コペンハーゲン会合の中の伐採木材製品についての合意(2010/1/31

地球温暖化防止に関する森林吸収源の議論の中に伐採木材製品に固定された炭素を含める議論の行く末に関心があり、昨年12月コペンハーゲン会合の報告会に出席しました。

国際緑化推進センター平成21年1月:「CDM吸収源事業説明会 −COP15等報告会−」に林野庁担当者の報告資料が掲載されています。
COP15,CMP5コペンハーゲン会合における森林関連の議論林野庁研究・保全課赤堀聡之
COP15、COP/MOP5での植林CDM、REDD関連の議論について林野庁海外林業協力室武藤信之

既報のとおり、伐採木材製品に関しては、途上国が主張するオプション1(この部分を削除、すなわち現行ルールを継続し伐採木材製品を吸収源とはみなさない)と先進国が主張するオプション2(木材吸収分は収穫された森林所有国に計上、いわゆる生産法) の2選択肢が併記されているのでその行く末を質問してみましたが、この部分が全く削除されることにはならないのではないか、との感触でした。

該当の特別作業部会(AWG-KP会合)の報告書FCCC/KP/AWG/2009/L.15パラ21を和訳をしてみました。

伐採木材製品

21 付属書Tの締約国(先進国)は、以下の炭素貯蔵庫の全ての変化を計上しなければならない。地上の生物バイオマス、地下の生物バイオマス、リター、倒木、土壌有機物及び(伐採木材)(括弧付きで記載:選択肢を示す)。ただし、締約国は約束期間内にある貯蔵庫が排出源でないという透明で検証可能な情報が提供できる場合は当該貯蔵庫を計上外とすることができる。
21bis 略

伐採木材製品

オプション1 伐採木材製品の節を削除

オプション2 21terから21noviesまで

21ter 京都議定書第3条により森林吸収源として計上されている森林からから生産された木材からの排出については、木材生産国に計上することとし、伐出時点で排出に計上するか(default通常)あるいは、検証可能・透明性のあるデータが利用可能な場合、排出推定時点で計上する。
勘定は、伐採された森林を起源とする伐採木材と定義され、締約国の排出吸収の一部を構成する。

21quater京都議定書第12条により森林吸収源として計上されている森林からから生産された木材からの排出については、伐出時点で排出に計上するか(default通常)あるいは、検証可能・信頼性のあるデータが利用可能な場合、排出推定時点で計上する。勘定は、伐採された森林を起源とする伐採木材と定義され、その排出吸収は森林造成事業の活動に帰属する。

21quinquies木材の計上は国内において生産され消費された伐採木材製品の貯蔵庫のみの排出推定時点を基礎とし、また、輸出された伐採木材製品の貯蔵庫の排出推定時点を基礎とすることができる。

21sexies伐採木材製品からの排出量の推計は、製品のカテゴリー及び国内市場と輸出市場おける計算根拠を明確にする。

21septies輸出された材については、輸入国における木材の動向に関する当該国独自のデータに基づき、輸出された国ごとに報告されるべき。

21octies 廃棄物処理施設に埋設された木材はその時点で排出とする。

21novies(括弧付き:未合意) (90年以降)2007年12月31日以前に収穫された伐採木材プールからの約束期間中の排出は、上述と同様の方法で計上しなければならない。

21decies 付属書Tの締約国は参照レベル及び約束期間における伐採木材製品の取扱については一貫していなければならない。また、そのために必要な場合は勘定の調整をし、俣その調整の方法を報告しなければならない。

文書番号 FCCC/KP/AWG/2009/L.15
Report of the Ad Hoc Working Group on Further Commitments for Annex I Parties under the Kyoto Protocol to the Conference of the Parties serving as the meeting of the Parties to the Kyoto Protocol at its fifth session

所在アドレス http://unfccc.int/resource/docs/2009/awg10/eng/l15.pdf

kokusai2-35<HWPcop15>

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