ニュースレター No.083 2006年7月9日発行 (発行部数:1300部)

このレターは、「持続可能な森林経営のための勉強部屋」というHPの改訂にそっておおむね月に一回作成しています。

情報提供して いただいた方、配信の希望を寄せられた方、読んでいただきたいとこちら考えて いる方に配信しています。御意見をいただければ幸いです。 
                                                    藤原

目次
1.
フロントページ:地球の持続可能性に関する林産業界の誓約(2006/7/9)
2 壊れない低コスト路網(2006/7/9)
3. 熱帯林の破壊と京都議定書:FAO機関誌の特集(2006/7/9)
4. ウッドマイルズ研究会ニュースレター木のみち11号(2006/7/9)
5. 第一回違法伐採総合対策推進協議会:同時進行レポート(5)(2006/7/9)

フロントページ:地球の持続可能性に関する国際林産業界の誓約(2006/7/9)

国際森林・製紙産業協会(ICFPA International Council of Forest and Paper Associations)は、ローマで行われたメンバー59企業のトップが集まった円卓会議で、「地球の持続可能性に関する林産業界の誓約」と題する共同声明を発出しました。

大企業は、企業の社会的責任というキーワードで、グリーン調達など市場のグリーン化を通じて持続可能な社会への牽引力となる側面を持っています。

森林資源をベースとした世界のビックビジネスの発するメッセージは、支持をする森林認証制度の条件、違法伐採問題に取り組む決意など、一読に値します。

本文

なお、関連して、昨年11月に開催されたペテルスブルグでの閣僚会合に向けてICFPAが作成したポジションペーパーの和訳を王子製紙の西村さんに提供頂きましたので、関連ページに掲載しました

chikyu1-12 <icfpa>

2 壊れない低コスト路網(2006/7/9)

 日本の林業生産費は世界一高いといわれていますが、生産費の条件の一番のポイントは車両系の機材を作業現場までどこまで近くまで接近させることができるかの鍵を握る森林の中の道路網です。

 少ない経費で堅牢な路網を建設するという実践的な課題について、元四国森林管理局森林整備部長中岡茂さん(現森林総研企画科長)が「グリ−ン四国」に、「新しい集材路網技術と森林経営:再び公益的機能の発揮と木材生産の両立をめざして」という論考を投稿しています。以下はその一節ですが、了解を得て本文をこちらにおきます(pdfファイル)

四万十川中流の大正町で、この作業道を見たとき、従来からの作業道に対する既存概念、それはどちらかと言えば悪いイメージが、目からウロコが落ちるようにとれた。今ではこの作業道が、森林・林業にとって起死回生の技術革新になりうると思いこむまでに至っている。
 それは、路網密度200m/ha、作設単価1800円/m、維持管理費ほとんどゼロという驚くべきものだった。高密度で簡易で恒久的な作業道、つまり3K作業道だ。

中岡さんが大正町で見た3K作業道の話は、私が森林総研にいた時からいろいろ聞かせてもらっていましたが、最近、大きなステップがありました。九州森林管理局がkのテーマのDVD付きの解説書を作成したのです。
了解得てテキストの概要を掲載します。 (pdf版
購入案内pdf

四万十川生まれの3K林道が日本の林業の生産性の向上にインパクトを与えることを願っています。

kokunai8-4 <3kromo>


3 森林と京都議定書:FAO機関誌の特集(2006/7/9)

森林と京都議定書については、日本の森林政策関係者にとってはここ数年話題の中心になっていますが、議定書発効が迫るに従って、世界の森林政策の関係者にとっても、関心が高まっています。

国連食糧農業機関(FAO)林業関係の機関誌UNASYLVAの最新号が「森林、気候と京都」と題する特集を組んでいます

援助機関としてのFAOのもっとも大きな関心は、京都議定書によって制度化された先進国の途上国援助メカニズム(CDM)を森林分野でどう生かしていくかという問題です。インドネシア、ウルグアイ、アフリカ諸国と三つの熱帯林地域を対象としたCDMプロジェクトの報告が掲載されています。

先進国の話題としては、スイス、EU,米国からの報告があります。日本と同様に管理された森林を吸収源としてカウントすることとなったスイスの報告は、生じた権利を山林所有者に配分す問題について検討してますWho gets the money? What do forest owners in developed countries expect from the Kyoto Protocol? 。また、ECのちょっと苦戦をしている、業界の排出権取引制度について報告されていますが、こういう特集に、世界で一番京都議定書に関わる森林政策を展開している日本のからのレポートが載らないのは残念ですね。

kokusai2-14<faokyoto>

4 ウッドマイルズ研究会ニュースレター木のみち11号(2006/7/9)

ウッドマイルズ研究会のニュースレターの最新号、11号が配信されました。
こちらからどうぞ

目次は以下の通りです

1.  巻頭言                 NPO法人 気候ネットワーク 代表 浅岡 美恵

2. 研究会ニュース

 -1 2006年度総会が開催されました                    滝口 泰弘
 -2 長久手町平成こども塾建築見学会                   滝口 泰弘
 -3 ウッドマイルズ入門セミナー 2006 in 名古屋            滝口 泰弘
 -4 京都府産木材認証制度のその後3                   白石 秀知

3.  【連載】ウッドマイルズ研究ノート

  (その10)  自動車輸送排出CO2原単位の改訂とその影響     滝口 泰弘
  (その11)  公共木造建築物とウッドマイルズ              滝口 泰弘
  (その12)  国内製材工場の製材品出荷における輸送距離の変化とその要因
                                         嶋瀬拓也・立花 敏

4.  【連載】第9回環境問答                         野池 政宏

5.  読者の広場

 改正グリーン購入法とウッドマイルズ                    安藤 直彦

6. 会員紹介

7. 事務局だより


配布をご希望の方はウッドマイルズ研究会まで

energy2-43<kinomiti11>

5 第一回違法伐採総合対策推進協議会:同時進行レポート(5)(2006/7/9)

全木連の違法伐採対策の今年度の柱、違法伐採総合対策総合推進事業のステアリングコミッティとしての違法伐採総合対策協議会の第一回会合が、5月23日都内で開催されました。

全木連のホームページに開催の概要が掲載されています。(→こちら

議事概要とともに、会合で配布された以下の資料が掲載されています。
資料9は現時点での関連資料集の決定版ですので、関心のある方はどうぞ。

資料1
資料2
資料3
資料4
資料5

違法伐採総合対策推進協議会名簿
違法伐採総合対策推進事業(平成18年度補助事業)概要
違法伐採総合対策協議会運営要領
パンフレット「政府調達における木材・木材製品の合法性の確保について」
パンフレット「政府が調達する木材・木材製品には合法性の証明が必要です」→省略

資料6
資料7
資料8

違法伐採総合対策推進事業の進め方について
合法木材供給事業者認定制度の整備状況
林野庁作成のガイドライン(案)に関して寄せられた主な意見(概要)

資料9

参考資料 違法伐採問題に関する資料(注:ファイル容量約3M)


boueki4-19<kyogikai1>

最後までお読みいただきありがとうございました。

藤原敬 fujiwara@t.nifty.jp

 

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