地球環境問題と森林の20年− 「林業技術」誌12月号の小論 (2003/1/1)

1万名を超える会員と70年の歴史を持つ日本林業技術協会の機関誌「林業技術」の12月号に「地球環境問題と森林の20年」という小論が掲載されました。

地球サミットから10年たってヨハネスブルグサミットが行われましたが、10年間を総括し、熱帯林の破壊から森林条約の設立へと問題提起された森林政策の国際化の課題の展望を語ろう、という問題意識で執筆したものです。

今後我が国の林業技術者としては「エコマテリアルとしての木材生産機能を保全する国際的課題」という形で、この問題に取り組んでゆくことが重要であるとの主張です。

12月中旬に刊行されてから10数年間お会いしていない大先輩から電話をもらうなど「林業技術」の、それも「論壇」というページの影響力の大きさを再認識しました。

自分で設定した課題が大きすぎたことや、関連する話題がてんこ盛りになっているため、ちょっと小難しくてよくわからないとのご批判があるようなので(編集部からラフな写真という依頼があったので、我が家の愛犬とのツーショットを載せましたが、「あれだけはよかった。」という辛辣なご意見もありました(^_^;)。) 

あらすじを整理しておきます。

ご関心のある方は本誌をご覧ください。

地球環境問題と森林の20年
ー森林管理国際化とエコマテリアルとしての木材問題
林業技術 N0.7202002.12

1 地球環境時代の森林

(1) 限界に達した地球
小サイトで紹介した、南極の氷柱のco2濃度のグラフを林業関係者に紹介。(これだけでも小論の意味があると思っています。)
循環社会に向けた、パラダイム変換の必要性

(2) 循環社会についてのハーマンデイリーの三原則と持続可能な森林経営
循環社会に向けて世銀の経済学者ハーマンデイリーが三つの原則を提示しているが、循環社会の中で木材の役割や持続可能な森林経営の国際的課題が重要であることを示している。(この点は小論のオリジナルなポイントだと思っています)

2 地球環境問題と森林の国際化の20年

(1) 地球環境問題としての森林
地球環境問題の主要な課題に森林が幅広く関係している。

(2) 森林の国際化を巡る20年
気候変動条約、生物多様性条約で森林に関して議論されている中で、残った部分は何か。(ちょっとこの辺が駆け足になっていてわかりづらかったかなーと反省)

3 森林管理国際化の今後の課題


(1) エコマテリアルとしての木材生産機能を保全する国際的課題
貿易制限につながる課題であり政治的には困難な課題だが、日本が議論を提起しなければ・・・

(2) 森林管理国際化としての森林認証問題
資源国が国際的な森林管理の必要性を受け入れるのは歴史的にいっても消費者の圧力であり、森林認証などもその一環。(重要な点だと思います)

4 おわりに
木材輸入大国である我が国の林業技術者の役割は重要

 

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