気候変動枠組み条約COP26と森林(2ー本体の会議結果)(2021/12/15) | |
10月31日から11月13日)まで、英国・グラスゴーにおいて、国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)、京都議定書第16回締約国会合(CMP16)、パリ協定第3回締約国会合(CMA3)が行われました。 国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)、京都議定書第16回締約国会合(CMP16)及びパリ協定第3回締約国会合(CMA3)の結果について(環境省) GLASGOW CLIMATE CHANGE CONFERENCE – OCTOBER-NOVEMBER 2021(UNFCCC公式ページ) ーーーー このページでもCOP26の期間中に開催されたリーダーズサミットで合意された、森林共同宣言について報告しました。
それでは、本体のCOP26で議論された内容で森林に関係あることがらは? 林野庁の出席者の報告を、フォレスト―カーボンセミナーCOP26当報告会に出席して聞いたので、これに基づいた報告します。 (COP26で合意した内容の全体像) 下の図は、日本政府(環境省)がネット上に掲載している(12/11現在)COP26交渉結果の全体像を示す図です。 225名の政府からの参加者の中で、林野庁から出席したのは5名(だそうですー昔はもう少し多かった?)のうちの2人の報告。 その報告は、5つの●のなかの●市場メカニズムと●透明性枠組みの2つです。 報告の順に概要説明します。 まず、「報告①COP26における森林関連分野の動きー透明性枠組みを中心に」に関連する報告です (パリ協定「強化された透明性枠組みETF」と森林のガバナンス) 「気候系に対して危険な人為的干渉を及ぼすこととならない水準において大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させる」という気候変動枠組み条約の目的(2条)に向けて、京都議定書では国ごとに削減量明記しましたが、パリ協定では、それはせず、「国が決定する貢献(NDC)」として5年毎に提出・更新する義務、を規定しています(4条2項)。 それをフォローするため、パリ協定第13条は、各締約国が取組みを事後的に報告し、国際的なレビュー・検討を受けるための「強化された透明性枠組み」(ETF: Enhanced Transparency Framework)を規定。 そのために毎年排出量がどうなっているか排出目録・インベントリ(NIT)を提出し、2年に一回隔年透明性報告書(BTR:Bilateral Tranceperacy Report)) 今回その様式などがやっと正式決定されたのだそうです。(先進国と途上国が同じ報告枠組みになった) 下の図が赤字が、今回の報告にあった、森林に関係する部分です。 LULUCFは 「土地利用、土地利用変化及び林業部門(Land Use, Land Use Change and Forestry HWPは伐採木材(Harvested Wood Products) 現在も毎年インベントリが提出されてます。(その中の2021年森林関係部分第6章 土地利用、土地利用変化及び林業分野 [PDF 1.7MB]) これらは、今までの枠組みにしたがって報告されたのでこれが今回の決定でどのようにかわっていくのか?・・・・ 日本の国際的な枠組みがどのように達成され、森林や木材の取り扱いに、市民の生活とどのような関係になっていくのかな? この辺について、少し説明をしていただきましたので・・・、勉強して今後報告してまいります。 (市場メカニズムと森林ガバナンス) COP26の一番のトピックスは、市場メカニズム【COP26速報】「1.5℃」強調、クレジットのルール(市場メカニズム)合意 パリ協定上の市場メカニズムとは、各国が「国の決定する貢献NDC」を実施する過程で、他の国で実施した削減・吸収の活動に資金支援をした場合、削減吸収の量に応じて資金に応じた自国の貢献をしたことしてカウントすることができるとするシステムです。 特に森林分野の「途上国の森林減少劣化に由来する排出削減等(REDD+)」の円滑な実施のために重要な手続き。(右の図) パリ条約では、第6条で2つの方式を規定しています。 6条2項協力的アプローチ(締約国が独自に実施している取組をパリ協定で認めるシステムー日本の二国間クレジット制度JCMなど) 6条4項国連管理型メカニズム(パリ協定の管理下でトップダウン的に実施するメカニズム(京都議定書のCDMに類似)) (6条8項はその他の途上国支援(非市場アプローチ) あるプロジェクトが、実施された国、実施を支援した国の両方に貢献し二重計上しないように等、など、(当然ですが)厳しいガイダンス・規則が決められました。(削減努力を回避するため市場メカニズムが働くので反対!という意見があるので厳密な取り扱い!!) 今後実施過程が隔年透明性報告書などで報告されることとなります。 今回一連の情報収集をするなかで、途上国の森林保全を支援する日本企業の素晴らしい事例の紹介を受けました。 「ジャカルタ水源地のグリーンウォールプロジェクト」(コンサーベーションインターナショナル) この炭素市場メカニズムに関する国際的取り組みの要件は、二国間のクレジットだけでなく、民間企業の取引や、環境パフォーマンスデータ開示などの基準としても重要な指針となるでしょう。(右の図) 民間のパフォーマンスが国の報告とどのような関係になっていくのか、都市における木材利用は・・・など、今後の作成過程でフォローしてまいりますネ。 (質疑) 報告会でQ&Aから質問する時間があったので、気になってることを質問。 木材の利用促進に関連する議論はありましたか?(ありません) (参考情報) What COP26 Means for Forests and the Climate(World Resources (World Resources Institute) kokusai2-83<fccccop26> |
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