緊急経済対策補正予算と木材利用(2013/1/27) | ||
政府は1月11日「日本経済再生に向けた緊急経済対策」を閣議決定し、これに基づき1月15日の閣議で歳出総額13兆1千億円の大型補正予算が閣議決定されました。(財務省) 緊急経済対策は、@復興・防災対策、A成長による富の創出、B暮らしの安心・地域活性化の3分野が重点とされ、Aの中の「攻めの農林水産業」という項目の中に「木材利用ポイント」、と 木造公共施設整備が記載され、それぞれ補正予算で410億円(木材利用ポイント)、920億円(強い林業・木材産業構築緊急対策(「森林整備加速化・林業再生基金」の拡充等))などが計上されています(関連予算を含む)。 注目される木材ポイントは、「地域材を活用した木造住宅の建築、内装木質化、木製品等の購入の際に、木材利用ポイントを付与し、地域の農林水産物との交換等を行う取組」と説明されていますが、2009年から始まった家電エコポイント、住宅エコポイントの事業仕組みを踏襲し、「地域材」の普及をはかろうというものです。 木材の利用そのものにメリットを与える予算制度として、重要な予算だと思います。 家電エコポイントが一定の統一省エネラベル、住宅エコポイントが一定の省エネ基準、をクリアする製品の普及という役割を担っていましたが、木材ポイントでいう地域材というコンセプトがどのように定義されるのか、一つの注目点です。 予算の背景には以下のような記述があります。
また、政府の予算措置で「地域材」にメリットを与えている現行制度には、国土交通省の地域型住宅ブランド化事業があります。 同事業募集要領によれば地域材は、@都道府県産材または同程度の履歴が証明された木材、A森林認証木材、B林野庁のガイドラインにより合法性が証明された木材のどれか一つとなっています。 背景の記述を見ると、国内の森林資源の増加が念頭あるので国内の森林資源から供給された木材であると見られますが、先例から考えると、一定程度のトレーサビリティが確保されていて、違法伐採問題のようは環境負荷が問題にならないようなことを前提とする材という形になっています。 いずれにしても、この制度が数年続く永続的な制度となるとは考えられないので、この制度が普及しようとしている地域材がどんなものか、わかりやすい説明がなされい、コンセプトが定着することを望みます。 kokunai11-8(24hosei) |
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