改定森林・林業基本計画を踏まえた国有林野事業の新たな展開などー新たな林野庁長官が語るー勉強部屋Zoomセミナー第2回報告(2026/10/1)

9月5日に勉強部屋Zoomセミナー本年度第2回を、ゲストに、林野庁長崎屋圭太長官を迎え、「改定森林・林業基本計画を踏まえた国有林野事業の新たな展開など」というタイトルで開催しました。

5年前から始まった勉強部屋ZOOMセミナー、9月5日に行われた今年度第2回セミナーは、25回目です。

過去に元長官ゲストにむかえたことはありましたが、現職の長官ははじめて・・・。それはそうですが、忙しい中、思いをこめたレクチャーをしていただきました。

このチャンスに当方も、日頃考えていたことを伝えて、トークセッション。たくさんの参加者(オンライン)のかたから、質問もいただきました。イベントで答えられなかった質問は、長官(担当者?)にも確認をとって、回答をいたします。

充実した2時間、しっかり整理してして結果をご報告します。

レクチャーの資料は、こちらに掲載してあります→長崎屋報告:改定森林・林業基本計画を踏まえた国有林野事業の新たな展開など

順番にご紹介します。

少し大きなページになったので、目次をつくりました
((長崎屋報告:改定森林・林業基本計画を踏まえた国有林野事業の新たな展開など))

((トークセッション))

((皆さんからの質問))

((今後の勉強部屋のZOOMセミナーなど))

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(((長崎屋報告:改定森林・林業基本計画を踏まえた国有林野事業の新たな展開など)))

(目次)

30ページにわたる資料が、以下のように、13のセクションが、4つの章◎にまとめられています

◎改定基本計画の特徴
・頻出ワード
・「指向する森林の状態」の見直し
・多様なKPI
◎森林の価値
・生物多様性
・森業の推進を通じた山村振興
・森林の価値を測りオープンにする
◎木の価値
・利益増と持続可能な林業
・合理的な価格形成
・広葉樹
◎国有林のこれから
・森林づくりの視点から
・地域林業の視点から
・木材需給の視点から
・グリーン・シェアリング

((改定基本計画の特徴))

(頻出ワード)

林野庁長官が最初に提示したのは、右の図。改定森林林業基本計画出現ワードの頻度比較です

「5年前は再造林して持続可能な林業が大切で,
そのために、国際競争力・産地間競争力が重要で、そのために新たな施策・新たな木材利用・・、という三つの言葉がたくさんありました(黄色)

今回は・・・

需要と供給を比べると普通は同じ数なのだが、今回は供給が多い、ウッドショックなどで、供給力が問題、そして労働安全などが多くなっています。(青色)

あと、価値と価格が多くなっています、価格は木材ですが、価値が多いのは、価格に反映しない森の価値ですね

また、多様性以下緑色の多くなった言葉は、、森林の価値を高めていこうということですね

そしてそれを支える基盤後して、デジタル技術だとか、情報といった言葉が多いです。

まとめる、山側によっていて、人に着目し、価格と価値、その三つがポインドです。

(「指向する森林の状態」の見直し)

いままで、人工林の大半が利用期を迎える我が国の資源状況と、生物多様性等の森林の公益的機能への要請の高まりを踏まえると、森林の4割を占める人工林について、林業に適した森林として循環利用するものと、天然林へ移行するものが分かるように示すことが適当です。

左の図の左にあるように、これまでの「指向する森林の状態」の示し方では、育成単層林・育成複層林のそれぞれに、再造林をする森林と、天然力を活用して更新る森林が混在していました。

これらを、分かりやすい形で目標を示すため、左の図の右のように、「指向する森林の状態」を、現況及び更新方法に基づく「人工林」「天然林」の2区分で示しつつ、天然林のうち、里山林等のように利活用の対象となるものを「利活用の対象とする天然林」と区分しました。

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(多様なKPI)

右図のようにたくさんの成果指標KPI(Key Performance Indicator)を設定しました

右の図左にあるように、いままで、森林の多面的機能を発揮に関する目標と、林産物の適切な供給と利用に関する目標という二つの目標が設定されていて、それは今回引き継がれますが、その目標達成のために、何をしなければならないか、という指標を31作りました(閣議決定の計画に!!)。毎年林政審でチェックしていくんだそうです。

人工林における多様な森林整備(左の図参照)

•林業適地の人工林については、再造林等により森林資源の循環利用を進め、林業適地以外の人工林については帯状・群状伐採や侵入広葉樹を活用した針広混交林化等を進めることが重要。

• 多様な森林の配置に向けては、公益的機能に配慮し、伐採面積を縮小・分散した複層林化を推進することが重要。

里山林を中心とした天然林の整備(右の図参照)

• 薪炭材としての利用縮小などにより、伐採量が大幅に減少したことで、里山の天然林を構成するコナラやクヌギ等の広葉樹の大径化が進行。大径化によるナラ枯れ被害の拡大や、利用低下によるクマやシカ等の出没のおそれがあることから、適切な管理が必要。

• 近年、家具や内装材等の業界全体から国産広葉樹に対するニーズが高まっている。広葉樹は供給・需要の両面で多種多様であり、それらを結びつけ、付加価値の高いサプライチェーンを構築することにより、放置された里山広葉樹等について利用を進めることが重要。

((◎森林の価値))

(・生物多様性)

• 森林の生物多様性を高めるための森林管理手法を示した「森林の生物多様性を高めるための林業経営の指針」を策定し取組を推進。森林経営計画において森林の生物多様性を高めるための取組を記載できるよう制度見直し。

• 国有林では、保護林や緑の回廊の保護・管理等に取り組むとともに、生物多様性保全に配慮した施業方法等について手引きを公表し、取組を推進。

• TNFD提言では企業が自然資本への関わりを評価・公表することを推奨。企業活動と森林の多⾯的機能との関わりを分析・評価できるよう「森林に関するTNFD情報開示の手引き」を作成。

(参考3)企業等の森林整備への参画
• 近年、脱炭素経営の推進やサプライチェーン上の自然資本へのリスク低減等の観点から、これまで林業を行っていなかった企業が森林整備に必要な資金の提供や、森林を取得し森林経営を開始する事例がみられる。
• 地域生物多様性増進法により、企業等による地域における生物多様性の増進のための活動を促進。令和7年9月に認定された実施計画の3分の2において森林が活動区域となっている。
• 森林整備による生物多様性保全等の効果を定量的に評価し、公表する企業もある。森林の機能に関する評価手法の確立・普及等に取り組む。

(・森業の推進を通じた山村振興)

・山村の生活基盤としての里山林等の機能を維持するためには、地域住民の協働や地域内外の幅広い多様な主体(企業、団体、地域おこし協力隊等)による集落周辺の森林整備と併せて、移住・定住の促進が重要。

・森林分野の山村振興は、林業の振興を軸に据えて推進してきたが、近年では、都市住民の潜在的ニーズに対応した森林空間利用や、カーボン・クレジットの取引等を適正な森林管理へのインセンティブとして役立てる動きもみられ、こうした機会を捉え、山村地域の活性化に繋げることが重要。

・ これを踏まえ、文化的サービスを始めとする森林の生態系サービスの提供・活用により、森林所有者に利益を生み出し、豊かな森林づくりにつなげる取組を新たに「森業」(もりぎょう)として推進。

参考ー森林業を通じた山村振興事例(右の図)

(・森林の価値を測りオープンにする)

• これまで、航空レーザ測量や衛星画像等のリモートセンシング技術を活用し、情報取得の効率化と精度向上を推進。

• 森林資源情報等は、保有する都道府県等が森林法の適切な運用等に活用するだけでなく、全国の様々な主体が活用することで、森林・林業に関連するサービスの高度化や創出が期待されることから、都道府県と役割分担し、国においても森林資源情報等のオープンデータ化を推進。

参考ーオープンデータ化の進捗(右図)

森林資源情報については、林野庁において、民有林・国有林合わせて全国一元的にデジタル情報を整備・公開 。
事業者は、これら情報を活用して、資源管理や生産・流通・販売をデジタル管理し、効率化できるサービスを開発・販売することを期待。

((◎木の価値))

(・利益増と持続可能な林業ー4つのポイント)

・ 各段階の事業者は自らの生産性向上の取組により、一定の利益率を確保しているものの、その水準は他産業に比べて低い傾向。
・一方で、現状の立木合算価格に基づく立木販売収入は、資産運用により期待される収入見込みを大幅に下回る。
・このような状況が、森林所有者による再造林や森林経営管理への関心低下の一因にもなっているほか、木材関連事業者の経営の持続性に係るリスクになっていると考えられる。

・このため、持続可能な木材生産に向けて、4つのポイントに沿った取組を推進

「1)価値の高い製品の需要拡大」「2)木材サプライチェーンの効率化」、「3)木材加工における省力化・生産性向上」、「4)素材生産における省力化・生産性向上」

これらに取組むと・・・・(右の図試算例)に取り組み、その成果を試算すると合計3,200円/㎥の利益増。
・ あわせて「造林の省力化」に取り組むととともに、関係者の相互理解が進むことで、持続可能な木材生産に繋がる、再造林を考慮した立木価格の実現を期待。

(・合理的な価格形成)

・ 製材・合板用材の国産材シェアが5割超になるなど国産材の供給力が高まり。一方、需要サイドは、環境問題等から木材の持続性に関心。

・クリーンウッド法の仕組み等を活用し、国産材の合法性・持続性を市場に訴求し、輸入材価格に左右されない国産材の合理的な価格形成が図れるサプライチェーンの構築が重要

←参考事例ー大径材の増加に対応した国産材の付加価値向上(左の図)
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←参考事例ー高付加価値化の事例(左の図)

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(・広葉樹里山広葉樹利活用推進会議の提言ー)

里山広葉樹利活用・再生プラットフォーム(提言より)

・・・森林側がマーケットに積極的にアプローチすることで、需要側のニーズの発掘と里山林への理解を促進し、最終的には伐採地から生産される少量・多樹種の広葉樹材全てを利活用(プロダクトアウト)できるようにするため、基盤となる情報を共有する場としてプラットフォームを設立する。(左の図)

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ーーー参考資料

林野庁広葉樹チームの取組実績(各地の広葉樹利活用に取組む事業者へのヒアリングまなど・・・右の図

主なヒアリング先と聞こえてきた声・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・右の図

里山広葉樹利活用推進プラットフォームで実施したいことーー里山広葉樹利活用推進プラットフォームでは、以下のことに取り組みたい。

里山広葉樹の価値の再定義(資源・環境・文化など)
里山広葉樹の利活用・再生に取り組むことの意義を広く社会に発信し、一般消費者・企業の関心・理解の醸成、国産広葉樹製品の選択的利用と需要創出を促す。

川上(森林)~川中(加工)~川下(需要)の情報分断解消
需要側の情報(樹種、製品に必要な規格・品質等)と、供給側の情報(伐採予定の情報、樹種別の量、価格等)をとりまとめ、これらの情報を相互に共有。

小規模・分散的主体でも参加できる取引・協働の場の提供
広葉樹の供給側と需要側のビジネスマッチングや、川上(森林)と川下(商品)が協働した魅力的な商品企画づくりの場等を提供。

政策とビジネスをつなぐ橋渡し・政策提言
広葉樹の伐採や加工に関する専門人材の育成、資源把握や施業技術の開発、政府へ
の政策提言。

プラットフォーム設立のスケジュールーー令和9年春9年春、再生機構の発足予定

林野庁サイト:里山広葉樹プラットフォーム構築に向けて

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((◎国有林のこれから))

イントロ:国有林の今

その1 分布と組織など(右の図)

その2 大切な役割(左の図)

その3 国有林が核となった集約化など(右の図)

(国有林のこれから・森林づくりの視点から)

・次世代の望ましい森林へ誘導が本格化する中、面的な広がりにおける多様な森林配置への誘導など国有林が先導的な役割を果たすことが重要。

・ このため、条件のよい人工林における主伐・再造林の推進に加え、複層林施業や里山林等の利活用を通じた再生などに取り組むとともに、具体の施業にあたっては、広葉樹の保残や民間団体と連携した取組など、生物多様性保全に向けた取組を国有林が率先していく必要

(同上・地域林業の視点から)

・ 集積・集約化の促進、林業経営体の育成に向けては、面的・量的にまとまった国有林の役割が重要。

・森林共同施業団地を核とした改正森林経営管理法の推進への貢献、立木販売による林業経営体の育成等の取組を推進する必要。

(同上・木材需給の視点から)

・持続可能な木材生産に向け、国産材の一定量を供給する国有林への期待が大きい。

・地域への木材の安定供給や国産材の需給動向に応じた供給調整を行う必要。

・また、持続可能な木材取引に向けた相場観の形成に役立つ立木販売結果の公表を効果的に行う必要。

(同上・グリーン・シェアリング)

〇「昭和100年」の機運を盛り上げるため、全国の国有林において、記念分収造林を実施しています。

〇「昭和100年記念分収造林」では、特に、多様な樹種を育て、豊かな環境を育み、次世代へ引き継ぐ責任を分かち合うことをコンセプトにした分収造林を「グリーン・シェアリング」と名付け、様々な企業等の参加による分収造林の導入を進めます。

グリーンシェアリング候補地一覧表(左の図)

長崎屋報告は以上です

林野庁長官になられて1か月、急遽作業をいただきました、本当にありがとうございましたーー

(((トークセッション)))

((from藤原))

まず藤原から2つのコメントと質問をしました

4つの章立て、今後の森林政策に係る長官の思いを分かりすくご説明たいただきました。

参加の皆さんが色々お聞きになりたいことがたっぷりあるので、トップバッターの私の方からは、勉強部屋が取り組んできた個人的な観点から2,3ご質問します。

C&Qfrom藤原1:クリーンウッド法

プレゼン資料14ページの「合理的な価格形成に向けて」において、「クリーンウッド法の仕組み等を活用し、国産材の合法性・持続性を市場に訴求し、輸入材価格に左右されない国産材の合理的な価格形成が図れるサプライチェーンの構築が重要。」との記述があります。「需要サイドの環境意識のたかまり」を背景とした大切なテーマだと思います。勉強部屋が追いかけてきたテーマなのでコメントがあります。

(合法性と持続可能性)

プレゼン資料でも「合法性」と「持続可能性」の2つコンセプトが並んでいます。この2つは利用木材のポジテイブな性格を示してしていますがはコンセプトは少しちがいます。

東京オリパラとか、大阪関西万博の木材調達コードなどでは、持続可能な木材調達というコンセプトで、①合法性をトップとした5つの要件(①合法的に伐採されたもの、②計画に基づいて管理された森林由来のもの。➂生態系が保全された森林由来のもの、④先住民や地元住民が権利がされていること、⑤伐採労働者がの安全管理が適切なこと)が定着しつつあります。

合法性は、持続可能性の一つの要素です。グローバルな木材の調達基準は、合法性から持続可能性に移っています。

私はクリーンウッド法(以下CW法)の動向を気にしていて、CW法についての説明会などがあるたびに、主催者である林野庁の担当者に聞きます。「現在のCW法がクリーンな木材だと認識しているのは合法性ですか、持続可能性ですか?」。

担当者の回答は、「現在CW法は合法性だけに対応しています」です。そして、「法律に定められている施行後3年の見直しの際に再度検討してまいります。」(42-24年12月の説明会での答弁)とも言われています。

是非CW法の対応手法を、少し古い合法性から、大きな流れになっている「持続可能性にステップアップしてください

{いかがでしょうか?}という質問です

Afrom長崎屋長官 :持続可能な木材のサプライチェーンに関して

ご指摘の点のポイントは、コストですね。、持続可能性を確認してサプライチェーンをつないでいくのに、どれだけコストがかかるか、というのが重要なポイントです。これがなかなか現時点では難しいのではないでしょうか?

それからもう一つ、生産をになう事業体がどれだけ、持続可能な生産形態になれるのか、ご指摘に労働安全の話など、森林施業とすこちがった側面、クリーンウッドとも違う側面のことが期待されているのでないでしょうか。ご指摘の点は大切な点っですが、クリーンウッド法よりもっと幅広い視点で解決すべきことだと思います

コメントfrom藤原

コストに関してですが、やり方は工夫すれば色々コストを下げる方法はあると思います。万博の時にリングを作った業者の方などとも、議論したりしましたが・・・。

持続可能性5つのハードルを繰り返しましが、(①合法的に伐採されたもの、②計画に基づいて管理された森林由来のもの。➂生態系が保全された森林由来のもの、④先住民や地元住民が権利がされていること、⑤伐採労働者がの安全管理が適切なこと)、についてはすべて、素材生産事業者が情報提供できる情報です。

CW法で素材生産事業者が、木材事業者の求めに応じて報提供をしなければならなくなっているので、少し工夫して、持続可能性の5点のハードルに関して、情報提供できるようにすれば、木材事業者のサプライチェーン管理は、現在行っている通りのことをやっていけば、そんなに大変なことではないように思います。

25年のCW改正の時から3年たったあらためてその時点で検討します、と言われているので、丁度良いチャンス

大きな課題であることは間違えありません。大きな社会の流れと、林業のサプライチェーンがマッチする重要な局面で、クリーンウッド法の仕組みが生かされる局面なので、是非クリーンウッド法の取扱いをステップさせてください。

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Q&Cfrion藤原テーマ2 国有林のこれからーグリーンシェアリング

:「昭和100年を記念する」という大きなコンセプトの企業と国有林の連携のツールでしょうが、進捗状況はいかがですか?(森林管理局別に公募状が公表されているようですが、現在公募は行っていませんという局が2局ほどありますが、9月4日締切という局の公募が現時点で行われているところもあります)、

当初の想定通りのインパクトありますか?今後のスケジュールも含めてお聞きしたいです。

Afrom長崎屋長官

国有林のグリーンシェアリングの提案は、伐採地が多い九州が多いとか、全国一律ではないですが112箇所件ぐらい公募し、現時点で45件ぐらいが応募で、埋まっています。

森林管理局署が管理していますが。まだ、一般企業との関係が薄い面があり、PRが進んでいないという面があります。

これを100年目の1年で終わらせることなく、毎年繰り広げていくという形で、民間と国有林の連携を広げていければと思っています。

トークセッション締めの言葉from藤原

少し細かい点についての、具体的な提案質問もしましたが、基本的には解ったという、お答えをいただいたと思いっています。よろしくお願いします

それでは、林政ジャーナリストの会鈴木敦子副会長お願いします

コメントfrom鈴木氏

人口減少は避けて通れない一方、林野庁が進める「森業」「グリーン・シェアリング」「里山広葉樹利活用・再生プラットフォーム」などの新たな取組には、企業や都市住民など、これまで森林との接点が薄かった人々を巻き込む可能性を感じます。

自分のNPOで森林再生活動(Present Tree)をやっているよりも、林野庁に就職した方が面白い森づくりができるのではないか?と思えたほどです。

Qfrom鈴木氏

Present Treeを続ける中で、近年、森を手放したいという森林所有者が増えていることを痛感しています。

人口減少時代の森林・山村を考えたとき、企業をはじめ、林業関係者以外の多くの人々に長く森やその管理に関わってもらうことが必要です。

「林業の担い手になるところまではいかないが、単なる寄付者だけで終わるのでもない」その中間層としての「森林関係人口」を巻き込むようなプラットフォームについて、何か構想はお持ちでしょうか。

Afrom長崎屋長官

難しい問題です。熱心な林家の方が森を手放すような時代になっています。

熱心で真面目な林家だからこそ、森をきれいに手入れして、その状態のまま誰かに譲りたい、管理してほしいというニーズもあります。これに対する特効薬は、すぐには思いつきません。

Qfrom鈴木氏

イメージしているのは、「林業版おてつたび」(御手伝い(仕事)をして旅をする)のようなことです。林業のプロではない人が、数週間~数ヶ月の短期間、本業の閑散期などに職場を離れ、林業の助っ人として森に入る。そんな関わり方も考えられないでしょうか。

Afrom長崎屋長官

熊本県庁にいた時、当時の蒲島知事から「県有林を、森で活動したい人たちに分け与えよ」と言われたことがあります。当時、担当課長としてはお断りしましたが(笑)、一定期間、森に興味がある人たちに預ける発想は面白いと思います。

各県に林業大学校がありますが、林業に入ろうとする若者の中には、将来「山林王」になりたいと思う人たちが意外に多い。そういう人たちが10年くらい現場で学んだ後、山林経営者になっていくという視点は絶対に必要だと思っています。

現場での雇用を増やすというだけでなく、山林経営者をつくっていきたい。

また、一般企業が意外と山林を所有しています。そうした森林の利活用策を林野庁で考え、その企業が周辺の森林の保全・管理にも関わっていくような仕組みも考えたい。そこから、これまでにない森林や林業の魅力が生まれればいいと思います。

Qfrom鈴木氏

もう一点、国有林について伺います。

私も林政ジャーナリストの会として、国有林野事業業務研究発表会の審査員を務めていますが、そこで、あまり一般には知られていないさまざまな試行錯誤や努力に触れる機会があります。

そのような国有林の取組の中で、例えば樹種、混交のさせ方、伐採面積、更新方法、林齢構成などを含め、“防災力の高い森林づくり”を科学的エビデンスに基づいて整理・標準化するところまで来ているのでしょうか?

「森林の根系が表層崩壊を防ぐ効果」については定量的な研究も進んでいるようですが、それを再造林や森林施業に落とし込んだデータを。私は見たことがありません。

もし、国有林にそうした知見が蓄積されているならば、民有林でも活用できる形で公開していただきたいというニーズはかなりあると思います。 

Afrom長崎屋長官

あると思います。ただ、我々自身がそういう視点からこれまでの施業を総括してきていない。かなりいろいろなことをやってきているはずなので、少し調べてみたいと思います。最近は現場の森林官も若返っていて、チャレンジングな取り組みもしています。

コメントfrom鈴木氏

気象災害が頻発する中、森林の公益的機能の中でも、防災・減災は企業や一般の方々にも非常に理解されやすい価値だと思います。

そこに貢献したい、資金を出したいという企業も少なくありません。ぜひ、国有林に蓄積されている知見を見える形にしていただければと思います。

ーーートークセッションはここまででした

((皆さんからの質問))

Q :生物多様性を高める林業のインセンティブを高める手法として、価値を評価できるようになることは素敵なことだと思いますが、ラベリングなどに関心を持つのは、まずは公共部門、上場企業、環境NGOなどではないかと思います。一般的な木材消費者に訴求するアイデアがありますか?

Afrom長崎屋長官:川上ではラベリングをすれば販売が進むとされる方もいますが、難しい問題です。ラベルが何を主張しているかなどが伝わらないとラベルを貼っても意味がありません。
日本は森林経営計画制度などがしっかりしているので、逆に環境ラベルは解りにい面があるかもしれません。
消費者の健康に関連する食品の有機農業のラベルングなどと比べると林産物の環境ラベルは消費者の関心が薄いかもしれません。
最終的なターゲットは消費者なので、消費者に分かりやすいラベル構築の検討をしていきましょう。普及のポイントは川中でもあるので、そちらもターゲットにして。

Q:森林の外国資本等による占有が一部地域で問題になっているケースが見られるようですが、安全保障上の観点からの国土並びに森林の保全等に対しこの基本計画はどのようなスタンスをとっているのでしょうか。

Afrom長崎屋長官:調査してみると、外国人(資本)の森林所有問題は、(北海道が多く他は少ないなど)地域偏在していて、いまのところ大きな問題はありません。現在の課題は所有者の国籍というより、大規模太陽光発電など大規模開発問題です

Q:シカ対策は災害と考えれば、現在防護策にヘクタール150万以上かかっている費用が国負担となれば50万円程度の森林所有者の所得が確保できますがいかがでしょうか。

Afrom長崎屋長官:シカ問題は重要です。頭数を減らさなければならないのですが、難しい。鹿ネットの普及を補助する制度がありますが、現在のその要件は植栽されていることです。ただ、天然更新を支援する意味でも植栽されていないところに鹿ネットを取り付けることに助成をしてよいのでないかと思っています。

Q:立木価格を国有林が意図的に民有林において再造林可能と思われる価格で設定するようなことをして、価格をけん引することはできないでしょうか? 荒唐無稽に近いとは思いますが、市場に任せていくだけでは進まないのが現状なのではないかと思うので。

Afrom長崎屋長官:国有林の立木価格は、競争入札なので難しい課題です。応札数の多い場所は価格が高いなど、競争が働くか否かや、林地の条件によって価格が異なることは間違いないので、国有林のどのような条件のところの価格を訴求していくかなど、検討の余地はあるかもしれません

Q スギやヒノキが100年生くらいまでそれほど成長が衰えないということがわかってきました。
また、生物多様性等森林の多面的機能のためには高齢級の方が優れていると考えられています。今後伐期齢を伸ばすことが必要ではないかと思いますが如何でしょうか。

Afrom長崎屋長官: 現在の伐採傾向が続いても人工林は高齢級化していくので、森林行政の施策として「高齢級化」というコンセプトを入れる必要はないと思いますます、

Q 森林生態系の多様化、国産材のサプライサイドの強化、といいたご提案を心強く思いました。一方で、こういっ基盤となる森林調査能力について民間事業体を育成するため、調査事業体の認定制度などの創設は如何でしょうか。

Afrom長崎屋長官:重要なご指摘だと思います。調査の門戸を広くして、逆に技術を評価する事業体の認定制度など検討を進めたいと思います。

Q 巻き枯らし間伐施業は間伐補助金対象となりますでしょうか、可能性につてお聞かせください

Afrom長崎屋長官:現在、間伐補助金の対象ではありません。自治体によって、一部に助成対象となっている可能性はあるかもしれませんが

Q スマート林業とか、林業DXとおか、新しい技術を導入する動きがありますが、どんな方向ですか?

Afrom長崎屋長官:ハーベスターやフォワーダーなどの自走式機械などスマート林業の機材は導入が拡大しているがその機能が十分に利用されていない、という課題があるようです。
林業の現場に携帯電話の電波が届かない、域外エリアという問題とも関係しています。
低軌道衛星を活用した衛星インターネットサービススターリンク(Starlink)を活用した林業・森林政策は、高速・低遅延の通信環境をもたらし、林業のDX(デジタルトランスフォーメーション)と安全性向上を劇的に推進する政策・施策として大きな可能性があります。

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クロージング

鈴木氏:希望に満ちたお話でした。ありがとうございました。
日本の人口同動力人口が減っていく中で、森林の関係人口だけは、少し増えていくだろう、というという思いのこもったお話でした。最後の質問、森林関係人口は増えますよね!?

長官の答え、ハイ増えます !

藤原:素晴らしい話だったです。ありがとうございました。
最初の質問と重なりますが、CW法の話は日本の森林をよくするためという文脈でお話をされましたが・・・日本の政策は世界から見られています。是非グローバルな視野で見ていただきたいと思います。
CW法をステップアップして、世界に輝くCW法にして下さい

長崎屋長官:林野庁は、業務上、森林や木材をしっかり見てきたが、人を見ていないというお面があるのでないかと思います。人がなければ森林の管理も発展もないのですね。
林野庁の業務上の所掌は意外と狭いので、他の省庁や民間の方々と幅広く連携をして、仕事をすすめてまいります。
よろしくお願いします、

(拍手!!!)

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答えられなかったQについて、以下に整理します

Q:(ご要望)オープンデータ化の進捗で取り上げていただきました森林の情報に関してですが,森林認証制度(SGEC/PEFC,FSC)における認証林についても,全国単位でWeb上にて情報が得られるようにしていただきたいです。(現在だと、各市町村地域の管理単位では図面が存在しており,個別で入手する必要があります。特に,都市部の木造化に当たっては,トレーサビリティの透明性の確保は非常に重要であり,クリーンウッドの合法性証明ではなく,認証材が求められるケースが多く,高付加価値化や非住宅での国産材需要増に極めて有効であると考えます。

A:林野庁で行っている森林関連情報のオープンデータ化は、社会公共的に公開が求められている森林関連情報について、情報を保有する都道府県から林野庁が収集した民有林の情報と林野庁が保有する国有林の情報を整理・統合し、全国一元的に公開しているものです。森林認証に関する情報の公開は、情報を保有する森林認証制度運営団体において、森林所有者の理解を得ながら実施することを検討すべきものと考えます。

Q 農地でやっている筆ポリゴン(衛星画像などをもとに作成した、日本全国の農地の区画情報データ)を林地にも広げてほしい
「地理空間情報活用推進基本法」が公布されてから来年で20年になります。
現段階で踏査をして取得した座標から地番がわからないことが多いことや、使える林地筆界ポリゴンが極端に少ない林業現場がこれからワクワクするような政策を期待しております。森林所有者にも価値を感じる合理的な価格形成と森林の価値を筆ごとにお示しできると地域の実行力が育つと感じています。林野庁が新しくデザインされているデジタルと情報についてご教示いただけると幸いです。

A 農地筆ポリゴンは、農林水産省統計部が標本調査として実施する耕地面積調査等の母集団情報として整備したものを基とするデータであり、空中写真データをGISのマップ上に表示し、目視で判読した筆ごとの形状に沿って手作業で作成しているということです。農地と異なり、林地は空中写真や衛星画像で区画(所有界)を判別できないため、農地と同様に区画情報を整備することは困難であり、筆界と地番を明らかにする地籍調査の進捗を待つ必要があります。

Q: 特久留米市田主丸財産区は急傾斜地ですが戦後からの施業計画法の下で770haの針葉樹人工林を管理しております。
長官のお話は明るい話題が満載ですが、国内の森林現状を考えれば地域間に於いてはかなり施業計画は違いがあって当然だと思います。 特に急傾斜地の戦後に植林されて木は単位面積当たりの重量はかなりのトン数が有り、豪雨災害時に於いてはリスク管理が難しいのが実態です。 地方自治体に於いてはこれらの問題を議論できる技官も限りがりますので何とか国からの人財育成を早急にお願いしたいと思います。

A:地方自治体において森林・林業分野を担う技術職員の育成・確保は重要な課題と認識しています。
地域林政アドバイザーや森林総合監理士などの育成、市町村職員への技術支援、研修機会の充実等により、地域の森林管理を支える人材確保に取り組んでまいります。

Q:森林資源に関し、施工する状態で人工林630万haの意味、根拠はあるんでしょうか?現状8万haきって半分再造林しているとして、400万減るのは100年先です。再造林をして林業を頑張ろうとしている人にネガティブなメッセージにならないでしょうか?

A:森林・林業基本計画では、将来にわたり多面的機能を高度に発揮していくため、森林の現況、自然条件、地域の経済社会の要請等を踏まえながら、適正な整備及び保全により、多様で健全な森林づくりを進める必要があるとしています。この基本的な考え方に基づき、約1,020万haの人工林のうち、自然的・社会的条件が良い林業適地については、将来にわたり森林資源の循環利用を進めるとともに、林業適地以外については、針広混交林化等により天然林への移行を図ることとし、多面的機能が持続的に発揮される理想的な森林の状態として参考に示している「指向する森林の状態」における人工林の面積を630万haと設定しています。
この面積は、森林生態系多様性基礎調査(NFI)のデータを基に、林地生産力等の自然的条件、車道や集落からの距離等の社会的条件を勘案して設定したものです。
一方で、現在伐採が行われている森林の多くは、条件が良く循環利用を図るべき森林であると考えられますので、こうした森林における再造林の推進は引き続き不可欠と考えています。このため、再造林の実効性を高めていくため、レーザ計測等による森林資源情報を活用しながら、市町村森林整備計画において林業適地を効率的施業森林区域等に確実に設定し、主伐後の再造林に向けた施策を重点化してまいります。

以上でした、

(((今後の勉強部屋のZOOMセミナーなど)))

勉強部屋のZOOMセミナー開催から5年たち、、25回となりました。(参考:勉強部屋ZOOMセミナー開催経緯)

その記念すべきイベントに、就任したばかり(1か月)の林野庁長官が登壇!!

このすべらしい実績をふまえて、ZOOMセミナーは方向性になっていくのかな?今後のZOOMセミナー開催の流れにどのような、インパクトを与えるかな?

今後検討を進めていきますが、産学官民みなさんにとって、もちろん先進的な事例を学んでいく場であることは間違えないのですが、議論をする場になるようにしっかり考えてまいります

皆さんもいろいろご意見くださいね(→こちらからどうぞ)

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(日本林政ジャーナリストの会と連携)

今回から、今後の森林の在り方や林政の進むべき方向を、ジャーナリスト活動を通して提起している日本林政ジャーナリストの会と共催しています。当団体の情報発信力をおかりして、勉強部屋のイベントの普及を拡大してまいります。

(森未来と連携)

素晴らしい内容を多くの方の共有できるように、持続可能な森づくり向けたビジネスネットワーク構築を進めている株式会社森未来さんと、共催企画としています。

zoomの設定とか、皆さんへの案内、アンケートの回収など、大変お世話になりました。

持続可能な森林づくりをメインのコンセプトにした、ビジネルの可能性はどんな方向?興味深いですね。

今後ともよろしくお願いします

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