「地域材活用木造住宅振興事業」と木材のトレーサビリティ(2010/1/31)

1月28日に成立した今年度の国の第二次補正で、国土交通省は地域材活用木造住宅振興事業を実施することとなり、公募情報が掲載されています

木造展示住宅の建設、木材生産現地研修会の開催に助成するという内容ですが、国土交通省が地域材活用を推進するロジックは何でしょうか?

09年6月に施行された「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」では、「国産材(国内で生産された木材をいう。以下同じ。)の適切な利用が確保されることにより我が国における森林の適正な整備及び保全が図られ、地球温暖化の防止及び循環型社会の形成に資することにかんがみ」(4条3項)と規定され、社会政策、環境政策としての位置づけが与えられています。

産業政策でなく環境政策として木材の活用をとらえた場合、「木材なら何でもよいのか」という議論をクリアする必要が出てきます。

その点についての回答が地域材活用木造住宅振興事業手続きマニュアルの以下の部分です。

「1.1 木造展示住宅の建設」における補助の要件「産地証明等がなされている地域材」については、次のイからホまでのいずれかに該当するものとします。
イ都道府県により産地が証明される制度又はこれと同程度の内容を有する制度により認証される木材・木材製品(例:○○県産材認証制度など)
ロ森林経営の持続性や環境保全への配慮などについて、民間の第三者機関により認証された森林から産出される木材・木材製品(例:森林管理協議会(FSC)、PEFC森林認証プログラム(PEFC),「緑の循環」認証会議(SGEC) など)
ハ林野庁作成の「木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン」(平成18年2月)に基づき合法性が証明される木材・木材製品
ニ産地、加工種などについて、民間の第三者機関により認証される木材・木製品(例:木材表示推進協議会(FIPC) など)
ホ上記イからニまでの方法によらず、企業等の独自の取組(森林の伐採段階から納入段階等に至るまでの流通経路等の把握など)によって、確実に産地が証明される木材・木材製品

今後、木材利用推進に関する法律などの議論が進んでいく中、重要な論点です。

kokunai6-22<kokkosyowood>

 

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