カーボンオフセットなどの資金調達システムと森林経営を巡る動向 (2013/11/24) | |
カーボン・オフセットとは、「市民、企業、NPO/NGO、自治体、政府等の社会の構成員が、自らの温室効果ガスの排出量を認識し、主体的にこれを削減する努力を行うとともに、削減が困難な部分の排出量について、他の場所で実現した温室効果ガスの排出削減・吸収量等(「クレジット」と呼ばれる)を購入すること又は他の場所で排出削減・吸収を実現するプロジェクトや活動を実施すること等により、その排出量の全部又は一部を埋め合わせること」と定義され(環境省我が国におけるカーボン・オフセットのあり方について(指針))、森林の管理による二酸化炭素の吸収量の増分がクレジットとして認知されており、森林管理に対する資金調達チャンネルとしての可能性をもっています。 クレジットの信頼性の普及を支援する政府が関与した制度として、京都議定書目標達成計画に対応した国内クレジット制度(森林吸収源は取り扱われていない)と、自主的なオフセット制度を対応した森林吸収源などをむくむオフセット・クレジット(J-VER)制度の二つの制度が平行して実施される状況が続いてきましたが、今年度から両制度を統合した新たな制度として新しくJクレジット制度 が開始されています。 農業経済誌(昭和堂)12月号の特集:森林大国ニッポンの行方――森林政策の将来ビジョンを描くに、「カーボンオフセットと森林経営、地球環境保全レジームの中での森林への資金投入の可能性」というタイトルの小論が掲載されています。 2010年度林業への公的資金4107億円、生産林業所得2255億円が10年前に比べると6−7割になっている状況の中で、始まったばかりのカーボンオフセットまた生物多様性オフセットという、地球環境の仕組み由来の森林に関する投入が市民権を持つものか?というのが問題意識です。 取引額全体のデータは少ないですが、カーボンオフセットフォーラムでオフセット・クレジットの市場動向などを参考にすると、30億円程度が投入されている計算したうえ以下の様に指摘しています。
出版社の了解を得て、全文を掲載します。 kokunai4-37<offsetshikin> |
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