第17回木の建築賞表彰式が開催されましたー受章者のプレゼンを木材調達の視点から紹介(2022/7/15) |
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いまもとめられる木の建築・活動とはー第17回木の建築賞発表(2022/5/15) 6月25日表彰式が東京大学弥生講堂アネックスセイホクギャラーでありましたので、出席しました。 すでご報告しましたが、表彰されたのは、以下のプロジェクトです ◆木の建築大賞 (受章者のプレゼンテーション) 最初の四つのプロジェクトの受章者からの報告がありました。 それぞれの方から関係資料をいただきました(どうもありがとうございました)ので、その内容に基づいて(主として川上との関係を中心に)ご紹介します。 いただいたすばらしいプレゼンの関係資料はそれぞれダウンロードできるようにしていますので、楽しんでください。
応募責任者:望月成高・株式会社望月工務店、望月建築設計室
「伝統的構法」:本来の木の特質のしなやかなめり込みと復元能力を活かして、日本古来の継手仕口によって金物に頼らず組み上げる伝統構法の木造築物が数百年間にわたり建ち続けれる事を歴史で証明されているこの構法に、現代の科学と業を加えた構法です(上と右)。
(以下プレゼン資料から・・・) 全て同じ地域(10キロほど離れた岡崎市)に御宮が所有する山林の材木を使用しています。(右の図) 木材は「植える→育てる→伐採する」というサイクルで森林を適切に管理すれば半永久的に生産できる優れた材料です。また、生育する時には温室効果ガスのひとつであるCO2を吸収し、木材として使用される際も内部に炭素を固定し続けるため、地球温暖化対策にも貢献します。 さらに、地域の気候や風土に馴染んだ地域産木材を利用する事は、地産地消により地域の林業の活性化の一端に加えて、木材を運搬する時のエネルギー消費も抑えることが可能でありウッドマイレージの観点や、地域の伝統や文化や産業にも貢献する事になるなど、非常に理にかなったものとして実践しています。
地域の気候や風土に馴染んだ同じ土地の木がが同じ土地の気候に晒される事で乾燥時の木へのストレスを軽減し木へのストレスを軽減し自然な状態で1年以上の時間を掛けて乾燥された材木は「材の生じる狂いが少ない」「粘り強く耐久性が高い」「木本来の美しい色艶と香りを引き出す事が出来る」木の本来の持つ良さの特性を⼗分に引き出す事が出来きます。 そして、御宮の山の木が、御宮の社殿の姿となって還れた事は、木も喜んでくれたと思えます。 材木の市場で国産木材は、性質が安定しており入手のしやすい外国産材に取って代わられ、減少の⼀途を辿っており、山では戦後から長い年月をかけて育った木々の多くが、材として使われることもなく立ち尽くしています。 木材の活躍する場を拡げることで、山に眠る資源の活用と、森林事業の活性化に繋がり、伝統・⼀般・公共建築物 (以上、藤原のコメントではなく、木の建築大賞を受賞された方のプレゼン資料から!!) ーーーー 建設過程で使った木材の伐採箇所がすべて(ほとんど)わかる、究極のトレーサビリティですね! プレゼン資料いただきましたこちらに掲載します
応募責任者:久保久志・株式会社東畑建築事務所 文部科学省の「木の学校づくり先導事業」による支援を受けた全国初の木造3階建ての小学校。
また、校舎そのものが教材となり、木を生かした学習など、地域に目を向けた学習にもつながります。 (木材調達の仕組みから考えました)(頂いた資料から)
校舎建設に必要な木材の調達において「木村調達検討会」を基本計画段階から継続開催し、建設工事に先立ち行う木材調達に必要な体制・スケジュール•発注要領等の検討を行いました。(左の図) 検討会では以下の三つのことを・・・、 ①建築部材での種類や量を明確いして、伐採業者や設計者に情報提供 ②木材を発注する間での調整 ③発注の仕様、製材業者の条件を提示
魚津市教育委員会が、うおづ産木材調達JVというところに木材を発注して、検討会で調整した製材品を受注し、施工業者に渡すのだそうです。 3 階建て部分を1期工事、2階建て部分を2期工事として建て方時期をずらすこと、木材の発注を3段階に分けることが決定しました。(右の図) 設計段階より地域材の情報を得ることて、市産材のほとんどを占める杉材を有効に活用した構造計画や内装計画が可能になリました。 ということで、業界と行政が連携して、木材調達の仕組みをつくっています。参考になるでしょうね。 大型建築をする場合の、すこし小さな地域のサプライチェーンと連携!木の学校づくりのプロセスのモデルです。 プレゼン関係資料をいただきましたのでこちらに掲載します。
応募責任者:清水亮太・株式会社プランテック
老朽化した従前建物の建替えにあたり、立地特性や社会情勢等を踏まえた計画が必要であると課題設定しました。(右の図) 本計画における重要なテーマを実現するための“木” の活用が重要なコンセプトになりました。 (設定した4つの課題) まず、設定した4つのテーマ ① まちなみに調和する建物 ② 環境負荷低減に関する取組み
④ 建物の持続可能性 (4つの課題は木の活用ですべて実現) 設定した4つのテーマは、木の活用により実現可能であり、木の活用によりにさらなる付加価値を見込めます(上の図)
プレゼン資料に、建築物に利用した木材に係る炭素貯蔵量の算定シートというのが、ついていました 国産材に利用量が44.3m3(ほとんどがスギのCLT) 輸入材の利用量が44.0m3(ほとんどがオウシュウアカマツの集成材)だそです。 二酸化炭素の貯蔵量は64.7トンでした!!。 (自家用車が28万キロ走行するときの排出量かな?(企業による森もり林づくり・木材利用の二酸化炭素吸収・固定量の「見える化」ガイドラインp17この部分は藤原コメント) 建築物の環境評価過程で、こんな数値が公表されることが、普通になってくる前兆!! こういう、データを算出過程で、それぞれの木材のトレーサビリティなどが、把握公表されると、もっとよかったですね。 プロジェクトの関係資料が公開されています⇒(ダイダン北陸支店)
応募責任者:澤秀俊・澤秀俊設計環境、NPO法人活エネルギーアカデミー たまたま里帰りしている時に参加した「高山エネルギー大作戦」1週間の自然エネルギーセミナー盛り上がって…
それなのに灯油代に 年間24 億円しはらっている?! そこで、これから報告するプロジェクトができました。 ((放ったらかしの山の恵みを活かす「木の駅プロジェクト」)) 以下の4つのポイントがあります
高山市と一緒になって、切捨て間伐問題に対処するため、山の近くの拠点(木の駅)に木材を運んでもらって地域通貨で支払い、定期的に循環する運搬車で加工拠点に運ぶ、木の駅プロジェクトをつくりました。(左の図)
飛騨信用組合や協賛店の皆さんと一緒になって、地域通貨enepoを発行(右の図) 地域通貨Enepoは、カフェ・レストラン・居酒屋から本屋・雑貨屋といった日用品店、整体やヨガ教室まで多種多様な協賛店で使用できる。 協賛店は、受け取ったEnepoを地元金融機関の飛騨信用組合で現金決済ができる。金融機関がアナログ地域通貨を対価交換してくれる仕組みは全国初。
地元の木材加工業者の皆さんと一緒になって・・・
資源の川上(山の現場から川下(成果品・製品)のグラウンドデザインを描く!!ということで、賞をいただきました(右の図)
山の価値を上げるための自伐材による建材づくり 「隠庵 ひだ路の客室」における自伐材の活用例(左の図) 木の駅プロジェクトは日本各地ですすんでいますが、ほとんどがチップやペレットになって、燃料材の供給をしています。 建築関係者主導して地域の建物になっているのは、数少ない事例です。 全国の木の駅プロジェクトを先導する「木の活動賞」!! プレゼン資料いただきましたこちらに掲載します ーーーーーーーー kokunai3-66<17kinokentikuhyosyo> |
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