現在時点での全国森林計画が策定された2021年6月以降現時点までの情勢変化をしっかり反映すべきであるという視点から、1グローバルな動向への対応(1-1気候変動2050カーボンニュートラル(以下CN)への対応、1-2生物多様英条約COP15での合意事項への対応など)、2国内の新たな動向への対応(2-1企業の森づくりへの対応、2-2企業の木材利用への対応のど)に分けて、以下の通り意見を提出します。
1 グローバルな新たな動向への対応
1-1 気候変動2050CNへの対応
2050CNにむけて2021年10月「地球温暖化対策計画(閣議決定)」、22年10月「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材利用の促進に関する法律」(木材利用促進法の施行)などを十分に反映する必要があると思います。
(1)再造林の重要性を指摘する部分で、CN関連事項を記載すべきです。
具体的な事例は以下の通り
P1,l7
充実した森林資源を活用すると同時に計画的に再造成すべき段階にある。
→
充実した森林資源を活用すると同時に(以下加筆)カーボンニュートラルなどを見据えて(以上加筆)計画的に再造成すべき段階にある。
P9-l13
さらに、花粉の発生源となるスギ等の人工林の伐採・植替え等を促進する。
→
さらに、花粉の発生源となるスギ等の人工林の伐採・(以下加筆)吸収量増加を念頭においた(以上加筆)植替え等を促進する。
P11-l16
木材需要にも配慮した樹種を選定する。
→
(以下加筆)吸収量の増大・(以上加筆)木材需要にも配慮した樹種を選定する。
P11-l20、
苗木の選定については、成長に優れたエリートツリー(第2世代精英樹等)等の苗木や花粉の少ない苗木の増加に努める。
苗木の選定については、(以下加筆)吸収量の拡大も念頭に(以上加筆)成長に優れたエリートツリー(第2世代精英樹等)等の苗木や花粉の少ない苗木の増加に努める。
(2)脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材利用の促進にむけて、木材利用者向けのメッセージを発出すべきだと思います
具体的な事例は以下の通り
P16-l14から
「木材加工・流通体制の整備については、地域における木材の需給や森林資源の保続を確保する取組の実施状況等も踏まえて、木材加工流通施設の高効率化、規模拡大、工務店等との連携による特色ある取組等を通じ、建築、土木、製紙、エネルギー等の多様な分野における需要者のニーズに即した品質や強度性能の明確な木材製品を低コストで安定的に供給し得る体制の整備の推進に努める。」
→
「木材加工・流通体制の整備については、地域における木材の需給や森林資源の保続を確保する取組の実施状況、(以下加筆)利用木材の炭素固定量の見える化の状況(以上加筆)等も踏まえて、木材加工流通施設の高効率化、規模拡大、工務店等との連携による特色ある取組等を通じ、建築、土木、製紙、エネルギー等の多様な分野における需要者のニーズに即した品質や強度性能(以下加筆)・環境性能(以上加筆)の明確な木材製品を低コストで安定的に供給し得る体制の整備の推進に努める。」
1-2 生物多様性条約COP15合意事項などへの対応
22年12月COP15で合意された「昆明・モントリオール生物多様性枠組」の内容(陸地の30パーセントを一定水準で関する陸地にしていて管理(30by30)を踏まえたなど)を踏まえて、23年3月生物多様性国家戦略などが作成されました。企業などの活動を前提とした「OECM(保護地域以外で生物多様性保全に資する地域)」(以下「OECM」という)など新たな動きが出てきており、これらの動向反映したものとしたらどうでしょう。
具体的な事例は以下のとおり
P3-表1生物多様性保全機能欄
属地的に機能の発揮が求められる森林については、生物多様性保全機能の維持増進を図る森林として保全する。
また、野生生物のための回廊の確保にも配慮した適切な保全を推進する。
→
属地的に機能の発揮が求められる森林については、生物多様性保全機能の維持増進を図る森林として保全する。(以下加筆)OECMなどに関連企業などの動きも視野に入れる。(以上加筆)
また、野生生物のための回廊の確保にも配慮した適切な保全を推進する。
P9-l10
また、森林の生物多様性の保全の観点から、野生生物の営巣、餌場、隠れ場として重要な空洞木や枯損木及び目的樹種以外の樹種であっても目的樹種の成長を妨げないものについては保残に努める。
→
また、森林の生物多様性の保全の観点から、(以下加筆)OECMによる企業の取組動向なども視野に入れ(以上加筆)野生生物の営巣、餌場、隠れ場として重要な空洞木や枯損木及び目的樹種以外の樹種であっても目的樹種の成長を妨げないものについては保残に努める。
P13-l21
その設定に当たっては、自然的社会的経済的諸条件を総合的に勘案して、森林所有者が受忍し得る範囲内で定めなければならない。
→
その設定に当たっては、自然的社会的経済的諸条件を総合的に勘案して、森林所有者の(以下加筆)意欲を尊重するとともに、所有者が(以上加筆)受忍し得る範囲内で定めなければならない。
P29-第5表4欄
(エ)希少な生物の保護のため必要な森林
→
(エ)希少な生物の保護のため必要な森林
(以下加筆)(オ)OECM(以上加筆)
なお、生物多様性の記述に関して以下の注釈の記述を修正すべきだと思います。
p2-末尾
「注: 全国森林計画においては、森林の有する国土の保全、水源の涵かん養、自然環境の保全、公衆の保健、地球温暖化の防止、林産物の供給等の多面にわたる機能のことを「森林の有する多面的機能」と表現し、このうち、林産物の供給に関する機能以外の機能を「森林の有する公益的機能」と表現する。」
→
「注: 全国森林計画においては、森林の有する国土の保全、水源の涵かん養、自然環境の保全、公衆の保健、地球温暖化の防止、(以下加筆)生物多様性保全(以上加筆)、林産物の供給等の多面にわたる機能のことを「森林の有する多面的機能」と表現し、このうち、林産物の供給に関する機能以外の機能を「森林の有する公益的機能」と表現する。」
2 国内の新たな動向への対応
企業の環境パフォーマンスデータ開示などの動きをうけて、企業関係者の森づくり、木の利用の関する関心が広がっています。これらの関係者が次世代森林づくりにかかわる重要性が高まっているのでそのことを反映した記述とすべきだと思います。
2-1 企業の森づくりの関係の記述
企業の環境パフォーマンスデータ開示などの動きをうけて、企業の森づくりへの関心が高まっています。そのことを踏まえた記述を加えたらどうでしょう。
具体的事例は以下のとおり
P16-最終行
さらに、自伐林家をはじめ、地域住民やNPO等の多様な主体による森林資源の利活用等を進める。
→
さらに、(以下加筆)森づくり企業(以上加筆)自伐林家をはじめ、地域住民やNPO等の多様な主体による森林資源の利活用等を進める。
なお、1-2で記載したOECMに関する加筆の提案も、この趣旨もふくめての提案ですのでよろしくお願いします。
2-2 建築関係者・企業の木の利用と森林ガバナンスとの関係
脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律(通称:都市(まち)の木造化推進法)などの動きを反映し、顔の見える木材供給体制構築など建築関係者の木材利用の関する動きが広まり、ビッグビジネスの本社ビル木造化などの動きが広がっています(きづかいシンポ2020での投稿海上日動火災保険(株)本社ビルの木造化など)これらの動きを森林の再生など循環利用につなげていく必要があると思います。関連した記述を追加すべきだと思います
具体的な事例は以下の通り
P16-l24(4)木材加工・流通体制の整備の次
(5)その他
→
以下を加筆します
(5)消費者・需要者
木材利用促進に取り組む事業者が、利用する木材の合法性・跡地の再造林・持続可能性などを担保するため、木材の履歴(トレーサビリティ)を明確にするように、「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」にもとづく建築物木材利用促進協定などの運用を進める。
(6)その他
以上加筆
以上ですなど)これらの動きを森林の再生など循環利用につなげていく必要があると思います。関連した記述を追加すべきだと思います
具体的な事例は以下の通り
P16-l24(4)木材加工・流通体制の整備の次
(5)その他
→
以下を加筆します
(5)消費者・需要者
木材利用促進に取り組む事業者が、利用する木材の合法性・跡地の再造林・持続可能性などを担保するため、木材の履歴(トレーサビリティ)を明確にするように、「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」にもとづく建築物木材利用促進協定などの運用を進める。
(6)その他
以上加筆
以上です
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