1 森林は様々な分野と生活を支え、グリーンエコノミーの基盤である
森林の産物とサービスは10億人以上の生活を経済的に支えており、多くは途上国の貧困者である。木材、紙、木質繊維製品は地球上のGDPの約1パーセントと僅かな部分であるが、他方で、森林に由来する公共財は1兆ドルの単位で推計される経済規模である。森林は地上の生物種の50パーセントを支えており、炭素の固定流域の保全を通じて地球規模の気候を制御している。林産業の生産物は、再生可能性、リサイクル可能性、生物分解性という点で、価値のあるものである。このように、森林は地球の生態的な基盤であり、森林産物とサービスはグリーンエコノミーの重要な構成要素である。
|
2 限定的な民間の利益のための森林の短期間での破壊が基盤を揺るがしており、阻止しなければならない。
森林減少の速度は少し減速の兆候はあるが、いまだに一年間に13百万ヘクタールと危険な規模が続いている。ネットの森林減少は5百万ヘクタールとなっているが、これは新たな人工林造成により緩和されているもので、人工林は天然林よりも生態系サービスの提供力が劣るものである。森林の減少・劣化の大規模に起こっている背景は、木材の需要と、換金作物、放牧地など他の土地利用からの圧力である。これらの「フロンティアアプローチ」は、投資アプローチとちがって、森林生態系サービスと経済的な機会が失われることを意味している。森林破壊を止めることはよい投資であり、森林破壊を防ぎ気候変動を制御することは、他の3つの要素のコストを5割上回ると推計されている。
|
3 REDD+の体制による国際的国内的な交渉は、森林を保全しグリーンエコノミーに貢献する重要な機会である。
現在のところ、森林に由来する公共財に投資し、公正で持続可能な森林生産を保証するための明快で国際的な制度が構築されていない。この様な制度は、持続可能な森林管理の長期的な達成に貢献する財政や政策の実現を支援するものであり、現時点で持続可能な管理の定義の曖昧さを解決することになりだろう。森林の公共財の管理は新しいタイプの森林に関する雇用や、所得を生み出すこととなり、森林住民が森林と生態系管理の管理者となることができる。REDD+の基準や効率的な現地での森林管理のシステムがや地元住民の利益実現の方法が、明らかにされる必要がある。
|
4 取って代わるべきあるいは拡大されるべき試行された経済政策と市場の存在
認証木材の仕組み、熱帯雨林の製品認証、生態系サービスに対する支払い、利益共有制度、共同体を基礎とするパートナーシップなど十分なグリーンエコノミーに関する事例がある。それらの事例は総括され、生態系サービスに応じて評価され、普及されるべきである。この章でその部分に貢献している。
|
5 天然林と人工林への投資が経済的利益を生み出す
グリーンエコノミーのモデル化作業によれば、僅か毎年400億ドルの造林や森林管理のための所有者への支払いという投資が2010年から2050年にかけて続けられると、木材工業の付加価値がそうでない場合に比べて20パーセント増加すると見込まれる。その上森林の炭素蓄積は28パーセント増加する。これらの投資は農業の投資の効率性も生み出すので、森林の拡張が農業生産と競合することもない。しかしながら、人工造林の拡大は、所有権が曖昧な貧困な農民の移転を伴わないよう、また、地元住民に別の利益を得られるように慎重に計画されるべきである。
法制度と管理システムの変更し森林及び競合する分野に依然として残る持続可能でない行為から決別することが、持続可能な森林管理に向けたバランスの改善のために必要である。
よく管理された森林は生態的な管理の基盤をなすものである。たとえば、対価を最大化するための資産クラスとして認めさせる必要がある。これらの対価は、炭素貯蔵、生物多様性保全、水源の保全など公共財とサービスであり、国の勘定制度の中でこれらが反映する必要がある。民間の森林材はそれが持続的な生産されるならば、経済社会的な利益である。持続可能な森林管理とグリーン投資の拡大は持続可能でない違法な木材や木質繊維製品との競合や、放牧農業、鉱業など競合する土地利用への政策誘導の危機にサラされている。にんじん(人材育成への支援、持続可能な森林管理のための独立した認証制度)とムチ(違法伐採とその取引に関する厳しい規制など)が必要である。また、森林が悪影響を受けている他の分野の政策見直し、例えば、農業に対する補助金のコストと利益に関する見直しが必要である。 |