原料のライフサイクルGHGを明らかにー発電用木質バイオマスガイドライン改定(2024/5/8)

4月1日に、「発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドライン」(以下は「発電用木質バイオマスガイドライン」とう)変更が公示されました。

(背景説明:発電事業者の事業計画策定ガイドラインの変更が出発点)

左の図が今回改訂された発電用木質バイオマスガイドラインの章立てですが、冒頭の趣旨のところに以下のような背景説明がされています。

「また、令和4年度以降のFIT・FIP認定案件(1,000kW以上)については、ライフサイクルGHGの基準が適用されるところ、発電事業者によるライフサイクルGHGの算定に必要な情報が適切に収集・管理・伝達されるよう、国内で発生する木質バイオマス(建設資材廃棄物を除く。以下「国内木質バイオマス」という。)の供給に関わる事業者が取り組むべき事項についても併せて定めるものとする。」

アンダーラインの部分が示すように、昨年10月に発電事業者が燃料調達のライフサイクルGHGを算定するように事業計画認定するガイドライン(右図の右下)が変更になったことが切っ掛けです(バイオマス発電事業計画策定ガイドライン改訂ーGHG排出量問題の新たな仕組み(2024/1/11)を参照下さい)。

事業計画認定ガイドラインの変更点は発電事業者事業計画の認定を受ける時に@輸入木質バイオマスの調達と使用計画を策定する場合、燃料のサプライチェーン上の各社において、ライフサイクルGHGを確認できる基準に基づく認証を取得することまた、A国内森林に係る木質バイオマスの燃料調達及び使用計画の策定する場合、燃料のサプライチェーン上の各社において、ライフサイクルGHGを確認できる基準に基づく認定等を取得することと新たな要件が記載されています。

それを受けて、今回発電用木質バイオマスガイドライン(右図の左上)が改訂になりました。

(発電用木質バイオマス証明ガイドライン変更の中身)

ご案内のように、バイオマスを燃焼させる再生可能エネルギー電力施設の中で、間伐等の木質バイオマスとか、一般木質バイオマスなど一定の由来が特定されているものについて、FIT/FIP制度を通じて買取価格が高く設定されているので、供給者がその条件を満たす燃料であることを証明する(由来の証明)するための留意点を示すためにとりまとれまれたのが、2012年にできた、発電用木質バイオマスガイドラインです。

今回の改定は、由来の証明だけでなく、当該燃料の供給(生産・輸送・加工)過程のライフサイクルGHG算定に必要な、データを、収集・管理・伝達するための仕組みに関するものです

(ガイドライン第四章の記載構成)

右が新規に作成された第四章「ライフサイクルGHGに関する情報収集・管理・伝達」構成です。

順番に要旨を紹介。

(1)ライフサイクルGHG基準の概要

FIT/FIP制度の認証発電所の要件に燃料のライフサイクルGHGを規制することとなり、エネ庁が別途定める「既定値」選択のための情報を入手する必要がある。「これに関し、国内木質バイオマスに係るGHG関連情報を発電事業者に的確に伝えるために、素材生産事業者やチップ製造事業者等、燃料の供給に関わる事業者が取り組むべき事項等は以下((2)以下)のとおり」

(2)本ガイドラインに沿ってGHG関連情報の収集・管理・伝達に取り組む必要がある者

「令和4年度以降にFIT・FIP認定された1,000kW以上の案件(新規認定のほか、燃料計画の変更認定を受けるものを含む。以下「GHG基準適用案件」という。)に対して、国内木質バイオマスを供給する素材生産事業者、チップ製造事業者等。」

(3)GHG関連情報の収集・管理・伝達の方法

ア 原料等の入荷がある場合は、入荷時にGHG関連情報の有無を確認し、GHG関連情報がある場合は、(4)に定める認定を受けている事業者から納入されたものであることを確認する。
イ GHG関連情報がある場合は、当該情報の内容(原料区分、輸送のトラック最大積載量、輸送距離等)に応じた分別管理等により、入荷から出荷までGHG関連情報を適切に管理する。(など)

(4)認定団体による審査・認定、公表

各事業者がGHGの情報を適切に収集・管理・伝達できることについての信頼性を確保するため、由来証明のための団体認定の仕組みを活用する。
具体的には、事業者がGHG関連情報を適切に収集・管理・伝達できることについて、業界団体等が認定団体として審査・認定する(団体は、自主的行動規範及び事業者認定実施要領をGHG関連情報の収集・管理・伝達に係る審査・認定に対応するよう改定する)。(など)

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(ポイントは)

たくさんのことが書いてありますが、ポイントはどんな距離をどんな交通手段で運んだらどのくらいおCO2がでるかという@「既定値」、Aそれに応じた分別管理を、?そんなことができる事業者の認定、ということですね。

上の図は一例です。50キロ以下の距離を4トン車以上(10トン車未満)のトラックで原木を1MJ分(???)運ぶと3,01g−CO2が発生します。というのが既定値のようです。

単位がわかりづらいですねー(1トン分の木材(水分40−50%ぐらい)を燃やすと1万MJのぐらいの熱が発生するんだそうですから)1MJの木材は1万分の1トン=100gですね

既定値はエネ庁WGの「FIT/FIP制度におけるバイオマス燃料のライフサイクルGHG排出量の既定値」という文献に掲載されています

(今後の課題は?)

それを念頭において、同じような取り扱いの原木を分別管理して・・・・・それで作った製品にどのくらいの距離を運んだ原木でつくっていますというような情報を発電所に渡すようにします、ということですね。

あちこちから運んできた原木をどのように分別するのか、その上間伐されモノかどうかなど由来も含めて、色々分別管理が大変になりそうですね

今後説明会なのがありそうなので、すこしづつ勉強していきます。

これからどのように運用されるかですが、それでは、わが社の場合は排出量ガスが少なくなるように運ぶ場合電気自動車にしようとか、既定値でなく皆がいろいろ工夫できるようになってくるかどうか、一つのポイントですね 

そのサイトでもしっかりフォローしていきますね。

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