつくる元気ネット 理事長 |
企業・産業 |
青木雄一 |
(社)日本経済団体連合会
(三井物産(株)理事 環境社会貢献部部長 |
子供・若者 |
福島宏希 |
特定非営利活動法人エコ・リーグ事務局長 |
農業者
(農林水産業生産者) |
藤原敬 |
(社)全国木材組合連合会常務理事 |
先住民 |
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リオ+20に参加せず |
地方自治体 |
西田裕子 |
東京都都市地球環境部国際環境協力課 |
MGO |
古沢広祐 |
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)理事 |
科学技術コミュニティ |
廣野良吉 |
成瑛大学名誉教授
財団法人・地球環境戦略研究機関(lGES)参与 |
女性 |
織田由紀子 |
日本女性監視機構(JAWW) 副代表
NPO法人北九州サステイナビUティ研究所主席研究員 |
労働者・労働組合 |
曽根崎 義治 |
日本労働組合総連合会(連合) 総合政策局 社会政策局 |
教育 |
野口 扶美子 |
ESD-J国際プログラムコーディネーター |
プログラム(配布されたもの英文)
国内準備委員会の農林水産関係の委員である全国エコファーマーズネットワーク佐々木会長、大日本水産界木上事業部長、日本林業協会前田副会長などからいろいろ教えてもらって、以下のようなプレゼンをしました。
「日本の農林水産業の生産者として話をします
日本の環境保全型農業は行政のサポートをうけて、進展しています。
食糧の生産過程と生物多様性の保全、地球温暖化対策などで成果が出ています。
ただ、市場がグローバル化する中で、生産者の努力が消費者から見えにくくなる心配があります。市場のグローバル化の悪しき側面です。
そこで、私たちは提案します。
第一に食糧安全保障の権利を各国が確信しあうこと。
第二が生産者の努力が償われる仕組みを作ることです。
償う手段は、行政からの直接支払いを効果的に仕組むこと。もう一つは環境情報を共有した消費者から確固とした支持をえることができ、消費が拡大することによる償いです。
森林に森林林業に関してその部分を少し具体的に説明します。
森林は持続可能な資源である木材の供給者であり、生物多様性の保全、炭素の固定とグリーンエコノミーの主たる担い手です。ただ、どこの国も森林の持続可能な管理については大きなハードルがあり苦労しています。そこで仕掛けがある仕組みが必要です。
日本の例を示します。
2010年日本では公共建築物に木材利用を進める法律が施行されました。環境に優しい木材を政府が法律を作って利用推進することが、エコノミーのグリーン化のモデルといえます。(配付資料公共建築物の木材利用促進法に関する資料)
ただ、それは出発点で、環境情報を共有した消費者からあつい支持が得られるようになることが最終目標です。
その意味で、ビジネスネットワークを使って環境情報を消費者につたえる、日本の合法性証明の仕組みは参考になります。2006年にできた、国のガイドラインに基づいて、業界団体の認定をうけた8500社の事業者が、違法伐採問題に対応して合法性が証明された木材を供給する資格を持ち、事業を展開しています。
以上のように、生産者と消費者の連携を巡って日本の経験をお話ししました。このことは、農林漁業というだけでなく、あらゆるセクターにとって関係にあるものだと思います。
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(環境保全型農業の動き)
この間、エコファーマーズネットワーク、有機農業の関係者から、いろいろ話を聞く機会がありました。
各都道府県ごとの認定基準に従って農薬や化学肥料の提言に取り組んでいる認定された全国のエコファーマーは20万人で販売農家の1割を超えているのだそうです。
欧州と米国では3兆円づつの市場がある有機農業が、日本では1千億円なのだそうで、今後日本市場の中で拡大していく大きな可能性を持っているようですが、それがどのように実現していくのか、環境資材としている木材関係者としても関心のあるところです。
kokusai0-8-7<JNPC>
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リオ+20インターネットによる政策提案(2012/6/23)
6月17日市民参加を具体的な目に見える形でおこなう試みとしてブラジル政府が鳴り物入りで準備してきたSustainable Diveropment Dilalogue(持続可能な開発の対話)の森林分野の総括会合がおこなわれまし。
インターネットを通じて提案、投票、そして、上位3までが、コミットメントの中にもりこまれる(?私の思い違いでした)という野心的な取り組み。
森林のほかに持続可能なエネルギー、水、食糧栄養の安全補書、海洋など10のテーマごとに4月から6月にかけて提案をあつめ、6月上旬にインターネットで投票し、その結果をもとにリオセントロの会場で専門家の意見を聞きながら投票をおこない最終順位を決めるというもの。
1位だけはインターネットの投票で「一億五千万ヘクタールの森林破壊された劣化された森林を2020年までに回復すること。」ということで、決定済み。
その最終決定をサイドイベントとしてパネルディスカッションの会場との対話を通して参加者により投票を行い、以下の三つの提案が正式提案となりました。
○一億五千万ヘクタールの森林破壊された劣化された森林を2020年までに回復すること。
· Restore 150 million hectares of deforested and degraded lands by 2020.
○森林分野が直面している「森林を破壊せずにどのように生産性を高めるか」という重要な主要課題に対応するため、科学と技術の革新、伝統的な知見を増進する
· Promote science, technology, innovation and traditional knowledge in
order to face forests main challenge: how to turn them productive without
destroying them.
○地元住民の資源の管理、組織、事業の能力、公正な措置を増進し、地元が管理する事業に投資を行う
・Invest in locally controlled forestry; promoting resource rights, organization,
business capacity and fair deals for local people
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この結果は、どちらかというと各国の代表団が決めていく全体会合の宣言文作成の交渉過程になかなか参画できない、NGOの人たちの意見の集約とみることができると思います。
地球環境問題としての森林問題の普遍的な目標を掲げた1番目は当然として、技術開発と地元住民の参画と尊重という二つのテーマは、その後の業界関係のイベントでも全く同じ柱立てになっているので、興味深かったです。
この結論が全体の決議の中に生かされているプロセスが仕組まれているのか、と思ってみていましたが(?)、リオ+20の現時点ではそうはいかないようです(国際政治の現実を少しでも知っている人には「当然だ」ということでしょうね)。リオ+30ではそんな仕掛けができるかもしれません。
インターネットの投票でベストテンとなったのは以下の提案です
· Support common framework conditions for forest certification and include
it in the Rio+20 framework of action
· Protect language diversity to preserve traditional knowledge and support
biodiversity conservation.
· Organize a UN Commission to mobilize the necessary public and private
finance to implement REDD+ actions globally
· Entrench the principles, inclusion, transparency and accountability of
local peoples in forest governance
· Invest in locally controlled forestry; promoting resource rights, organization,
business capacity and fair deals for local people
· Value forest carbon from forest plantations in the context of the green
economy.
· Governments should support agroforestry as a promising alternative to
balance the need for food and fuelwood whilst reducing pressure on natural
forests.
· Restore Forestland and Mangrove Zones
· Promote science, technology, innovation and traditional knowledge in
order to face forests main challenge: how to turn them productive without
destroying them.
· Restore 150 million hectares of deforested and degraded lands by 2020.
パネルとなった専門家は以下の通り
. James Chao (China) - CCTV(司会者)
. Mr. Anders Hildeman (Sweden) - Global Forestry Manager, IKEA of Sweden AB
. Mr. André Giacini de Freitas (Brazil) - Executive-Director, Forest Stewardship Council
. Dr. Bertha Becker (Brazil) - Professor, Federal University of Rio de Janeiro, UFRJ
. Mr. Christian Del Valle (United Kingdom) - Founder, Manager, Althelia Climate Fund
. Mr. Estebancio Castro Diaz (Panama) - Executive-Secretary, Alliance of Indigenous and Tribal
Peoples of Tropical Forests
. Mr. Guilherme Leal (Brazil) – Founder, CEO, Natura Cosmeticos
. Dr. Julia Marton-Lefevre (France) - Director-General, International Union for Conservation of
Nature (IUCN)
. Dr. Klaus Töpfer (Germany) - Founder, Executive Director, Institute for Advanced Sustainability
Studies (IASS), former Executive Director of the United Nations Environment (1998-2006)
. Dr. Lu Zhi (China) - Director, Center for Nature and Society, Beijing
kokusai0-8-1<rio+20SDdialogue>
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リオ+20森林はグリーンエコノミーの心臓部分FAO,ICFPAのサイドイベントから(2012/6/23)
リオ+20のハイレベル会合の周りで無数のサイドイベントが開催され森林関係だけでも数十のサイドイベントが開催されますがその中で、6月18日リオセントロ近くの会場で開催されたFAOと国際森林製紙産業団体協議会(ICFPA)が主催するサイドイベント会合がもっとも規模の大きな会合でした。
主催者のプレスリリース(6/21英文)
タイトルはなんと魅力的な“Forest: the heart of the Green Economy”森林はグリーンエコノミーのハートです。
この会合で発表の機会を得たので、今回のリオでの藤原の情報発信の活動の中でもっとも重要な場となりました。
現時点(6/23)で主催者側のウェブ情報が掲載されていないので、掲載され次第追加するなど順次詳しい報告をしていきますが、とりあえずの報告を掲載していきます。
モナコのアルバート二世、ブラジル環境大臣(代理)、韓国の森林大臣などの開会挨拶、FAO林業局長、ブラジル製紙業連合会(BRASELPA)会長の基調演説(音声録音データC14-1)のあと、①来るべきバイオエコロジーの中での森林関連業界の役割、②森林認証グリーンエコノミーの中のパラダイムシフト、③林産業の地域開発への貢献という三つのパネルディスカッションがおこなわれました。
イベントプログラム
開会 |
Event Co-Chairs’opening words: Eduardo Rojas (ADG FAO Forestry) and Donna Harman (ICFPA Chairman) |
ハイレベルの開会挨拶 |
Albert II, Sovereign Prince of Monaco |
Minister of Environment of Brazil Ms. Izabella Teixeira |
Minister of the Korea Forest Service Mr. Don Koo Lee |
Heads of international agencies |
Economic Commission for Europe, Executive Secretary Mr. Sven Alkalaj | | FAO Video on Forests at the Heart of Green Economy (8 min.) |
基調演説 |
Speaker 1: Mr. Jos? Luciano Penido, Chairman of BRACELPA and Fibria |
Future challenges and opportunities in supplying the 5Fs (Food, Fodder, Fiber, Fuel and Forest Conservation) | | TAPPI video on multiple uses of wood (4 min.) |
Panel Discussion I (Chair invites and introduces speaker and panellists
11.00 ? 11.10)
Role of Forest Sector in Emerging Bio-EconomyPanel I Chair: Teresa de Presas,
CEPI |
基調演説2 |
Speaker 2: Stanley Hirsch, Suzano, Brazil |
Panel Discussion |
Panelists: |
-FremandoRaga Castellanos, CMPC, Chile |
- Thomas Jostmann, Evonik, Germany |
- Stefan Sundman, UPM, Finland |
-Takashi Fujiwara, Fedarataion of Wood Industry, Japan, The Woodmiles Forum |
Interaction with the floorDiscussion with the floor |
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Chair’s conclusions and wrap-up |
Panel Discussion II (Chair invites and introduces speaker and panellists
4.00 - 14.10)
“Forest Certification: a Paradigm Shift in Green Economy”
Panel II Chair: Daniela Chiaretti, a Brazilian journalist Valor Econmico |
基調演説3 |
Speaker 3: Anders Hildeman, Forest and Supply Chain Director, IKEA |
Panel Discussion |
Panelists: |
- Marvin Hundley, Mead Westvaco Forestry, USA |
- Peter de Marsh, IFFA |
-Andre de Freitas, FSC |
- William Street, PEFC |
- Ben Cashore, Yale & IUFRO |
Interaction with the floorDiscussion with the floor |
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Chair’s conclusions and Wrap-up |
Panel Discussion III (Chair invites and introduces speaker and panellists15.40 - 15.50)
Contributions of Forest Industry in Rural DevelopmentPanel III Chair: |
基調演説4 |
Speaker 4: Dilip Kumar, DG Forests, India |
Panel Discussion |
Panelists: |
- Heikki Granholm, Min. of Agriculture and Forestry, Finland |
- Gerhard Dieterle, the World Bank |
- Steven Ngubane, Forestry South Africa |
-Stewart Maginnis, IUCN |
- Ms. Coosje Hoogendoorn, INBAR |
-Anders L?nnblad, DDG, Ministry of Agriculture, Sweden |
Interaction with the floorDiscussion with the floor |
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Chair’s conclusions and wrap-up |
Closing Words of the Event Co-ChairsFO-ADG and ICFPA |
この三つのテーマは現在世界中の林産業の抱えている将来への課題を設定しているので参考になります。第一は他の化石資源が支配している分野に森林産業が攻めていく戦線での製品開発・技術開発その他の課題、第二は森林産業が持続可能な課題に答えていく中心課題としての生産過程の環境負荷を消費者に伝達する手段としての森林認証制度のこれからの展開、第三目はどの森林関係のどのサイドイベントでも中心に取り上げられる、地元住民との新林産業との折り合いをどうつけていくかという課題です。これらの、課題がリオ+20という国際的な枠組みの行政と業界市民が合意する枠組みの中でどんなテータを提起するかというのが問題意識です。
(第1セッション、来るべきバイオエコノミーの中の森林産業の役割)
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第一セッションのバネリスト、左から |
第一セッションの基調演説はブラジルの製紙会社の社長で製紙メーカーのStanley Hirschで、今後バイオマスを使った製品が様々な分野に広がる一方、供給源の森林は制約されるで、供給力を高めるための抜本的な技術開発が必要であること、また、それを実施する課程で地元住民や消費者との関係をしっかりしたのに構築していくこと、これらを実施するために政府の役割は大きいなどという話でした。
その後の、3人のパネリストは1人は化学製品、2人は製紙業のビジネスマンで、バイオマス全体に製品展開を広げていくための技術開発の話と、途上国の原料供給先と住民との関係などが主たる話でした。4番目に私が話す番になりましたが、行政と一緒になって消費者との関係を構築していことが重要であるとして、日本の公共建築物等木材利用促進法と、ウッドマイルズの取り組み、業界団体による合法木材供給のとりくみについて、紹介しました。第一のセッション取り上げてもらいましたが、第二のセッションとも関係のあるもので、けっこうインパクトがあったのでないかと思います。
日本における木材利用推進に関する立法措置と
木材の環境情報
Recent Legislation on Promotion of Wood Utilization in Japan and Environment Information on Wood
藤原
1 木材利用推進の新しい立法措置
2010年公共建築物等の木材利用促進法が成立し施行されている。
関係者の長年の努力が実ったものであるが、環境資材である木材を普及すべきというコンセンサスができた証。国の木材利用計画、地方自治体の木材利用計画などが規定されている。木材がグリーンエコノミーに位置づける上で重要な立法なので研究してほしい。
これで、木材利用に関する行政的なサポート体制が整ったが、最終的には木材の環境性能についての消費者の支持を確固としたものにできるかが、成功の課題である。
(法律の全文を含む配布資料)
2 木材の環境性能伝達の課題
木材の環境資材と見た場合、「木材を使うことが森林を破壊する」というコンセプトにどう立ち向かうかという課題がある。地球規模の森林破壊と再生産可能な森林産との関係を消費者に説明するためには、生産過程の環境負荷と環境貢献の情報を的確に伝えるシステム化が必要であり、以下の二つに分けて日本の経験を伝えたい①生産地点と消費地点の距離を短くするという視点、②遠隔化する生産地点の情報をビジネスチェーンを通じて伝達するシステムの効率的な構築、
(1)生産地点と消費地点の距離
環境改善の点から、生産地点と消費地点を短くする二つの意義。生産地点と消費地点の距離を短くすることが生産地点の環境負荷の程度を消費者がリアルに認識する条件となり、生産者と消費者のコミュニケーションが容易になる。輸送過程の環境負荷を少なくする。この問題はウッドマイルズ研究会が取り組んでいる(ウッドマイルズ研究会配布資料
(2)遠隔化する生産地点の情報をビジネスチェーンを通じて伝達するシステムの効率的な構築、
木材製品流通の特徴とビジネスネットワーク管理の重要性
(生産過程と流通過程が小規模分散的であり、一カ所で第三者がコントロールすることはできない。ビジネスに参画する人を薄く広くカバーする体制が必須)
2006年に林野庁のガイドラインが作成され、キーポイントは業界団体。業界団体は違法伐採問題に反対する明確な姿勢を示すとともに、会員を人手された合法木材供給事業者として認定する手続きを示す。認定事業者は自分の商品に合法木材である証明書を出すことができるが、同じ証明書がついていた原料に基づくものだけである。こうして、証明書の連鎖ができる。現在8500の会社が認定を受けて活動している。(Gohoウッド配付資料)
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第二部第三部については追って掲載します
kokusai0-8-2<FAOICFPA>
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グリーンエコノミーに対応する欧州の森林政策のアクションプラン(2012/6/23)
国連欧州経済委員会ECEの本部がジュネーブにあり、そこの森林部門は欧州の森林政策を束ねる重要な役割を果たしています。
22日ECEの主催する森林関係のサイドイベントがあり、全体的に途上国の森林を念頭においたサイドイベントが多い中で、先進国の森林政策に関するものは興味深かったので様子をのぞいてみました。
タイトルは「A roadmap for ECE Forests in a Green Economy ECEの森林のグリーンエコノミーへの道筋」で、次の5つの柱からなる詳細な政策のリストが示されました。
1. Sustainable production and consumption of forest products
2. The low-carbon forest sector
3. Decent green jobs in the forest sector
4. Valuation of and payment for forest ecosystem services
5. Monitoring and governance of the forest sector.
それぞれの柱のもとに23の小課題があり100近い政策リストが並んでいます。
森林分野の政策集団の作品なので、新商品開発などの分野がかけているようで、また、この分野が重要だから意見交換のためのワークショップをやろうという段階のものも多いですが、グリーンエコノミーという流れを我がものにしようと、がんばっていることがわかります。
配付資料A roadmap for ECE Forests in a Green Economyのコピーをここにおきます
kokusai0-8-5<ECEFore>
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最後までお読みいただきありがとうございました。
藤原敬 fujiwara@t.nifty.jp
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