森づくりのJクレジットー最近の動向(2026/9/20)

8月下旬に静岡で共同取材にいったとき、取材対象の山十さんでもJクレジットが話題となり

同行したジャーナリストの会の知人にも、自社のJクレジットに取組まれている方もいたので、その方の情報も整理して、追って報告します。とお約束していたので、Jクレジット最新動向をご報告しますー。

上の図は、林野庁のJクレジット制度という解りやすいページに掲載しされているものです、

((森林分野のJクレジットとはな何か?))

上の図にそって、当該ページの説明に応じて、ご説明します

森林所有者・森林管理者がJクレジットの創出者(上の図の右側の緑の〇。創出者が「健全な森林の育成」をして、森林のCO2の吸収量を拡大した場合(上の図の右の右向きの緑の→)、その結果をJクレジットの吸収量として認定されます。

自社の排出削減に取り組む企業がJクレジットの購入者(上の図の左側の緑の〇。創出者は認定されたJクレジットを購入者に販売できます。(上の図の真ん中の矢印2つ)、

購入者は自社のCO2排出量に対する削減量としてして、購入した吸収量を使って(削減しきれず排出される温室効果ガスの埋め合わせ=オフセットして)自社の、カーボンニュートラルを実現することが出来ます。

という素晴らしいシステムです

(どうしたら創出できる?ー森林分野のJクレジットの作り方)

J−クレジット制度では、排出削減・吸収に資する技術ごとに、クレジットの創出にあたって必要な「適用範囲、排出削減・吸収量の算定方法及びモニタリング方法」等を規定したものが「方法論」として定められています。

このうち、森林分野(森林管理プロジェクトでは森林経営活動FO-001」・「植林活動F0-002」・「再造林活動F0-003」の3つの方法論があります。(本文はこちらから

殆どが、間伐などを行った森林の吸収量をカウントする、森林経営活動FO-001です

(森林分野のJクレジットの位置づけ)

Jクレジット自体は、森林分野以外に、創出者が自社の、省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO2等の排出削減量など手法がいろいろあって、森林吸収より、解りやすいので、認証量や、販売量で比べると、他の分野のほうが、圧倒的に多いです。

それを示す、右の図は、J−クレジット制度事務局作成データ集に記載されていた、認証量と販売量の分野別比較表。緑が吸収量、赤が再生可能エネルギ、青が省エネ装置への転換です。緑が少ない

ただし、左の図の森林管理プロジェクトによるクレジット認証量の推移のように、最近森林分野のJクレジットの認証量が多くなっています・・

(森林分野のJクレジットのメリットー「非炭素プレミアム価値」)

森林吸収系Jー クレジットを創出した森林プロジェクトは、オフセット・クレジットとしての排出削減価値 だけではなく、様々なSDGs課題の解決につながる多様な便益(コベネフィット)を有 しています。

例えば、生物多様性の保全(ネイチャー・ポジティブ)、水源の涵養 (ウォーター・ポジティブ)、資源の循環利用(サーキュラー・エコノミー)、地域経済へ 貢献等であり、これら付加価値は非炭素プレミアム価値と呼んでいます。

排削減系クレジットにはない森林吸収系Jークレジットの非炭素プレミアム価値が訴求 されることで、その取引が選好され、その販売収益が森林整備の財源として活用され るとともに、それを購入する需要家が投資家や顧客・消費者からも評価されるような 好循環が創出されることが期待されます・・・

以上は、林野庁の「非炭素プレミアム価値」を訴求するための手引きから、でした。ぜひご覧下さい

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((森づくりJクレジット事例報告))

(東亜建設工業株式会社の森林分野のJクレジット )

共同取材に同行された、東亜建設工業株式会社(以下東亜建設といいます)の担当部長が自社のJクレジットのとりくみについて、話をされました。同社のHPから紹介しますね

森林クレジット事業による生態系保全と脱炭素への貢献に以下の記述が

 当社は、森林由来カーボンクレジットの創出・販売を通じて地球温暖化防止に資することを目的として、中国木材株式会社と共同で、
@森林由来J−クレジット(以下「森林クレジット」)※発行のための調査・モニタリングを実施すること、
A創出された森林クレジットの一部を当社が購入・取得し、資金循環による森林整備促進への協力及びカーボン・オフセットに活用することに合意し、
2024年度から熊本県五木村及び奈良県上北山村での森林クレジットの創出と販売を実施しています。

@はJクレ発行のための調査を実施するのですから、創出者の立場ですが
Aは、クレジットの一部を購入、購入者の立場???

プレスリリース東亜建設工業と中国木材が森林クレジットの創出でコラボレーション〜適切な森林管理・経営の推進でSDGs達成に向けた新たな一歩〜には、以下のような情報が

 基本合意
森林クレジット創出の共同作業
以下で創出する森林クレジットの26%(約1/4)を東亜建設工業が購入・取得

対象森林
中国木材が所有する社有林2カ所
・熊本県球磨郡五木村  約262ヘクタール
(森林クレジット初年度創出量見込み:年間1,700トン程度/クレジット発行開始予定:2025年1月)
・奈良県吉野郡上北山村 約185ヘクタール
(森林クレジット初年度創出量見込み:年間1,200トン程度/クレジット発行開始予定:2025年12月)

実施期間
2024年8月〜2033年3月

Jクレジットの創出者と、購入者、そして、森林クレジット事業による生態系保全と脱炭素への貢献というHPのタイトルにあるように、森林分野のJクレジットのメリットー「非炭素プレミアム価値」の最前線に取組む会社ですね

もともとこの会社は、海洋土木工事を得意とする建設会社、海洋土木で培った技術と知見を活かし、海洋環境の改善とブルーカーボン(海洋生態系による炭素吸収)の創出に向けた取組みを進めて会社なのだそうですが、森林分野でのグリーンカーボンにも幅を広げてステップアップしようとしています。

その後、山口県岩国市で次のプロジェクトが始まったそうです。是非今後の進展も追いかけていきます

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(十山社の森林分野のJクレジット)

共同取材先、十山社のHP,「南アルプスカーボンクレジット」販売開始のご案内、というページに以下のような説明が

 ー.販売するJ−クレジットの概要

〇創出者 十山株式会社
〇創出地 南アルプス(静岡市葵区)社有林 (国立公園、南アルプスユネスコエコパーク、自然共生サイト認定地を含む森林 )
〇認証期間 2023年4月1日〜2024年3月31日
〇登録年月 2023年3月(登録期間2023年4月1日〜2039年3月31日)

.クレジット創出地における取組について

〇本クレジットは、十山株式会社が南アルプス地区に保有、管理する社有林(24,430ha)にて創出されたものです。この地には、トウヒなどの針葉樹や落葉広葉樹など多様な樹種による豊かな天然生林が広がっています。
〇弊社は、1895年の取得以来、100年以上に渡って、この森林を管理してきました。豊かな森林資本を「自然を守り、自然を生かす」の基本理念に基づき管理することで、森林の持つ多面的機能や生物多様性を高め、社会のサステナビリティ向上に向けた取組を行っています。
〇この取組を含めた適切な森林管理によって生じた二酸化炭素の吸収量が、今回Jクレジットとして認証されたものです。
〇この地の樹木は、かつて針葉樹を中心に建築材として使用されてきましたが、現在では、社有林内で開始したウィスキー製造における樽材などに活用する等の新たな取組も行っています。

昔も木材を生産していた井川山林で、エコパークとか、事前共生サイトなどに、努力してきた管理結果が評価され、「非炭素プレミアム価値」等も含めて、高く買われるのでしょうね

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