第14回世界林業会議サイドイベントー持続可能な木材製品の需要の拡大のための緑の消費者との連携 Cooperation with green consumers toward demand expansion of sustainable timber products(2015/9/26)

  9月7日から11日南アフリカダーバン市で開催された世界林業会議、9月11日の昼に予定通り、標記サイドイベントが開催されました。

今回の会議出席の主たる目的となるもので、自ら主催のサイドイベントが最終日となったため、大会の初日から関係のありそうなイベントに参加しては、このイベントのPRをするというのが、毎日の日課でした。
 IISD毎日のイベントを追いかけているネットニュースに写真が載りりました↓

木材利用の拡大やトレーサビリティの推進にかかる日本の経験を伝達するもので、10カ国から30人の方が参加し、日本の合法証明の制度などについて議論が行われました。

1990年年代に開発された、森林の第三者の認証と、その情報を消費者につなぐCoCのシステム(FSC,PEFC,SGECなど)の重要な成果は、地方の関係者が真面目に取り組んできた森林管理のあり方を、消費者も含めた幅広い関係者を巻き込んで議論の場を 拡大したことです。

サプライチェーンの中心にいる大企業の社会的責任に依拠して効率的な管理をことができる「緑のサプライチェーン管理の手法」を、中小企業サプライチェーンが主流となっている木材製品に適用するには問題点があり、この課題に一つの重要な問題提起をしたのが、日本の林野庁の合法性証明のガイドラインで、問題点もあるが、グローバルな可能性をもっている、という主張です。

また、「違法伐採」という特殊な問題だけでなく、先進国も含めたどこの国でも課題である森林管理のガバナンスの強化に、広範な国民とともに取り組むためのツールとして大切な仕組みだと、いうメッセージを届けよう企画しました。

会場に見えた方は、少し少なかったのですが、大会全体で、このテーマに関してその他に50名以上の出席者と意見交換をして、今後の連携を確認しました。

  (Introduction)  (はじめに)
To address global illegal logging issues, the Japanese government decided in 2006 that timberproducts and building materials whose legality has been verified should be preferentially procured, and as a guideline for suppliers of wood and wood products, the Forestry Agency published the "Guideline for Verification on Legality and Sustainability of Wood and Wood Products" (hereinafter the "Guideline"): ten years will have passed in February 2016 since this Guideline was published. 日本政府が国際的な違法伐採問題に対処するため,2006(平成18)年に,調達する木材製品や建築部材に合法性が証明されたものを優先調達することを決め,その証明のために,林野庁が「木材・木材製品の合法性,持続可能性の証明のためのガイドライン」(以下,林野庁ガイドラインという)を発表してから来年の2月で10 年となります。
 The system to verify legality based on this Guideline, which more than 11,000 business operators participate in and implement, is internationally well known as "Gohowood".
 This system has been compared frequently with measures against illegal logging being taken in the U.S. and the EU.

11,000を超える事業者が参画し運用している林野庁ガイドラインによる合法性証明のシステムは,「Gohowood」として海外でも知られています。違法伐採に対する対応は米国やEUなどでも進展しており,日本の取組との比較をされる機会が多くなっています。

As a leading member who has been involved in implementation of this system from the very beginning, in this article I discuss its significance and present challenges to the system in Japan from a global point of view. I hope that new horizons will be opened up in this important system as it marks its 10th anniversary. このシステムの運営に当初からかかわっていた筆者としては,本稿で,グローバルな視野で現時点での日本のシステムの意義と課題について議論し,10周年という時点でこの大切なシステムに,あらたな地平が開かれることを期待するものです。

イベント参加者のみならず大会会場で以下のとおりの3種類の資料を配布ししました。
日本語と英語版をこちらの以下のサイトに置いておきます。

 英文資料  日本文資料
Illegal Logging Issues - Significance and Challenges: Pertinence of Forest Management Governance in Japan & Other Countries 、  違法伐採問題に対する取組みの意義と課題―日本を含むすべての森林の森林管理のガバナンスにも関連して
 Experience of the activities of the Woodmiles Forum in Japan  日本におけるウッドマイルズフォーラムの活動の経験
 Text of the Act for Promotion of Use of Wood in Public Buildings etc(PDF)  公共建築物等木材利用促進法(本文)
 Guideline for Verification on Legality and Sustainability of Wood and Wood Products  木材・木材製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドライン

chikyu1-32-2<wfcmysidevent>