骨太方針2026の中の森林の未来・日本の未来(2026/8/3)

7月21日、「経済財政運営と改革の基本方針2026 「責任ある積極財政」元年 〜日本の挑戦を起動する!〜」(骨太方針2026)が経済財政諮問会議での答申を経て、閣議決定されました。

政府が毎年度定める「経済財政運営と改革の基本方針」の通称である、「骨太の方針」は次年度の予算編成の方向性を決定付けるもので、政府与党にとって「政策の羅針盤」

高市政権がどのような政策の方向性をうち出すのか?その中で、森林政策はどのように位置づけられているのか、みてみましょう。

ネット上には、内閣府の関係サイトに、三つのファイルが掲載されています。骨太方針2026本文概要(一枚紙右図)、PR資料―政策ファイル

いつもの通りですが、骨太方針は、4章立てです(昨年版の章立てと比較)

第一章がイントロ、第2章が各論、第3章が中長期的、第四章が次年度予算編成方針

   2026年  2025年
第1章  マクロ経済運営の基本的考え方  マクロ経済運営の基本的考え方
第2章  日本の成長力強化と安全・安心の確保  賃上げを起点とした成長型経済の実現
第3章  責任ある積極財政に基づく「中長期経済財政計画」  中長期的に持続可能な経済社会の実現
第4章  当面の経済財政運営と令和9年度予算編成に向けた考え方  当面の経済財政運営と令和8年度予算編成に向けた考え方

(イントロー第1章 マクロ経済運営の基本的考え方)

? 我が国の潜在成長率は、長年にわたる「未来への投資不足」により、主要先進国と比べて低迷。

? 主要先進国では、官民が連携して大規模かつ長期的な財政支出を伴う産業政策が大きな潮流。 経済財政運営の在り方そのものに関するコペルニクス的転回であり、我が国も、こうした時代の変化を踏まえた国家運営が求められている

? 投資不足の流れを断ち切るとともに、世界的な産業政策の大競争時代に対応していくため、「責任ある積極財政」の考え方の下、 「危機管理投資」や「成長投資」を大胆かつ戦略的に進め、中長期的な成長力強化につなげていく。

? 民間投資を引き出すために政府予算の予見可能性を確保する観点から、予算の作り方を根本から改める。 「強い経済」の構築と「財政の持続可能性」をバランスよく同時に実現。令和9年度(2027年度)を「責任ある積極財政元年」と位置付ける 

以上は、内閣府が作成した「経済財政運営と改革の基本方針2026」概要というファイル(右上の図をクリック)に記載されている、第一章にあたる部分の内容です。

すごいですね、、昨年までやってきたことは、未來への投資不足、それを高市内閣は転換する「責任ある積極財政元年」。(昨年は誰が責任者だったの?野党でなく自民党の石破総理)

さあ、積極財政の具体的手段の中で、森林関連政策はどのように位置づけられるのでしょうか。

(具体的政策の中で何が記載されているのか)

具体的施策が記載されてる第2章の構成は以下の通り

第2章 日本の成長力強化と安全・安心の確保 ―――――――――― 4
1.「強い経済」の実現
(1) 「日本成長戦略」の推進
(2) 成長基盤の強化
(3) 強い地域経済の構築
(4) 人材力の強化・人材総活躍
2.強い外交・安全保障の確立
(1) 外交力・安全保障・情報力の強化
(2) 経済安全保障の強化
3.国民の安全・安心の確保
(1) 防災・減災・国土強靱化の推進
(2) 東日本大震災・能登半島地震への対応
(3) 治安・安全の確保
(4) 外国人政策の推進

(強い地域経済の構築のなかの森林政策)

骨太方針、14ページ第2章、日本の成長力強化と安全・安心の確保 、第1節「強い経済」の実現(3) 強い地域経済の構築の中に以下の記述があります

「森林・林業基本計画」の下、森の国・木の街を目指し、循環利用の促進のため、森林集約や境界明確化、林業適地での重点的な路網整備や再造林、スマート林業、多様な人材・経営体育成、サプライチェーン強靱化、国産材転換・木材や木質系新素材の利用拡大を集中的に進める。」

森林・林業基本計画が引用されて、基本計画の政策二つの柱のうちの一つ、国産材の幅広い需要の創出とこれに向けた正の連鎖の構築が骨太の方針のこの部分にしっかり位置づけられていますね。(厳密にいうと、森林由来J−クレジットの活用等を通じて、人と森林との関係を深化させ、山村地域の所得の向上や豊かな森林づくりにつなげる森業、といった部分がはずれています。高市政権の脱炭素離れの一環かな)

というこことで、森林林業政策の中で、「強い地域経済の構築」に位置づけられそうな、木材の循環利用のにむけての施策については、予算が別枠の「強く豊かな日本投資枠」をつかった予算の検討が進む可能性がありますね。(勉強部屋の思い込み)

(国民の安全・安心の確保の中の森林政策)

ご案内のように森林・林業基本計画の政策の柱のもう一つは、国民の安全・安心を根底から支える多様で健全な森林づくりです

「国土強靭化に向けた治山対策・森林整備の加速、林野火災対策として延焼しにくい多様な林相への誘導や広報等の強化、クマ被害対策パッケージに基づく奥山の針広混交林化や里山林整備などの生息環境の保全・整備、花粉の少ない森林への転換を推進します

骨太方針でも、上記の通り、3.国民の安全・安心の確保/ (1) 防災・減災・国土強靱化の推進/ というセクションがあるので、その中どのように位置づけられているでしょうか?

(1)防災・減災・国土強靱化の推進
(令和の国土強靱化対策、防災対策の推進)「林野火災対応を始め消防防災力の充実・強化を進める」といった記述がありますが、・・・国土強靭化にむけえたストーリーの中に、国土の2/3を締める山づくりや治山事業の話は入っていません。

骨太方針2026の問題点ですネ。

(気候変動対策と骨太方針)

さて、「地球環境問題」などが骨太方針の中で、どのように関わっているのでしょう?

「森林吸収源」という言葉は、昨年の骨太方針では、2050カーボンニュートラルの文脈で1箇所ありましたが、同じ文脈(2050カーボンニュートラル)の文章は残りました(P9)が大幅簡略になり「森林吸収源」という言葉はなし

「気候変動」という言葉は昨年は4か所、今年は3か所ありましたが・・・、注意してみると、今年の「気候変動」という言葉は全部「気候変動「適応」」です。御案内のように気候変動への対策には、大きく分けて、気候変動の原因となる温室効果ガスGHGの排出量を減らす「緩和」と、すでに生じている、あるいは将来予測される気候変動の影響による被害を回避・軽減させる「適応」の2つがあります。

今年の骨太は、気候変動を防ぐためのGHGの排出量削減ではなく(GHG削減は気候変動とかかわりない?)、気候変動は当然のこととして、適応(熱中症対策など)に特化しています。

高市政権の森林政策、注意深く見守る必要がありますね

(高市総理へのメッセージ)

高市総理!!あなたが決裁した、たくさん閣議決定する各種の計画の中で、「100年前と、100年後を見据えた計画は、6月5日に決めた森林・林業基本計画しかありませんよ」(多分)。

『百年つづく「森の国・木の街」へ』日本列島を強く豊かに100年先の未来へ!!

毎年の骨太方針は、大切な手続きでしょうが、是非長期的な視野にったった、意思決定をよろしくお願いします。

また、3.国民の安全・安心の確保(1) 防災・減災・国土強靱化の推進という重要なスキームの中に国土の2/3を締める山づくりや治山事業の件を忘れないようにしてください。

さらに、日本と地球の未来のため、森林とカーボンニュウートラル実現に向けて、気候変動緩和対策よろしくお願いしますー

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