地球の炭素貯蔵庫としての都市の木造ビル群―ネイチャーが掲載した論文(2020/12/10) |
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![]() Nature Sustainabilityという雑誌(があるんですね)に、Buildings as a global carbon sink(地球の炭素貯蔵庫としてのビルディング)と題する記事が最近(といっても今年の2月から)掲載されているという話を伺い、読んでみました。 イントロは、「今後数十年にわたってって世界人口の予想される成長と都市化は、新しい住宅、商業ビル、および付随するインフラストラクチャの建設に対する膨大な需要を生み出すだろう。
この建設の波に関連するセメント、鉄鋼、その他の建築材料の生産は、温室効果ガスの主要な排出源となるだろう。
そんなに森林から木材が生産されるのか?というのが、左の図4。現在の人工林でも大丈夫そうだけれど、保護林などをのぞいた森林を生産林にした場合のシミュレーション結果(右端)なども動員し、燃料用木材を建築用に、また竹材が大切等々、十分可能であることを説明しています。図4 木材の利用拡大が環境貢献という物語でかたられることが少ないのでき気にしていました。「新国立競技場」の木材利用。ロンドンに学びそれを超えて世界に何を発信するのか?(2016/1/17) そこに、ネイチャーという超有名なメディアに都市の大規模建築物群を木造にした場合の環境貢献の総説論文のような論文(83も引用論文が紹介されています(残念ながら日本人の論文はなかったみたい。公共建築物木材利用促進法でも引用して欲しかったです) 2月に公表されたようなので、日本の研究者の方はみんな知っている有名な情報なのかと思ってきいてみましたが、そうでもなさそう。 この論文が想定していなかったコロナ渦で都市化の進展がどうなるのか?人口減少の日本と増大の世界の違いで我が国にどんな影響があるのかなどいくつかの疑問もあります。また、持続可能な森林経営との緊密な関係性、加工を進める際の接着剤の環境性能、木材の廃棄するシステムの確立など、環境政策の中心に木材がなった場合の課題もたくさん。 学術的な意味での可能性を広げる重要な論文だと思います。 もちろん、現在の日本の重要な課題にとっても・・・ 関心のある方は是非お読み下さい。、 kokunai4-46<bldgGCSink> |
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