日本の森林の今を学ぶ:ウッドマイルズフォーラム2012から(2012/8/18) | |
(10年目を迎えるウッドマイルズ) 私も設立時から関わってきたウッドマイルズ研究会の総会が7月21日東京の新木場で開かれました。来年で10周年になります。 木材の消費者と生産者の距離に関する指標を、木材の環境負荷の一つとして見える化しようという取組みは、それ自体が、先進的な問題提起を含んでいたし、また、建築関係者が今の森林や林業に関心をもってもらう運動論としても貴重な役割を果たしてきたと思います。 幅広い問題提起を含んでいるだけに、どこに向かって次のステップを踏み出していくのか。「もう研究会ではなく普及の段階なので新しいステップを踏み出すべき」など、会としては検討を深める重要な時期にきていると、藤本会長も指摘されていました。 今後一年間検討をして、来年の10周年には再出発のビジョンを皆で確認できるようにしたいです。皆さんよろしくお願いします。 (日本の森林の今を学ぶ) 昨日のウッドマイルズ研究会の総会のあと、午後は「ウッドマイルズフォーラム2012日本の森林の今を学ぶ」が開催されました。会員の建築関係の方から出された「建築というビジネスのサイドから山作りに貢献しようと長いことやってきたが、今日本の森林はどうなっているの?」という問題意識に応えたものです。 ゲストの報告者は、静岡の金原明善を創始者とする金原治山治水財団理事長金原利幸さん、高知の、NPO法人土佐の森・救援隊事務局長中嶋健造さん、大分の株式会社トライウッド木川研史さん、の三人に、コメンテーターが、大日本山林会の箕輪光博会長、日本木質ペレット協会熊崎会長、林野庁小坂善太郎首席森林計画官、ウッドマイルズ研究会藤本昌也会長、それに藤原、コーディネーターは三澤文子さんというメンバーでした。 日本の森林林業の一番の根の深い問題は、伐採時期を次々の迎えつつある日本の森林資源が市場(製材所の資材置き場や市売り市場)まで出てくるまでに大変なコストがかかり、一番近い日本の木材建築部材の市場の中ですら、(間伐の補助金などがないと)海外の製品と勝負にならない、という現実です。 そのためには、@品質や再生産過程の信頼を確保しつつ、真っ向勝負でコストを引き下げる努力を徹底的にすることと、A環境問題や顔の見える関係などを通じて国産材や地域材のマーケットを輸入一般材と切り離して確立すること、という二つのアプローチがありますが、多分そのどちらも必要なのでしょう。 今回の三人の報告は、その二つの面でまだまだやることがたくさんある、ということでした。 国産材の丸太市場が大混乱しているさなかの開催だったので、少し心配していましたが、どの報告も力強いものでした。 概要はウッドマイルズ研究会のこちらに掲載されています。 energy2-63<WMF2012> |
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