生物多様性条約COP12と森林の地球規模生物多様性概況(2014/12/21)

生物多様性条約第12回締約国会議(COP12)が、10月6日(月)〜17日(金)に、韓国のピョンチャンで開催されました。

生物多様性条約第12回締約国会議(COP12)及び名古屋議定書第1回締約国会合(COP-MOP1)の結果について(環境省)
生物多様性条約会議(CBD・COP12)に関するWWFの声明
生物多様性条約本部関連ページ(英文)

 

今会合で重要だったのは、2010年のCOP1で決められた生物多様性長期計画2011-2020(愛知目標)の達成状況を中間時点で評価するものとして、地球規模生物多様性概況第4版(GBO4)が公表されたことです。

地球規模生物多様性概況第4版(GBO4)の公表について(お知らせ)
Global Biodiversity Outlook 4

その内容な、「ほとんどの愛知目標の要素について達成に向けた進捗が見られたものの、緊急的で有効な行動がとられない限り、そうした進捗は目標の達成には不十分。現時点で達成が見込まれるのは愛知目標11(陸域の保護地域面積)、16(名古屋議定書)及び17(生物多様性国家戦略の改定)のみ。」(環境省プレスリリース)とされています。

(森林に関連する目標の達成状況評価)

愛知目標のうち森林に関するものは、指標5、7、11、15であり(林野庁)それぞれの評価は以下のとおりです。

目標  目標の要素  状況  コメント
5    森林の損失の速度を半減するか、ゼロに近づける  3    森林伐採の速度は一部熱帯地域で著しく低下したが、非常に大きな地域差がある
 全ての生息地の損失を半減するか、ゼロに近づける  2    生息地の種類によって異なる。一部のバイオームについてはデータが不足。
 劣化や分断化が著しく減少 1    あらゆる種類の生息地について、分断化と劣化が継続
 7  生物多様性の保全を確保するような林業地域の持続可能な管理 3    森林認証や判定基準の指標は増加している。認証された森林はほとんどが北方の国々におけるものであり、熱帯諸国の進展は非常に遅い。
 11  陸域及び陸水域の少なくとも17%の保護  4    保護地域の指定に関する現在のコミットメントを踏まえれば、目標は達成される見込み。陸水域の保護は別個の問題。
 15  劣化した生態系の15%以上の再生による気候変動の緩和・適応や砂漠化対処への貢献  3    多くの取り組みが進行中だが、劣化した生態系の15%を再生するかどうかの評価は困難

5:目標を超えて達成する見込み (期限より前に達成する見込み)
4:目標を達成する見込み (このまま進めば2020年までに目標を達成する見込み)
3:進捗しているがその速度は不十分(努力を強化しない限り目標年までに目標を達成できない)
2:全体としては大きな進捗なし(全体として、目標に近づいても遠ざかってもいない)
1:目標から遠ざかっている(むしろ悪化している)

全体で55目標要素のうち、超過達成の5が1 達成見込みの4が4 努力が必要の3が33、進捗なしの2 が10、悪化しているの1が5、評価できずが3となっています。

森林に関する指標も全体も、よほどの努力をしないと目標に達せないという評価になっています。

kokunai3-41<HmakerG2>
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