環境負荷と環境貢献の「見える化」と木材(2008/10/11) | ||
林野庁が「木材利用に係る環境貢献度の「見える化」検討会」を開催することとなり、9月22日に開かれた第1回検討会の結果が林野庁のHPに掲載されれいます。 この出発は福田ビジョン「低炭素社会にむけて」の「環境負荷の見える化」ですに端を発したカーボンフットプリントです。(小サイト「福田ビジョンと低炭素社会の構想」参照) (カーボンフットプリント) 福田ビジョンでは「製品や食品の製造から輸送、廃棄に至る過程で排出されるCO2を測定して商品に表示する、カーボン・フットプリント制度」の「国際的なルールづくりに積極的に関与して、そして、わが国の国内での削減を進めるために、来年度から試行的な導入実験を開始し…そのための準備を関係省庁に指示する、(2.国全体を低炭素化へ動かすしくみ (見える化))」として環境負荷の見える化のための手段としてカーボンフットプリントを提唱し、7月29日にはこの内容が「低炭素社会づくり行動計画」で閣議決定されました。 これを受けて、経済産業省では「カーボンフットプリント制度の実用化・普及推進研究会」が開催され、ガイドラインの作成などの作業が始まっています。 10月8日付けで「カーボンフットプリント制度のあり方について(指針)」(中間とりまとめ案)が公表されパグリックコメントに係っています。中間取りまとめ案は制度の背景、国際動向や趣旨が要領よく記載されていてるので、一読をお勧めします。 製造・輸送・廃棄改定の二酸化炭素排出量を商品に表示して消費者に選択の判断材料を与えるという、カーボンフットプリントは、基本的には製造過程の環境負荷の少なさを売り物にしていた木材については重要な契機となる可能性があります。 また、5年前に出発したウッドマイルズ研究会としては、自分たちがやってきたことが、見える化の先例として評価されることになる可能性がある動きだともいえます。 中間取りまとめについては、@木材のような中間財で用途が特定されていないものの利用過程環境負荷を表示する難しさと表示の意味、A木材などに固定された炭素の燃焼による排出量の取り扱い、B木材の固定した炭素量の表示の可能性、Cウッドマイルズ研究会の蓄積など、いろいろ論点のあるものであり、この勉強部屋としても意見を提案したいと考えています。 (木材利用に係る環境貢献度の「見える化」検討会) 林野庁が開催することになった今回の検討会のメンバーには全木連から小生も登録されていますが、ウッドマイルズ研究会の滝口さんが参加しており、それ自体が見える化に取り組んできた研究会の5年間の成果といえます。 ポイントは、「環境負荷の見える化」でなく「環境貢献度の見える化」が課題になっていること。 同じ「見える化でも、木材の場合は、@木材が炭素を固定すること、A省エネルギー資材であること、B森林整備に貢献することという三つの環境貢献があるということが開催趣旨です。 これらをどう、カーボンフットプリントの取組にあわせて表現していくかが検討会のポイントになります。また、カーボンストックといった場合、合法性証明などトレーサビリティも問われることにもなります。 これからも、小サイトでこの検討会の動向や、カーボンフットプリントはフォローしていきます。 kokunai4-7<mierukakentoukai>
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