三菱UFJリサーチ&コンサルティングの季刊「政策・経営研究」の昨年7月号2008vol.3の特集はグローバリゼーションn3.0ですが、そのなかに標記論題の論文が掲載されています。筆者は同社研究員の相川高信さん。
日本とヨーロッパ主要国との森林/林業概要の比較
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日本 |
フィンランド |
スウェーデン |
ドイツ |
オーストリア |
森林面積(万ha) |
2512 |
2000 |
2753 |
1057 |
336 |
蓄積量(億m3) |
40 |
21.8 |
31.8 |
33.9 |
10.9 |
年間成長量(万m3/年) |
n.a. |
9700 |
12967 |
14587 |
3135 |
年間伐採量(万m3/年) |
1600 |
5800 |
9870 |
6229 |
1914 |
Ha当たり |
蓄積量(m3) |
159 |
109 |
115 |
317 |
324 |
年間成長量(m3/年) |
n.a. |
4.9 |
4.7 |
13.8 |
9.3 |
年間伐採量(m3/年) |
0.6 |
2.9 |
3.6 |
5.9 |
5.7 |
相川132頁同上から作成
上記の表は、論文の冒頭に掲げられて表から作成したものですが、単位面積当たりの伐採量の比較に現れる、日本と欧州の林業の活性度の違い。この違いの由来は、この30年間のグローバル化の動きに必至で対応してきた欧州と、それができなかった日本の違いだ、というのが趣旨です。
生産性の問題のみならず、ガバナンスの強化のための法制度とそれを担う主体の問題、など幅広い問題提起となっています。
全文はこちらからpdfファイルグローバリゼーションの受容による地域林業再生The Acceptance of Globalization and Regeneration
of Japanese Forestry
- 論文の背景と目的
- 論文のフレームワーク
- 比較軸
- 時間軸
- 本論
- 1980年代〜:労働生産性向上の時代
- 下降する木材価格、上昇する労働費用
- 農家林家の減少、経営サポートの必要
- 1990年代〜:環境対応の時代
- 「持続可能な森林経営」概念の登場
- ウッドショックの発生
- ヨーロッパにおける環境対応
- 2000年代〜:地政学的変動の時代
- バーゲニングパワーの交代、資源ナショナリズムの勃興
- さらなる資源利用率の高度化、付加価値向上の挑戦
- 日本林業の対応への遅れと、再生への枠組みの提案
- 日本のリアリティーのなさ、対応の遅れ
- 解決の方向性
- 提言:グローバルな共通の枠組みの導入
- まとめ:見えてくる未来
- 持続可能な中山間地域
- 世界レベルでの「持続可能な森林経営」への貢献
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