「環境経済・政策学会2001年大会から」の話題から(1)日本のエネルギーの行方 |
9月29日30日と二日間にわたり京都国際会館で開催された、環境経済・政策学会2001年大会に出席してきました。 現時点で3つの全く構造が違ったそれぞれありそうなシナリオをエネルギー政策の専門家が議論した結果です。 @国家主導、 Aビッグバン、 B環境共同体の三つのシナリオがフレキシブルに描かれています。 (関心ある方は構想日本というプロジェクトのホームページで詳しく説明しています。同サイトからダウンロードした三つのシナリオの全体図を転載します。)
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報告者が3つのうちのどれを取るか、直接言及されませんが、政策提言の第一に「ガバナンス改革」第二に「エネルギー市場の自由化」を持ってきており、第一のシナリオを棄却し、第二のシナリオに近い第三のシナリオとの中間ということのようです(上記図の青い線)。 小ホームページにとって魅力的な第三のシナリオ(発表では「環境共同体シナリオですが、プレゼンテーションの場に応じて、「環境ユートピアシナリオ」・「風の谷のナウシカシナリオ」となったりしています。)、エネルギー需要を抑え原子力・化石燃料の消費を抑制的してゆくものです。 このグループの作業ののかで第三のシナリオについて否定的な記述は、「環境規制による慢性的な電力不足」と「GNP成長率の中長期的低下」(プレゼンテーション資料)ということのようですが、循環社会への転換のため、むしろポジティブな要素ということができるのではないかと思います。 それが、現時点で第一のプライオリティとなっていないのは、このグループでエネルギーの量的制約についての問題意識が希薄なことだとおもいます。 このことは小生もフロアから質問し結構話題となりました。 「化石燃料はなくなるのは間違えないが、人間が死ぬことがわかっていてそのことをばかり考えてることが、ポジティブな姿勢か?生命保険をかけておくことが重要」という発表者の発言が印象的でした。 いろいろ、議論が発展しそうな名言だと思いました。関連してそもそも地下資源は化石資源ではないのだという議論もあるようです。(→地球深層ガス)。 「地下に無限に眠るガスを21世紀の人間が解き放す」ちょっと恐ろしいですね。
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