平成26年度税制大綱における森林吸収源対策(2013/12/14) |
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12月12日平成26年度与党の税制大綱が公表されました。 国の財政の骨格である予算と税制は年明けの通常国会で予算案、税額を定める法律の改正案という形で議論されますが、その内容は、前年の暮れに,、予算案の方は財務省が作成した予算案が閣議されるのに対して、税制改正案は与党の税制大綱という形で公表されるのが(自民党が与党である場合の)通例です。 自民党税制調査会が減税施策を握りたがる理由とは【争点:アベノミクス】 各利害関係者から寄せられる要望を、関係する省庁が取りまとめて作成した税制改正要望について、自民党の税制調査会が審議して大綱の作成が進むのですが、その過程が、予算に比べるとオープンなので、税制調査会が開催される会議室の入り口での利害関係者の動員合戦などが報道されることがあります。自民税調 軽自動車税引き上げなど決定 そのような中で、今年度自民党の税調で最後の日まで議論が続いたテーマの一つに、森林吸収源対策の財源確保に係る税制措置(農林水産省)がありました。 地球温暖化対策として、CO2吸収源である森林の整備(森林吸収源対策)は、エネルギー起源CO2排出抑制対策とともに重要な役割をはたしています(政府が決定してCOP19に報告した温室効果ガス削減目標2005年比3.8%のうち、吸収源対策が2.8%を占めているのだそうです)が、平成24年10月導入された、地球温暖化対策のための石油石炭税の税率の特例措置(CO2排出源である化石燃料に課税)では、現在、その税収は「エネルギー対策特別会計」に入り、エネルギー起源CO2排出抑制対策のみに充当されているので、「地球温暖化対策のための税」の活用(使途に森林吸収源対策を追加)等による森林吸収源対策に充てることのできる税収枠を創設するように、というものです。 この提案に対して、経団連など経済界の主要な団体が、「地球温暖化対策税の使途拡大等に反対する」としおて大反対運動を繰り広げました。 「地球温暖化対策税は、受益者負担の考え方の下、エネルギー起源CO2排出抑制のための費用負担を化石燃料利用者に課していることから、その税収を森林吸収源対策に充てることは、受益と負担の関係を損なうこととなる。」などと しているものですが、受益者負担というよりは、汚染者負担というべきで、化石資源を利用して温室効果ガス排出に関与している人が、温暖化対策の負担をするのは当然で、その用途は排出削減、吸収源対策あらゆる効果的な方策のうち、効率的なものに優先配分をしていくということではないでしょうか。 経済界はすでにきまっている課税の拡大にも反対(温暖化対策税に関する意見)で、「十分な税額が確保されている」といいながら、「用途拡大に反対というのは」説得力にかけるところです。 今回の税制大綱では当該部分は、以下のとおりです。
専門化チームの検討となるようですが、文字通りの検討である理屈の上での整理とともに、財源の取り合いのようになったしまっている現状で、幅広い理解をもとめるネットワークがどのように構築できるのかが、ポイントとなるでしょう。 地方の行政や議員との幅広い連携は全国森林環境税創設促進連盟などの形で長い間に構築されてきています.. その上で、JAPIC]など経済界の主流派の中で森林整備に関する関心の高まっている(「林業復活・森林再生を推進する国民会議設立」)動きを受けて、この議論がどのように発展していくか、日本発の森林管理の情報発信としても教示深いものです。 kokunai4-39<youtokakudai> |
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