ニュースレター No.136 2010年12月26日発行 (発行部数:1224部) | |||||||||||
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このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。 情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。藤原 |
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フロントページ:「森林・林業の再生に向けた改革の姿」のグローバル度(2010/12/26)
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農林水産省・林野庁の森林・林業再生プランに基づく森林林業基本政策検討委員会は、平成22年2月15日に第1回検討委員会を開催して以降9回にわたる検討委員会の結果を、「森林・林業の再生に向けた改革の姿」(以下「改革の姿」といいます)として、11月30日に公表しました。 農林水産省森林・林業再生プラン推進本部ページより
次期国会での、森林法改正も含めて今後取り組まれる林政改革の方向を示すものですが、グローバル度という点から検討をしてみます。 取りあえずの物差しを国連決議になっている森林に関する4つの国際目標におきます。
我が国の森林を考えた場合2,3の目標特に3が重要です。 この点で「改革の姿」の「(2)適切な森林施業が確実に行われる仕組みの整備」が関係します。さわり部分を引用します
「改革の姿」全体を通じて国際目標となっている持続可能な森林経営(改革の姿では「持続的な森林経営」という用語を使用)が意識されていることは明確です。そして、そのための担保として皆伐更新の基準を作成し、@法的な規制の手段、A計画制度(森林経営計画)とその財政的支援、B市場での淘汰、という3つの面での支援措置とろう枠組みです。 市場で淘汰をする形にするには、エンドユーザーへの説明が必要になってきます。 違法伐採問題にツールである、合法木材供給システムを利用することが前提となっているはずですが、ミレニアム目標との関係でいうと、どの木材が持続可能な森林からの生産物となるかを明確にしておく必要があるでしょう。 @ウの森林経営計画の対象森林が持続可能な森林で、エの市町村森林整備計画の基準に適合していれば合法であるが持続可能な森林とはいえないのか、それともA市町村森林整備計画の基準に適合していれば持続可能なのかがポイントです。 この点は国際目標との関係だけでなく、CASBEEやエコマークなどグリーン購入のシステム開発に係る多くの方々の関心事項です。 kokunai1-10<kaikakusugata> |
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気候変動枠組条約 第16回締約国会議(COP16)等のカンクン合意と森林(2010/12/26) 11月30日から12月10日まで、カンクン(メキシコ)において、気候変動枠組条約 第16回締約国会議(COP16)、京都議定書 第6回締約国会合(CMP6)等が開催されました。 農林水産省プレスリリース 京都議定書の延長拒否の日本の姿勢の賛否などに注目が集まった今回の会合でしたが、森林についていくつかの合意がなされました。 (森林経営の今後の検討方式の決定) 上記の日本政府代表団のプレスリリースには、「森林経営の今後の検討方法を決定した森林等吸収源を除き、あまり各論に進展は見られなかった。」といった記述もあります。 ここでいう「決定された森林経営の今後の検討方法」は京都議定書 第6回締約国会合(CMP6)以下の文書です。 Draft decision [-/CMP.6] Land use, land-use change and forestry (途上国の森林減少・劣化に由来する排出の削減REDD+) 一連の次期対策の議論の中でスポットを当てられてきたREDD+(途上国の森林減少・劣化に由来する排出の削減)に関しては、COP決定の中に、途上国の森林減少・劣化対策等と先進国の支援の枠組みが盛り込まれました。今後は、本決定を基に
REDD+の運用ルール等が検討される見込みとされています。 |
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世界の中の日本の違法伐採問題への取組Gohowood(2010/12/26) 日本の違法伐採問題の取組である合法性が証明された木材の普及を図るため、12月1日(水)に、中国大連市で第2回日中木材及び木製品貿易検討会が、また、12月11日、12日東京都内で合法証明木材等に関する国際シンポジウム2010が開催されました。 2018年度から日本政府がグリーン購入法によって政府調達の木材に林野庁ガイドラインによる合法性証明を求めるようになってから、5年たちましたが、その間日本の合法木材供給の取組は7600社のネットワークに広がり、国際的にもGohowoodの取組として認知されるようになってきました。 (第2回日中木材及び木製品貿易検討会) 今回の国際的な取組は、日本に対するもっとも大きな木材輸出国である中国の木材業界に合法性証明の仕組みを説明しそのネットワークに参加するように求めることが主眼でした。 全木連の関連するHPである合法木材ナビに当日の報告を中心に結果が掲載されています。 私も久しぶりの海外出張で「日本の合法性木材流通制度及び中国木製品輸出企業」という報告をさせていただきました。 (合法証明木材等に関する国際シンポジウム2010) ビックサイトで開催されたエコプロダクツ展に並行して開催されたイベントには200名ほどの参加者でしたが、そのうちの三分の一は海外からの参加者で、関心の広がりが注目されました。 インドネシア、マレーシア、中国など産地国での新しい違法伐採問題への取組、EUや米国など消費国での取組が紹介され、グローバルな取組の中で日本のGohowoodの取組の役割について考える場となりました。 欧州や米国で水際対策(政府の貿易管理当局への依存)の施策が進んでいますが、他方で木材のように多様なネットワークで流通加工され、どこの国でも自国内の製品(国境を通らない)が流通している産品のをコントロールするためには、流通加工に携わる事業者が生産情報を消費者に伝達する役割を担う仕組みが必ず必要になってきます。 90年代から森林認証を管理する団体がCoC認証システムとして開発してきたものですが、普及しやすくするために、それを業界団体が担うこととした日本の林野庁ガイドラインに基づくGohowoodの取組がグローバルスタンダードの一部を構成することになるはずだ、と思っています。 当日の発表資料などが合法木材ナビに掲載されています。 boueki4-45<gohosympo2010> |
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