気候変動枠組み条約COP23と森林(2017/12/24) | |
11月6日から17日まで「国連気候変動枠組条約第23回締約国会議(COP23)」、「京都議定書第13回締約国会合(CMP13)」、「パリ協定第1回締約国会合第二部CMA1-2)がドイツのボンで開催されました。 再来年の実施にむけてパリ協定の実施規定についての議論が進められました。 国連気候変動枠組条約第23回締約国会議(COP23)、京都議定書第13回締約国会合(CMP13)及びパリ協定第1回締約国会合第2部(CMA1-2)の結果について(環境省) 12月15日日フォレストカーボンセミナーCOP23等報告会(森林分野)(国際緑化推進センター)が開催されたので出席してきました。 石内 修氏(林野庁 森林整備部森林利用課 国際研究連絡調整官) (パリ協定実施詳細ルールまでの道筋) パリ協定に関する国連の交渉は締約国会合COPのほかに、補助機関会合SBSTA、パリ協定締約国会合CMA、パリ協定特別作業部会APAという3つの会合があります。(気候変動に関する国連交渉の構造(外務省) 森林に関する議論は、①各国の削減目標(NDCs)の(中の森林管理の位置づけなどに関する)あり方、情報提供、積算方法に関する3つのガイダンスに関するものをAPAでおこない、②(途上国の森林保全などへの先進国の民間支援資金などに関連した)市場メカニズムに関しては補助機関会合SBSTAで、2018年まで議論をしていくこととなっていますが、石内報告では前者の実施指針の議論について報告がありました(石内報告図1) 石内報告図1 実施指針に緩和策として森林の部分をどのように記載するのかガイドラインが作成されるようですが、京都議定書の今までのルールが適用できるのか、新しく入ってきた途上国の今まで京都議定書で管理されてきた先進国とが同じルールになるのか、違うのか(二分論)などが関心の的になっているという話でした。今回の議論の中身はすべて非公式ノートFCCC/APA/2017/L.4/Add.1に掲載されているのだそうです。 森林問題はLULUCF(「土地利用、土地利用変化及び林業部門(Land Use, Land Use Change and Forestry))というキーワードの中で議論されますが、来年5月に開催されるSBSTA48 APA1-6で伐採木材製品の取り扱いなどに関する議論も含めて最終的な決着になるようです。 (REDD+と市場メカニズムにおける主要課題) 気候変動枠組み条約におけある森林に関する議論の中で重要なのは、途上国の森林の管理に資金を提供する国際的な枠組みがREDD+ですが、昨年に引き続き大仲 幸作氏(林野庁 森林整備部計画課 海外林業協力室 課長補佐)の報告がありました。 昨年の大仲報告で、民間資金との連携など結構大きな課題があり、実施ルールの交渉の中で次第に明らかになってくるだろう、という以下の説明がありました。
いずれにしても、来年いっぱいできめられる各国の目標NDCづくりの方策の中で、REDD+の成果がどのようにカウントされていくのかなど、けっこう重要な課題だと思います。 (日本発の情報発信) COP23ではCOP23 ジャパンパビリオン の中で、10 月30 日に発表した「日本の気候変動対策支援イニシアティブ2017」、Innovation for Cool Earth Forum(アイセフ)による我が国のイノ その中で、森林に関するイベントは、①熱帯におけるマングローブ:気候変動緩和と適応に対する潜在能力の実現、(森林研究・整備機構及び国際熱帯木材機関(ITTO)の共催)、②民間セクターとの連携によるREDD+の推進(森林研究・整備機構主催)の二つだったようですでした。 報告会のなかで、前日の森林環境税の与党税制大綱の決定に関連して、「こんな動きを紹介したのか」と質問してみました(もちろんずっと前のイベントなのでそんなことがあるはずはないのですが)。「日本国民が森林吸収源対策のために毎年6億ドルの税金を支払うことに同意した」というのはどこの国にとってもビッグニュースなので、来年ポーランドで開催されるCOP24では、どうしたらこんなことになるのか、という大きなシンポジウムをやったらどうでしょうか? kokukusai2-59(unfccccop23) |
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