自然資本プロトコルと森林(2017/3/12) |
2月17日自然資本プロトコル国際シンポジウム2017が開催されました。循環社会に向けた企業のイニシアティブに関係ありそうな気になる会合でしたので、少し顔を出してみました。 聞きなれない言葉ですが、自然資本プロトコルとは、「自然資本(人々に一定の便益をもたらす再生可能あるいは非再生可能な天然資源)の直接的及び間接的影響(ポジティブな場合とネガティブな場合がある)や依存度を特定、計測、価値評価するための標準化された枠組み」だそうです。 自然資本分野に関連する企業やWWFなどの環境NGO、世銀などの国際機関などがつくる自然資本連合(NCC)が、昨年6月に英語版を発刊し、シンポジウムに合わせて日本語版が公表されました。 サステイナブルジャパンのページに今までの経緯も含めた紹介がされています。 フレーム(なぜ?)、スコープ(何を?)、計測と価値評価(どうやって?)、適用(次は何?)に4つの段階の作業が記載されていますが、計測と価値評価の部分で環境アセスと違って、企業経営の自然資本への影響だけでなく、自然資本への依存度も明らかにするのがポイントだそうです。 これを使って評価することがどの程度企業にとってインパクトがあるのかよくわかりませんが、海外ではコカ・コーラ、ダウ、ロシュ、ネスレ、シェルなどが作成過程からかかわりあっているのだそうです。 とりあえず評価の過程で、森林や木材の利用がどう取りあつかわれているのかが気になりました。 120ページほど本文のキーワード検索をしてみると森林が11件、木材が8件。森林は企業環境を形作る要素として例示され、木材は原料の入手にかかる自然資本への影響といった文脈での例示だと思われますが(それが最終的にどんな形で形で評価されるのか、よくわからないところがあります)、循環可能な木材の利用がポジティブな要素として紹介される形にはなっていません(持続可能な木材の利用量」などの例示がない)。 企業の環境的な側面を評価する様々な取り組みがなされていて(参考自然資本の計上)、今回のものはその中重要なプロジェクトなのかもしれませんが、作成過程で循環可能な木材の利用といった面が評価されるように、情報提供をする努力がさらに必要なのでしょう。 (junkan6-4<NCPrtcl> |
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