里山資本主義vsマネー資本主義(2012/1/28)

NHK広島放送局が作成し中国地方のローカル向けに昨年放映された、「里山資本主義 〜革命はここから始まる〜(1)」という番組が、NHKエコチャンネルというサイトから閲覧できます。

身の回りの豊かな自然から食料や燃料を手に入れ、自立した生活を送る、そんな里山の知恵を生かした中国地方の動きを、オーストリアの先進事例の取材と連携して提示している、スケールの大きな番組です。

出だしはギリシャのデモ隊の映像から始まります。NHKが09年に特集で取り上げた、マネー資本主義(小サイトで指摘してきた経済=投資のグローバル化と社会制度のグローバル化の矛盾の現れの一つ)のアンチテーゼとして里山資本主義が置かれていて、その初回のテーマが木質バイオマスエネルギーの可能性。

オーストリアのハンガリー国境沿いの農村地帯の町ギュッシングは、EU拡大、通貨ユーロへの統合で農産物生産をあきらめざるを得なかった中で、近郊に放置された里山からの木材を原料とした木質ペレットによるエネルギー供給体制を行政主導で作り上げてきました。
(ギュッシングについては神崎康一オーストリア・ギュッシング地域の100%自然エネルギー化の取り組み参照)

それと対置する中国地方の木質エネルギー利用の先例が岡山県真庭市の銘建工業の取組。社長が主人公の一人になっています。

この方向が社会を動かすまでになるには、再生可能エネルギーの原料価格の設定など重要な課題がクリアされなければならないはずですが、今年は再生可能エネルギー電力の買い取り制度、地球環境税など具体的な一歩が踏み出される年でもあります。

一見の価値があります。
「里山資本主義 〜革命はここから始まる〜(1)」

司会役は(地域ジャーナリスト)藻谷浩介 実測日本の地域力(日経新聞)、デフレの正体(角川新書)

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