岸田首相の新資本主義と森林ーNY証券取引所での講演から(2022/10/1) |
訪米中の岸田文雄首相は9月22日(日本時間23日)、ニューヨーク証券取引所で演説し、看板政策「新しい資本主義」を推進することで日本経済を再び成長軌道に乗せるとので、「確信をもって日本に投資をしてほしい」と呼びかけました。 ニューヨーク証券取引所における岸田内閣総理大臣スピーチ(首相官邸) 前々から気になっていた新しい資本主義とはなにか?その中で森林政策、森林投資はどのような方向になっていく可能性があるのか? 岸田新総理の所信表明と森林の未来(2021/10/15) 日経新聞のサイトに「岸田文雄首相のニューヨーク証券取引所での講演全文」がのっていたので、丁度良い機会。海外投資を呼びかける現場での解説を紹介します。 (イントロ) 私は今から60年近く前、父の仕事の関係でニューヨーク市クイーンズ区に住んでいた・・・。 (ウォール街に来た目的) (新しい資本主義の構造と5つの課題) 大好きな大谷翔平になぞらえて言えば「新しい資本主義」の特徴はtwo wayだということ。「バッター」と「ピッチャー」のtwo wayならぬ「成長」と 「持続可能性」のtwo wayだ。 これからの課題は未来への投資を進め、次々と新たな価値が創造される経済をつくり上げることだ。日本の5つの優先課題を紹介する。 第一が人への投資:デジタル化・グリーン化は経済を大きく変えた。これから大きな付加価値を生み出す源泉となるのは、有形資産ではなく無形資産。中でも人的資本だ。だから人的資本を重視する社会をつくりあげていく。(ですから林野庁のサイトにあるように森林資源情報のデジタル化/スマート林業の推進のための人づくりが大切) 第2がイノベーションへの投資:人工知能(AI)、量子、バイオ、デジタル、脱炭素の分野の研究開発について国家戦略づくりを進めている。私が特に重視するのがスタートアップだ。現状への多様な挑戦者が生まれ始めている(ですから同上、多大な人員や時間がかかる広大な森林情報管理のため、「レーザ計測」などでデータ解析により地形を詳細に把握する事が大切) 第3はグリーントランスフォーメーション(GX)への投資:50年のカーボンニュートラル実現に向け、日本は経済、社会、産業の大変革に挑んでいる。この大変革は日本経済復活の大きなチャンスとなりブースターとなる。年末までに今後10年のロードマップを公表する。「成長志向型カーボンプライシング」と投資支援の組み合わせにより、まず国内において今後10年間 150兆円超のGX投資を実現する。(ですから:そのカギとなる森林投資は大切です) 第4に資産所得倍増プラン、日本には2000兆円の個人金融資産がある。現状、その1割しか株式投資に回っていない。資産所得を倍増し老後のための長期的な資産形成を可能にするためには、個人向け少額投資非課税制度(NISA)の恒久化が必須だ(ですから:米国で定着しているような森林投資ファンドなどが我が国でも活用されるようなシステムを急ぐ必要があります) 第5に世界と共に成長する国づくり、日本は世界各国と重層的な貿易・投資関係を持ち、包括的・先進的環太平洋経済連携協定(CPTPP)やインド太平洋経済枠組み(IPEF)を含む経済連携を積極的に推進している(ですから:木材の輸出にも取り組んでいます)) (最後に) 皆様、この会の締めくくりとして数点述べたい。 まず私は日本を私の子供時代に見たニューヨークのように、そしてこのNYSEのように豊かで活気のある国にしたいという強い意志を持っていることをお伝えしたい。 野球で一番盛り上がるのは逆転勝ちだ。私はきょうここに、日本の国民の協力を得て、日本経済を再生し、活性化すると伝えたい。(ですから:日本の森林投資のように、まだ、ほとんどの人が期待を持っていないが、グリートランスフォーメーションGXのカギを握るセクターでの投資が活性化してくることが「逆転勝ち」:新しい資本主義の典型的な成果です) ー−−− (注意書き「ですから:」の部分は岸田首相の発言ではありません。その文脈で岸田首相(曽祖叔父が台湾基隆の大きな岸田材木店創業者)が考えられているのでないか、との勉強部屋の想定です) 産業革命以来の化石燃料中心の経済・社会、産業構造をクリーンエネルギー中心に移行させ、経済社会システム全体の変革、GX(グリーントランスフォーメーション)が需要な課題になってきていますね。 今回の首相演説にもあるように、年末までに今後10年のロードマップが公表されるようです。そのなかで、しっかり森林投資が位置づけられるか?フォローして参ります。 KOKUNAI6-61 <KishidNY>
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