全国の木材事業者の集まる全国団体:(一社)全国木材組合連合会と全国木材協同組合連合会の年次総会が、5月15日新木場の木材会館で開催されたので、行って来ました(自転車で)
これらの団体には、私10年ほど前まで、10年ほど勤務していて、その時の知人とお会いしたり、全木連の会長は勉強部屋ニュース30号記念のイベントで業界を代表して参加していただいた、恩義のあるかたのご挨拶の機会などなど・・・・
いろいろ出席のモチベーションはあるのですが、改正クリーンウッド法が施行されて、木材業界がどのように変わっているのかな?というのが主たる関心事項。
総会の少し出席したぐらいでは、よくわからないことがあるんですが、総会の資料の本年度の事業方針をいただいたので、関連部分(地球環境との関係で合法性持続可能な木材の利用拡大)をピックアップしてみました。
(全木連今年度事業方針の地球環境問題との関係で環境に優しい木材の利用拡大部分)
下の図は全木連R7年度事業計画の構成で、関連記載部分が太字の茶色部分4か所でです。それぞれの本文もつけてあります
第1 事業の方針
1 経済社会の動向
2 木材利用・木材産業の動向と課題 →本文こちら
3 事業計画の重点
第2 事業計画
I 温暖化防止・地域活性化に貢献する持続可能な木材利用の推進
1 ウッドファースト社会実現に向けての運動の展開
2 消費者、需要者への普及活動
3 地球温暖化防止対策としての木材利用 →本文こちら
(1) 気候変動問題等への対処
(2) 違法伐採対策の推進等
(3) 木質バイオマス利用等の促進
Ⅱ住空間、街づくりへの総合的な木材利用の取組
1住空間への取組
2 街づくり・公共建築物等への木材利用
3 地域材・国産材の利用拡大
Ⅲ木材産業のグリーン成長に向けた産業構造の確立
1 木材産業の経営安定化の取組
2 効率的な加工・流通体制の確立
(4) 地域材丸太の安定供給・確保体制の構築への取組 →本文こちら
3 東日本大震災、熊本地震、能登半島地震の復興・復旧と木材需給安定の取組
Ⅳ安全•安心の木材利用・供給の推進
1品質の確かな木材製品、認証木材等の普及
(3) 合法木材・都道府県産認証材の取組及びクリーンウッド法への対応 →本文こちら
2 木材の健康•安全対策
Ⅴ組織活動の活性化等
1 全国木材産業振興大会の開催
2 団体活動の活性化等
|
---
事業方針本文 |
コメント |
第一事業方針
2 木材利用・木材産業の動向と課題 (5) 気候変動など地球規模での環境問題については、2015 年末にパリで合意された2020 年以降の温暖化対策の中でも森林整備が引き続き位置づけられている。
また、伐採後の木材製品の利用が炭素を貯蔵する能力は、気候変動緩和に貢献することが認められており、このことへの国民の理解を深め、木材を積極的に活用していく社会を一層幅広くアピールすることが重要となっている。
なお、国連の「持続可能な開発目標(SDGs) 」は、環境への貢献の目標としてだけではなく、今後の社会・企業活動の規範として定着しつつあり、持続可能な循環型資源としての木材及び地域型資源としての国産材の価値の再評価につながってきている。
また、改正された「合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法(クリーンウッド法)」については、令和7年4月からの施行に際し、木材業界を挙げてその遵守に取り組んでいく必要がある。
そのため、川上の木材関連事業者として合法性が確認された木材以外は使わないこととし、木材関連事業者となっている建築関係者等の川下の関係者との連携を強化するとともに、主伐時代を迎えた国産材について伐採時点から合法性の連鎖を確立することで信頼性を確保し、利用者や消費者に対して合法伐採木材の利用拡大を図る運動を一層進めていく必要がある。
さらに本会は、令和4年6月に林業・木材産業7団体で行った「時代の要請に応える国産材の安定供給体制の構築に向けて~共同行動宣言2022~」の一員として、再造林が放棄される等の深刻な事態への対応に向けて、持続可能性の確保された木材以外は使わないという方向ヘシフトすることとし、それを支えるために持続性の確保された国産材原木・製品の安定的な供給体制の整備に取り組む必要がある。 |
アンダーラインの部分は昨年から新しくなった部分。その下の文章は昨年から引き継いていますが、大切なフレーズですね。木材事業屋の皆さん頑張って!!
共同宣言については、別途紹介しますね。 |
|
|
I 温暖化防止・地域活性化に貢献する持続可能な木材利用の推進
3 地球温暖化防止対策としての木材利用
(1) 気候変動問題等への対処
気候変動問題への取組に森林整備や伐採後の木材利用が正式に位置付けられていることから、非住宅を含む建築物の木造化と内装・外構の木質化が、企業のCSR活動の一環として評価されるような仕組みの構築に努める。
また、国民の間に浸透してきているSDGsの取組を活用し、循環型資源かつ地域型資源である国産材需要拡大への理解を一層深める活動を幅く展開する。
(2) 違法伐採対策の推進等
ア違法伐採対策に関しては、クリーンウッド法に対応して、輸入国として先進的な取組を導入してきた経緯に鑑み、政府や国際的な動きに協調した上で、工務店等川下への働きかけを行い、効果的な施策の推進をるとともに、合法性等の証明された木材・木材製品の利用促進、制整備及び信頼性向上のための取組を引き続き強化する。
イ令和7年4月の改正クリーンウッド法の施行に対応し、グリーン購入法及び林野庁ガイドラインに基づく取組との整理を含めて、効果的で効率的運用となるよう働きかけを強化する。また、会員等への迅速な情報提供に努めるとともに、改正クリーンウッド法に対応した体制整備への支援を推進する。
ウまた、海外の林業・木材関係機関等と連携・協調して必要な惰至集に努める。 |
クリーンウッド法対応の重要なフレーズ。だけど、昨年とほととんど変わっていません。だから大切なのでしょう。
変わったのはアンダーライン部分。昨年は「体制整備の取組を推進する」だったのが→「体制整備への支援を推進する」に。 |
|
|
Ⅲ 木材産業のグリーン成長に向けた産業構造の確立 2 効率的な加工・流通体制の確立
(4) 地域材丸太の安定供給・確保体制の構築への取組
ア原木の安定供給・確保体制や森林の持続可能性が確保された木材の安定供給体制の構築に向け、中央や地方において需給情報連絡協議会に参加し、木材の需給動向の的確な把握や情報伝達に取り組む。
イ製材、合板、チップ及びバイオマス利用等森林資源の最大限の活用を推進する。
ウ素材生産の規模拡大や生産性向上等のために必要な機械施設整備に係る助成・交付金やリース・融資等の制度、さらに運転資金関係制度の有効活用と制度充実に取り組む。
工持続可能性の確保された木材を生産するため、地域における再造林の確保の活動に取り組む。そのためにも、価格転嫁と取引適正化に取り組む。 |
昨年と同じ文脈です。
「持続可能性の確保された木材」という重要な文言が記載されています。再造林へのこだわり!!持続可能性は大切な文言ですね、もう少し幅広いコンセプトで使われることが多いですが。 |
|
|
Ⅳ 安全•安心の木材利用・供給の推進 1品質の確かな木材製品、認証木材等の普及
(3) 合法木材・都道府県産認証材の取組及びクリーンウッド法への対応
ア改正クリーンウッド法に対応して、林野庁ガイドラインに基づく認定供給事業者が信頼できる供給者であることを広く発信し、需要者及び消費者の違法伐採対策への理解を深め、民間需要における合法伐採木材の利用拡大を図るため、展示会等に出展し、各種メディアを活用した普及活動を展開する。
イ改正クリーンウッド法に基づく制度への円滑な移行と林野庁ガイドラインに基づく事業者認定及び合法木材供給制度の信頼性確保のため、認定団体と合法木材供給事業者等を対象とした研修会及びセミナー等を開催する。
ウ改正クリーンウッド法が令和7年4月に施行されたことを踏まえ、会員、木材関連事業者及び消費者等への情報提供、理解の促進並びにそのための体制の構築に努める。
工都道府県産材認証制度等の一層の充実及びそれに基づく製品供給の推進に取り組むとともに、都道府県の枠を超えた取組の在り方についても都道府県関係者と連携し検討する。 |
昨年の文章が「改正クリーンウッド法が令和7年4月に施行されることを踏まえ」が「改正クリーンウッド法が令和7年4月に施行されたことを踏まえ」に変更されました(当然ですが)、
実質的な内容は「体制の構築」ですね。 |
今年度の方針は以上の通りです。
(合法性等(持続可能性)の確保された木材流通への期待)
昔全木連で違法伐採対策の立ち上がりのころに対応していた、自分での視点から見ると「クリーンウッド法に対応して、輸入国として先進的な取組を導入してきた経緯に鑑み」というフレーズは大切です。そして、続くフレーズが「、政府や国際的な動きに協調した上で、工務店等川下への働きかけを行い、効果的な施策の推進をるとともに、合法性等の証明された木材・木材製品の利用促進、制整備及び信頼性向上のための取組を引き続き強化する」とあります。
合法性の証明された木材だけでなく、合法性等、持続可能な木材も視野に入れて頑張ってください。
そういえば、持続可能性ということばも、「持続可能性の確保された木材以外は使わない」!!!など上記文書に複数あります。伐採後に再造林された木材ということが、視野に入っているようですが、令和の木材利用拡大の後の次世代の森林が後世のひとから評価されるように頑張りましょう。
(総会でのゲストの発言で)
大きな総会に招待されたゲルトの発言がいつくかありました。林野庁青山長官、国交省住宅局長代理木材住宅振興室長、などなどですがテキストをいたいたら、紹介してまいります。
その中で、小坂次長が挨拶の中で紹介された、SHK温室効果ガス算定・報告・公表制度と、,建築物のライフサイクルカーボン削減に関する関係省庁連絡会議といおう二つプロジェクト。木材利用を市民や企業に訴求する新たな仕組み。今後フォローしていきたいと思います。
junkan3-34<zenmoku2025soukai>
|