10年に一度の日本のからの情報発信ーモントリオールプロセス国別報告書第三弾 (2019/9/15) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
国際的な森林の持続可能な管理を実現する道筋として、各国が自国の森林と管理状態を信頼できる基準に基づいて公表するという手続きがとられていますが、日本政府は日本が参加するモントリオールプロセスの基準指標に基づき、第3回の報告書を作成公表しました。 第2回目が2009年なので10年ぶり。 林野庁のサイトに掲載されています。 (モントリオールプロセスとは) 1992年にリオ・デジャネイロ(ブラジル)で開催された地球サミット(UNCED)以降、持続可能な森林経営の推進が国際的に重要な課題となる中で、森林経営の持続可能性を客観的に把握する「ものさし」として、基準・指標を作成する取組が世界各地域で進展しました。 そのうちの一つ、モントリオール・プロセスは、カナダ、米国、メキシコ、アルゼンチン、チリ、ウルグアイ、豪州、ニュージーランド、中国、ロシア、韓国、日本の12ヵ国が参加し、1994年から、「基準・指標」の作成と改訂、指標に基づくデータの収集、国別報告書の作成等に取り組み、2007年からは我が国(林野庁)が事務局を務め、各国間の活動の企画調整等を行っています。 現在、環太平洋地域の温帯林等諸国が参加するモントリオール・プロセスのほか、欧州各国によるフォレスト・ヨーロッパ、国際熱帯木材機関(ITTO)加盟の熱帯木材産出国によるものなど、世界に9つの基準・指標プロセスがあり、約150ヵ国が少なくとも1つに参加していることがFAOによって報告されているようです。Criteria and Indicators - for sustainable forest management:FAO 名称の由来は、1993年9月に開催された、「温帯林等の持続可能な開発に関する専門家セミナー」ですが、この会合に私も林野庁の担当者として参加し、その後この、持続可能な森林の基準指標づくりが、来たるべき森林条約の重要なコンテンツになるはず、とう思いで、この経緯には直接関与し、そのポジションから外れた後も、この勉強会などで、結構フォローしてきました。国際的な基準・指標づくりの取組 最近の情報は林野庁のページ森林・林業分野の国際的取組の中の「持続可能な森林経営の「基準・指標」〜モントリオール・プロセス〜」からどうぞ (基準と指標) 上の表にあるように第2回報告書がでてから、すこし基準と指標が替わりました。
3回の報告がでたところで、国際的な評価基準が日本の森林の管理政策にどのようにフィードバックされてくるのか興味深い点です。 (第2回と第3回の国別報告の違い) 二つの報告書はどちらも130ページほどの報告書ですが(日本語版)、章別に割り当てられたページ数の比較です。緑のセルが多くなった章。
東日本大震災の津波と海岸保安利の関係や、各地の水害と森林の関係など基準3に割り振られたページ数は倍増しています。 その他、技術的な情報収集の進展を反映して、第1章5章などの記述が増えています。 違法伐採問題などの切り口が基準7には出てきますが、ガイドラインで積み重ねられてきた日本の蓄積についての言及がなく(第2回にもない)、今回はクリーンウッド法のことだけが、記載されているなど、少し気になる部分もあります。すこし、この辺はまた別途中身の検討をする機会を持ちたいと思います。 chikyuu3-6<montrealreIII> |
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