ニュースレター No.146 2011年10月29日発行 (発行部数:1224部) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。 情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。藤原 |
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フロントページ:環太平洋戦略的経済パートナーシップ協定の環境協定(2011/9/29)
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11月中旬にハワイで開かれるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)に向けて、環太平洋戦略的経済パートナーシップ協定TPPの参画問題が急ピッチな展開を見せています。 各省が、参加した場合しない場合の得失をそれぞれ国益という観点から提起していますが、政府が国益を考えるのはそれが仕事ですので、そういうレベルで議論が進展するのは当然ことです。 ただし、関税を含む国境措置が果たしてきた社会的・文化的意味合いを、物やサービスの交流のグローバル化という方向と折り合いをつけるということは、各国の共通した課題であり、国と国との損得勘定を超えた新しい国際関係の構築という側面をこのサイトでは見ていきたいと思います。 その意味で、TPPが注目されるのは関税撤廃を中身とする経済連携協定ですが、その中に環境協定が含まれていることに着目します。 貿易を管理する国境措置を減らして物とサービスのグローバル化を進め、資源の配分の効率化をはかり社会的厚生を高めていく、ということが、経済連携協定の基本理念でしょうが、経済が統合される中で社会の管理シツテム(行政)が統合されないという基本的な問題が浮上してきます。 経済のグローバル化が、食料安全保障という社会的役割を果たしている農業の破壊や、生産過程での環境破壊を世界中に拡大する可能性を持っていながら(TTP交渉と我が国の環境対策)、安全保障のグローバル化、環境管理のグローバル化がそれについて行っていないという問題です。 この辺のところはTPP側も意識していて、その現れがTPPの環境協定です。ENVIRONMENT COOPERATION AGREEMENT AMONG THE PARTIES TO THE TRANS-PACIFIC STRATEGIC ECONOMIC PARTNERSHIP AGREEMENTこちらに全文 実質的な内容の部分は以下の通りです
経済のグローバル化側の「関税自主権の放棄」という具体的内容に比べて、環境管理の側がきわめて抽象的な取り決めになっているのが問題です。 もちろん、この条約agreementの下に具体的な取り決めを積み重ねていくことは(理屈の上では)可能でしょう。 この場合、少なくとも、 経済連携協定のグローバル度の不足な点、経済連携協定が経済社会連携協定とならなければならないという面についての問題提起でした。 現時点で発効しているTPP協定の文書(ニュージーランド政府) boueki7-3<TPPkankyo> |
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日経エコロジー9月20日号に 森林から始まる被災地の復興という記事が掲載されています。(10月22日現在ウェブ上に全文紹介されている) 「津波で何もかも失った今、ようやく森の価値に気付いた。荒れた森を間伐して光を入れれば、豊かな森に返り、シイタケだって栽培できる。海も豊かになり魚も増える。漁や会社勤めの合間に自分で山を手入れすれば、副収入になるはず。震災で死んでいった者たちに報いるためにも、吉里吉里の森をよみがえらせ、地域復興の糧にしたい」。 一読をおすすめします 3.11は、人類が不可避な幅広い太陽エネルギー利用の第八次エネルギー革命を日本が主導するチャンスをもたらした(中沢新一「日本の大転換」集英文庫)、といった議論も同じ延長線上です。 kokunai4-32<3.11sinrin> |
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3月に公表された木材・木質材料のカーボンフットプリント算出基準(PCR)の改訂版が10月に公表されました(PA -CC -02 木材木質材料)。CFP制度試行事業事務局(社団法人産業環境管理協会)のページ)。 新しく対象製品に、熱処理木材、加圧式保存処理木を加えて対象を広げたものですが、輸送距離のデフォルト値など見直されています 先進的な木材業者の方々がこれに基づく算定に是非挑戦して頂きたいと思います。 また、木製フローリング、木製容器、はしなど木材・木質材料を主原材料とした製品を対象としたもののPCRもほぼ同じようなプロセスで計算するPCRが公表されています(PA-CD-01木材製品) ところで木材と木材以外の部品の選択の主戦場となる住宅や家具など木材を利用する産業側のPCRが重要ですが、今のところオフィス家具のPCRが作成公表されています。(PA -AK -03オフィス家具) この場合原料調達段階の木質部材については今回公表された木材木質材料のPCRを利用してもよいのですが、木材の二次データがデータベース化されていてそれを使ってよいようになっています。(CO2換算量共通原単位データベース) その一部を掲載すると以下の通りです
住宅や家具産業が木材利用をする場合使いやすいデータベースがあることは好ましいのですが、樹種も産地も国産材も輸入材もなにもかにも一緒くたにした数値となっているのが気がかりです。 このデータベースの内容の精査が必要です。 energy (CFPkagu) |
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