エコマークと木材(2004/2/15)<3-13> | |||||||||
今回公開された文書は、認定基準そのものも重要ですが、審議の過程、関連する技術的な記述内容など大変興味深いものです。ご一読を勧めます。 また、エコマーク事務局色々問い合わせましたが、懇切丁寧な説明をしてくれました。事務局提供の資料を掲載します(pdfファイル→主要な見直し箇所の概要と比較表) (エコマテリアルとしての木材) 基本的な視点として、木材関係者としては、「エコマテリアルの木材がなぜ@ACなど全てエコマークにならないか」という、点に立ち返ってエコマークの仕組みをみてみるという作業が必要があると思います。 この点についてエコマーク事務局色々問い合わせ議論をしてみました。 結局は、グリーン購入法の時の議論と同じなのですが、原則として、エコマークの認定基準については、「同様の機能特性を持つ製品の中で、商品のライフサイクルを通じての負荷が相対的に少ないレベル」を目標として策定することとなっていて、基本的に「木とプラスチック」「木と金属」など材料間での比較を行うようにはなっていない、というのが現状のようです。 事務局の立場に立つと、「際限のない産業間の争いに巻き込まれたくない」ということなのでしょうが、その辺に木材業界が立ち向かって行くには「材料間での比較を行った確固たるLCAデータ」の整備がもっと必要なのかもしれません。
とはいえ、この点を基調としたしっかりとしたパブリックコメントがなされて、どんなことが今後の論点になるのか「類型基準制定委員会」の公式な見解を明らかにしてもらうことが将来のためにも重要かと思います。 (認証材の定義) 今回の基準案で重要なのは、「認証材」という概念が基準の中に取り入れられてことです。 今回の基準の中の認証材についての以下の記述は、よく検討された内容で、今後のこの種の「認証を評価する基準」として重要なテキストになると思います。 いくつかの認証制度のうちどこまでをこの基準のカバーする範囲とするかは一つのポイントになります。「全国的・国際的に認知」というキーワードになっていますが、地域基準や我が国以外の一国基準など様々な認証制度ができてくる可能性があり、どこかで、上記の定性的な記述にてらして判断するプロセスが必要になると思います。 そういう仕組みさえあれば全国的に認知されたものである必要はないかもしれません。 (ウッドマイルズ) 今回の基準案を、最初に知ったのは、エコマーク事務局から、公開されている認定基準案の策定作業の中でウッドマイルズについて議論があり、その経緯が公開文書の中に記載されているということを、教えていただいたということがきっかけです。 基準案の解説という懇切丁寧な資料が公開されており、審議の過程が詳しく記述されています。その中に以下の記載があります。
基準の中にウッドマイルズが入らなかったのは残念なことですが、環境にこだわる消費基準の議論の中に、ウッドマイルズという観点が一つのトピックとして普通に入ってくるようになったということは、心強いことです。 また、認定基準作成時の議論の公開の程度など、大変丁寧なエコマーク事務局の対応は参考になりました。
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